東急バスとは、東京城南地域・川崎市・横浜市北部で主に路線バスを運行するバス会社である。東急電鉄の子会社。
概要
1991年、東京急行電鉄のバス部門を分社化する形で設立された。
路線バスのほか空港直通バスや深夜急行バスなどの運行も行っているが、高速バス事業からは1998年までに撤退している。
貸切バス事業は非常に規模が小さいものとなっている。
「東急コーチ」と呼ばれるハイグレード中型車を使用したデマンド運行が2001年まで行われていた。その名残で現在も元コーチ路線では都市圏では珍しくフリー降車区間やフリー乗降区間が設けられている。
1998年には子会社である「東急トランセ」を設立。当初はトランセ代官山線を運行する会社だったが、現在では東急バスの一部営業所路線の運行がトランセに委託されている。
委託路線の車両には「TOKYU TRANSSES」のステッカーが貼られている。
運賃
一般路線の運賃は都内・横浜市内が大人210円・小児110円、東98系統の東京駅丸の内南口~目黒駅と川崎市内(一部横浜市内を含む)が大人200円・小児100円、東京都と神奈川県を走る路線では大人250・210・200円、小児130・110・100円の区間運賃制である。区間運賃制を設けている路線でもいわゆる整理券がないため、乗車時に運転手に降車予定地を申し付けなければならない。
4/1からの消費税引き上げにより、運賃および定期券や一日乗車券の価格が変わります。
詳細→http://www.tokyubus.co.jp/top/news/press.pdf
学校の長休み期間やゴールデンウィーク時の子ども料金は50円となる。
また、2011年11月1日より、虹が丘営業所発渋谷駅行の通勤高速バス「Tokyu E-Liner」の運行が行われている。
ワンロマ車を使用する関係か、虹が丘営業所発なものの、東山田営業所の管轄である。
E-Linerの運賃は大人700円、小児350円だが、ICカード利用で大人100円、小児50円割引となる。
関東の大手私鉄系のバスで唯一全ての路線が前乗り前払方式であることが特筆される。
営業所
東急バスの営業所は以下の通り。なお、括弧内は後述する営業所記号である。
東京都内
- 淡島営業所(A):東京都世田谷区三宿2丁目39-1
- 下馬営業所(SI):東京都世田谷区下馬1丁目3-2
- 弦巻営業所(T):東京都世田谷区弦巻4丁目29-23
- 瀬田営業所(S):東京都世田谷区上野毛4丁目38‐3
- 目黒営業所(M):東京都目黒区目黒本町1丁目14-18
- 荏原営業所(E):東京都品川区二葉4丁目27-1
- 池上営業所(I):東京都大田区中央7丁目1-1
神奈川県内
- 高津営業所(TA):川崎市高津区溝口5丁目14-1
- 新羽営業所(NI):横浜市港北区新羽町1927
- 青葉台営業所(AO):横浜市青葉区さつきが丘7
- 虹が丘営業所(NJ):川崎市麻生区王禅寺963-8
- 東山田営業所(H):横浜市都筑区東山田4丁目35-1
廃止営業所
- 不動前営業所:1969年5月7日廃止(営業所記号設定前の廃止のため営業所記号なし)
- 中延営業所(N):1989年6月21日廃止
- 駒沢営業所(K):1984年3月16日廃止
- 日吉営業所(H):1993年11月1日廃止
- 大橋営業所(O):2002年9月16日廃止
- 川崎営業所(KA):2010年10月1日廃止
車両
国内四大メーカー全て(UDトラックス・日野・いすゞ・三菱ふそう)がそろっている。ただし、営業所によっては一部メーカーが無かったりするが、1つのメーカーで揃えられている営業所は無い。
路線車
大型車は短尺車が中心だが、田園都市線沿線に路線を持つ神奈川県内の営業所では高津営業所を除きラッシュ対応のため長尺車も在籍している。その他、道路状況や需要に合わせ中型車・小型車も在籍する。
車両塗装は東急のステンレス電車のイメージとも合致する銀色赤帯だが、ノンステップ車には上下に赤の帯(側面中ドア付近は青帯になる)が、ワンステップ車には上下に赤帯が入っている。
2012年度導入(1200番台)のワンステ車は一部の小型車を除いてツーステップ車が消滅したためか、はたまた経費削減のためか上下の赤帯が省略されている。
近年の新車は東京都内はほぼ全てノンステ車だが、神奈川県内は混雑対応のためかワンステ車が中心で、特に虹が丘営業所には最近までノンステ車が全くいなかった(現在は路線移管の影響で虹が丘にも在籍)。
