東札幌駅とは、北海道札幌市白石区にある札幌市営地下鉄東西線の駅である。
また、かつて存在した国鉄千歳線および定山渓鉄道の駅についても記述する。
概要
東札幌駅 | |
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ひがしさっぽろ Higashi Sapporo |
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基本情報 | |
所在地 | 北海道札幌市白石区 東札幌2条2丁目 |
所属事業者 | 札幌市交通局 |
所属路線 | ■東西線 |
駅番号 | ○T12 |
駅構造 | 地下駅 |
乗車人員 | 9,022人/日 (2020年度) |
開業年月日 | 1976年6月10日 |
駅テンプレート |
相対式ホーム2面2線を有する地下駅。ホーム・改札とも地下1階にあるため、東行と西行で改札が分かれている。改札とエントランスも直結しており、1番ホーム・2番ホームに各1ヶ所、分かれて存在する。地下2階相当にホーム同士を結ぶ連絡通路がある。
駅名に「札幌」と入るが、これは立地する地名「東札幌」から取ったため。ちなみに地名の東札幌は、後述の国鉄(定鉄)の駅名を由来として1960年に改称されたものである。なお当駅開業時点では、旧国鉄駅も貨物営業のみとはいえ存在していたため、琴似駅・白石駅と同様に異なる立地に既存国鉄駅と同一駅名を付ける事例となり、1986年の国鉄駅廃止まで続いた。
南郷通沿いに立地し、旧国鉄駅より300mほど南東にある。周辺はかつて貨物の集積地だったことから企業のオフィス・倉庫が多いが、次第にマンションや商業施設に変化している。路線バスは一切接続しておらず、近隣の道路を走る路線もない。
ホーム
1 | 東西線 | 大谷地・新さっぽろ方面 | |
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2 | 大通・琴似・宮の沢方面 |
隣の駅
西行 (大通・宮の沢方面) |
当駅 | 東行 (大谷地・新さっぽろ方面) |
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菊水駅(T11) | 東札幌駅(T12) | 白石駅(T13) |
周辺施設
地下鉄駅の上にはイオン(ダイエーからの転換店舗)が所在する。旧国鉄駅および貨物ターミナルの跡地は、札幌コミュニケーションパークSORAと名付けられ、整備が行われている。
国鉄(定鉄)東札幌駅
概要
1926年から1986年まで存在した日本国有鉄道千歳線及び定山渓鉄道(定鉄)の駅。所在は札幌市白石区菊水7条4丁目。
国鉄・定鉄ともに島式ホーム1面2線を有した。またむしろ貨物駅として重要で、広大な敷地と充実した施設を持ち、物流拠点の一端を担った。
こちらの東札幌駅が開業した時点ではまだ「札幌郡白石村」であり札幌市ではなかったが、札幌の東の駅として命名されたと推測され、前述のように駅東側の地名は駅にちなんで改称された。
開業~発展
1918年に定鉄が開業した時点では、当地に駅は設置されなかった。その後1926年に北海道鉄道札幌線(現・JR千歳線)が当地に路線を敷設した際、交差する定鉄との接続駅として設置された。苫小牧からやって来た札幌線は、現在の南郷通・東北通(栄通)の間を北西に向かって進み、急カーブして定鉄に接続、さらにカーブして函館本線苗穂駅へ向かうという、のちに問題となる線形をとったが、これは定鉄との接続が重要目的だったためである。定鉄は石材・鉱石・木材などの貨物輸送のウェイトが高く、ことに木材は北海道鉄道の親会社である王子製紙の工場操業に必須の燃料であり、そのスムースな輸送のために駅の設置が求められたのである。
元々、定鉄は白石駅を起点としていたが、札幌線と接続したことを受けて1931年より苗穂駅へ乗り入れるようになった(この影響もあり、1945年には白石駅 - 東札幌駅間が廃止された)。これには、王子製紙による定鉄への出資があり、北海道鉄道との連携が促進されたことも大きい。もっとも北海道鉄道は1943年に国に買収されてしまうが、東札幌駅の重要性に変化はなかった。
経過~終焉
1960年代までは旅客・貨物とも好調で、ことに貨物取扱量は道内指折りであったが、道路整備に伴う自動車の普及は旅客・貨物の減少となって現れる。
そうした状況で定鉄の線路が道路交通の障害になり、北海道警察から定鉄に対し、廃止または高架化を要求された。この時、札幌市より地下鉄建設時の用地買収を提案されたことで廃止を決め、1968年に東札幌駅 - 豊平駅間が先行廃止された(残る区間も1969年に廃止)。
国鉄では、1968年に札幌貨物ターミナル駅(当初名称は新札幌駅)を函館本線白石駅 - 厚別駅間に新設し、併せて白石駅 - 東札幌駅に貨物支線を建設(戦中廃止の定鉄路線とは別)した。一方、千歳線は高速化が求められていたが、前述の東札幌駅前後における急カーブやその他の線形の問題の解決のため、1973年に新線切り替えが行われた。その結果東札幌駅 - 苗穂駅と北広島駅 - 月寒(つきさっぷ)駅間が廃止され、東札幌駅は貨物専用駅となった(1976年に月寒駅 - 東札幌駅も廃止)。さらにその後、貨物の取り扱いが札幌貨物ターミナル駅に集約されたこともあり、1986年に営業廃止、施設は全面撤去された。
関連動画
関連項目
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