東方紅(とうほうこう、ドンファンホン)とは、
である。
概要
東方紅は「とうほうこう」と読む。英語は「The East is Red」であるが、「朝日が昇り東方は赤く燃えている!東の空は赤く輝いている」程度な意味と推測される。
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各種表記
楽曲「東方紅」
作詞:李有源(Lǐ yǒuyuán)、公木(Gōng mù)
作曲:李煥之(Lǐ huànzhī)
朝日が昇る様子を中国の夜明け、神々しい毛沢東主席だと捉えた作詞家により、日中戦争中に作詞された。
1943年、李有源(Lǐ yǒuyuán)[2]が「移民歌」という詞を作成した。彼の出身地である、陕西省の著名な民謡「騎白馬」の曲調に合わせて生み出された。
1944年、作詞者の公木(Gōng mù)[3]が機関誌「解放日報」上に「移民歌」を編集した詞を掲載。
そして1955年、李煥之(Lǐ huànzhī)[4]により曲が付け加えられた。
現バージョンの作曲者は李煥之である。なお曲名は、毛沢東本人が思い付いた。
文化大革命期間中(1960年代)の中国で毛沢東思想と共に、当曲は大いに浸透していった。公共の場でも繁盛に歌唱された。
文革中に繁盛に歌唱された四大楽曲(東方紅・国際歌(中国語版インターナショナル)・三大紀律八項注意・大海航行靠舵手)の中でも、当曲「東方紅」の歌唱頻度は断トツであった。
現在の中国国歌「義勇軍進行曲」の作詞者が反革命分子として、文化大革命による迫害を受けた。そのため当楽曲が、文化大革命時の国歌として歌唱されていた。ただし文化期の歌詞は初代及び現在のものとは異なる。
毛沢東の死後、約10年間に渡る文化大革命が終結した。鄧小平時代となり改革解放政策を進めるなか、中国共産党は「文化大革命は誤り」と認めた。その後「東方紅」は臨時国歌ではなくなり、近年では公式の場で歌唱されることが減少している。代わりに「義勇軍進行曲」が復活した。
楽曲「東方紅」の現在
前記の通り、中国共産党が誤りを一部認めたため、公的な歌唱は減少している。ただし現在も、現代風(ロック調やポップ調・ピアノ演奏版など)にアレンジされた楽曲が発売されている。中国人歌手「王二妮」さんが歌う現代版アレンジは、前半に抗日歌詞が追加されている。
過去の中国国家放送局(CRI)日本語放送のインターバルシグナル(オープニングメロディ)にも当曲が採用されていた。現在でも複数の中国のラジオ局、CRIインドネシア語版や新疆ウイグル自治区のラジオ局などでインバータル音源として採用されている。
上海の塔や四川の西安鼓楼(Drum Tower) 及び北京駅では一時間ごとにメロディが放送される。
また文化大革命時代を懐かしむ今流行りの「文革レストラン」では、この楽曲が繁盛に演奏される。
今も毛沢東思想に従い、集団所有制を採用する河南省南街村では、当曲のメロディと共に起床するという[5][6][7]。
ミュージカル「東方紅」
製作:八一电影制作厂,北京电影制作厂,北京新闻纪录电影制作厂(3組織による共同製作)
製作総指揮:周恩来
脚本:魏巍,徐怀忠,郭小川.贺敬之,乔羽
演技者:首都文艺工作者和工人,学生业余合唱团三千多人集体创作
毛沢東や中国共産主義を賞賛するミュージカル。建国15周年を記念し、文化大革命直前の1964年に作られた。この革命劇が発表され、完全なる文化大革命の幕開けとなった、といってもいいだろう。演出者総数は約3000人。
正式名称は、大型音乐舞蹈史诗「东方红」(The East is Red,Song-and-Dance Epic)。
ロケ地は全国人民代表大会(全人代)の開催で有名な人民大会堂。
全世界の共産主義者が歌う革命歌・インターナショナル(メロディーのみ)の前奏から開始される。次に毛沢東を讃える楽曲「東方紅」が演奏。その後も、様々な革命歌とともに、毛沢東や中国共産党の実績を紹介する物語が展開される。最後に、インターナショナル(中国語版)を出演者・観客総出で大合唱し、終演する。
当ミュージカルはカラーで映画収録され、DVDも発売されている。(ただし日本語版は見当たらない)
ニコニコ動画でフルサイズ版は存在しないが、Youtubeで鑑賞可能である。(英語字幕あり)
2002年に初公演された[8]朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のマスゲーム「アリラン」は、この劇を参考にした可能性がある。
登場する主な革命歌
- インターナショナル(中国語版)
- 東方紅
- 三大紀律八項注意(1番のみ)
- 義勇軍進行曲
- 中国人民解放軍進行曲
- 没有共産党就没有新中国
- 歌唱祖国
他多数。(ニコニコ大百科に存在する記事のみ記載)
構成
全部で9つ区切りを持つ。うち物語は第一场〜第六场の部分である。合計35曲登場する。
名称としての「東方紅」
1の楽曲名に由来する。
中国では中国初の人工衛星や列車名として、また店名などに使用されている。
日本国内でも飲食店の名称(大半が中華料理店、ただし何故か台湾料理の店舗も存在[9])として採用されている。大半の店舗は店名のみの採用であり、店内に毛沢東や文化大革命に関する物事を置かない。ただし東京・池袋にある中華レストラン「東方紅」では「食文化大革命」をテーマとし、内装も毛沢東・文革グッズで溢れている。紅衛兵に扮した店員が接客を行う。[10][11]
著作権消失期限
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初代
VOCALOID・引用など
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関連コミュニティ
関連項目
- 毛沢東
- 紅衛兵
- 紅歌
- PRC-POP
- 義勇軍進行曲
- 天上太陽紅彤彤
- 中国共産党
- 中国人民解放軍
- 中国人民解放軍進行曲
- 国家安全部専用便利リンク
- 文化大革命
- 赤いニコニコ動画
- 紅いニコニコ動画
- プロパガンダ
- ミュージカル
- マスゲーム
- キャラソン
- 金日成将軍の歌 - 朝鮮民主主義人民共和国初代国家主席である金日成を賞賛する楽曲
- 金正日将軍の歌 - 朝鮮民主主義人民共和国2代目最高指導者である金正日を賞賛する楽曲
関連リンク
参考文献
脚注
- *歌え中国革命歌「東方紅(東方明らむ)」2015年1月2日閲覧
- *男性・1903-1955年。陕西省出身の作詞家。
- *男性・1910-1998年。作詞家。中国人民解放軍進行曲や八路軍進行曲も彼が作詞した。
- *男性・1919-2000年。香港出身の作曲家・指揮者。社会主義好・黄河大合唱も彼の作曲である。
- *「毛沢東思想は神様より勝る」中国各地でブーム(産経ニュース・2013年12月24日)
- *YouTube:毛沢東を崇拝し経済の市場主義化に逆行する、中国の村(AFPBB News・2009年9月11日)
- *DailyMotion:中国 貧しくても平等・公平という毛沢東ブーム(フジテレビ・2009年)
- *北,‘アリラン’公演で何を得るか?(DailyNK・2007年4月15日)
- *新オープン! 台湾料理 東方紅(2014年02月07日・FM香川ブログ)
- *池袋にできた「文革レストラン」に行ってきました(exciteブログ・2013年11月16日)
- *東京に“文化大革命”!レストランが「東方紅」開店!(2013年11月04日)
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