高津や青葉台・新羽などには深夜急行バスや新横浜直行バス用のワンロマ車が在籍している(メーカーは日野と三菱ふそう)。
塗装はノンステ車の青帯を金帯に変えたものだが、こちらは屋根上にも塗装が施されている。
なお、「Tokyu E-Liner」用に導入されたH1181号車は、後述のリムジン塗装(ただし色はグリーン)で、ロゴは「Tokyu Highway Liner」となっている(ただし、従来のワンロマ塗装車もE-Linerに入る)。
2011年度、東急バス発足20周年を記念し、歴代の塗装を再現したバスが登場した。路線車は各営業所1台づつの模様。登場したラインナップは以下の通り(ラインナップの後ろの社番は該当車両を示す)。
- 観光バス現行カラー TA1136 NJ1153
- 観光バス初代カラー SI1126 M1175
- 観光バス2代目カラー I611 NI1178 H1179
- 一般路線バス先代カラー S685 AO1130 T1139
- 都市間高速バス「MILKY WAY」カラー NI3175(リムジン車)
高速車・貸切車
高速車は主に空港やディズニーへの直行リムジンに使用され、銀色にマゼンタとピンクの帯が斜めに入り、「TOKYU Limousine」のロゴが入る。三菱車が中心だが、一部に日野車も在籍する。
2014年より本格的に高速バス路線に再参入。御殿場・富士山・河口湖方面の路線を運行している。なお、ハイウェイバスドットコムでは整理記号が「TKU」で始まるが、テレビくまもととは関係ない。
車体再生
東急バスは首都圏の排ガス規制の関係から基本的に12年で廃車(一部は地方譲渡)となるが、廃車まで比較的綺麗な状態を保っている。
これは、製造後5年前後で「車体再生」と呼ばれる車内外リニューアル工事が行われているからである。
車体再生は川崎市中原区にある東急テクノシステムで行われる。
近年は改修が簡略化され、車内は補修程度になることが多くなった。
社番
東急バスの車両は「社番」と呼ばれる独自の車両管理番号が付与されている。
社番は車体側面やリアウィンドウ、車両前面に表示されていて、数字部分は原則廃車まで変わらない。
なお、車体前面には数字のみ表示されるほか、一部車両は屋根上にも「緊急時用」として書かれている。
一般路線車の社番
一般車の社番は次のような体系になっている(TA8786号車を例に説明)。
TA | 87 | 86 |
営業所 | 年式 | 固有番号 |
最初のローマ字(1~2字)は営業所識別のための記号で、転属の度に変わる。
各営業所の記号は上の営業所一覧に記載のコードに対応している。
続くのは年式記号で、現在在籍している車両は次のようになっている(括弧内は納入年度)。
- 200番台(01年度)
- 300番台(02年度)
- 400番台(03年度)
- 500番台(04年度)
- 600・6600番台(05年度)
- 700・7700番台(06年度)
- 8700番台(07年度)
- 800番台(08年度)
- 900番台(09年度)
- 1000番台(10年度)
- 1100番台(11年度)
- 1200番台(12年度)
-
1300番台(13年度)
-
1400番台(14年度)
最後の下2桁はメーカーごとに振り分ける。年度によって多少の差はあるが、だいたい以下のように付番されている。
2012年度(1200番台)以降は前々年のUDトラックスのバス製造撤退を受けて割り振りが変えられている模様。
以上のことから、このTA8786号車は高津営業所所属の2007年式の三菱ふそう車である事が分かる。
その他の車両の社番
原則として一般路線車と同じだが、コーチ用中型車や日野ポンチョなどは一部特殊な番号を使用している
- 2000番台 :貸切車
- 2700番台:日野ポンチョ(便宜上P1-等も使用)
- 3000番台:空港路線車(2003年度以降)
- 4000・5000番台:特定輸送用車(2003年度以降)・事業用車
- 6000・7000番台:東急コーチ(2000年度まで) ※当該社番を持つ車両は現在全車廃車
- 6000・6100番台:日野リエッセ(それぞれ10年度・11年度分が該当)
関連動画
関連商品
関連項目
外部リンク
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