東急百貨店とは、東京都渋谷区に拠点を置く日本の百貨店である。かつての大手十社の一つ。
前身は白木屋(居酒屋に非ず)、そして東横百貨店の2つであり、東急電鉄の五島慶太によってハゲタカファンド(M&A)を阻止した結果、呉服屋系と電鉄系の2つの性格を持った百貨店となった。
概要
前述した通り、現在の東急百貨店のルーツは、東急電鉄の前身、東京横浜電鉄が開業した「東横百貨店」(これが現在の東横店)である。また、三越、高島屋と並ぶ日本橋の名店として知られた白木屋百貨店であった。後に白木屋が経営不振に陥った際に、五島率いる東急電鉄によって吸収され、しばらくは白木屋と名乗っていた後、東急百貨店と鞍替えになった。
しかし、1999年1月に東急日本橋店は閉店し、百貨店業界の斜陽を象徴する出来事となった。後に当該地にはコレド日本橋がオープンし、東急グループの高級食品スーパー「ブレッセ」が一時期出店していた。
なお、白木屋は戦前には関西にも進出しており、その際に阪急梅田駅構内にマーケットを作ったのが、今の阪急百貨店の前身である。また、西武百貨店池袋本店も、元々は白木屋が出資しているなど、白木屋は日本の百貨店史を語る上で、欠かせない存在である。
流通系のグループ会社では特にファッションビルとして名高い「109」が全国的に有名。また、ショッピング事業で「東急スクエア」「レミィ」を展開する東急モールズデベロップメントなどがある。
渋谷本店とその周辺
現在の主力店舗は渋谷本店であり、これは手狭になった東横百貨店を移転し、新たに本店としたもので、これは最初から東急百貨店という名称である。そして東横百貨店は、東急百貨店東横店と改称され現在に至っている。
東急本店の売上は1000億を超えているが、これは東横店との合算であり、内訳は一切公表されていない。…とはいっても、本店と東横店を足しても売り場面積は56000平方メートルほどと、タカシマヤタイムズスクエア程度の広さに過ぎないので事実上、本館と別館のような立場となっている。また、2012年4月にオープンした渋谷ヒカリエにもテナント入居しており、それらを足すと約7万平方メートルに及んでいる(それでも東武はおろか、小田急百貨店本店より店舗面積は狭い)。
その他の首都圏店舗
首都圏以外
現在、23区以外で残っているのは吉祥寺店(武蔵野市、なお吉祥寺に唯一現存する百貨店)とたまプラーザ(青葉区美しが丘)のみであり、ほかにも東京都港北区横浜市の港北ニュータウンに点在していた。バブル期から港北、青葉台周辺の高級住宅街をターゲットに、日吉、青葉台、茅ヶ崎中央などに店舗を作ったが、時代の流れとともにいずれも業態変換、あるいは撤退を行っており、残ったのはたまプラーザだけである。
商業中心地の一つである町田中心部にもあったが、こちらも業態変換となった(町田も現存する百貨店は小田急のみ)。
京浜以外
- さっぽろ店
札幌駅前に位置する首都圏外唯一の直営店舗。そして大丸札幌店進出にも負けず唯一駅前で競争に耐えた(そごうと西武は撤退)店舗でもある。なお、道内には北見にもあった。 - ながの東急
長野市に唯一存在する百貨店。元の屋号は「丸善」(書店とは関係ない)。そして、本家より長いこと東急百貨店の以前のコーポレートマーク(東急電鉄と同じマークで、色が青色)をそのまま使っていたが、近年ようやく変わった。 - バンコク
国外に唯一現存する。
余談だが、このように東京を拠点として開発している企業であるため、関係が深い札幌、信州以外にはあまり縁がなく、関西で東急のイメージは江坂のハンズしかなかったりする(しかも、「東急ハンズ」時代に大阪で初進出したこの場所も吹田市と大阪市民はあまり出向かない場所であるため、梅田や心斎橋の大丸に進出するまでほとんど馴染みがなかった)。近年では、ハルカスで有名な阿部野橋にキューズモールが進出している(これが東急グループということは全く知られてないが)。
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関連項目
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