概要とか特徴とか
元々1800系を使用した東武伊勢崎線及び東武桐生線(以下東武伊勢崎線系統)の急行「りょうもう」号のサービスアップを目的として開発された車両である。
完全に固定されている1800系のクロスシートとは違い、リクライニングシートが導入された事で快適性が飛躍的に向上。LED案内表示機や、トイレの拡張、貫通扉の自動化等、急行にしておくには勿体無い設備を搭載した事で、利用客から好評を得る。
又、スペーシアよりもカッコいいと言わしめたデザインで、瞬く間に東武伊勢崎線系統の花形列車となる。
中橋に向かう県道を走っている時に足利市駅にりょうもうが入線してくるとこなんて本当に格好良い、と思う。
足回りや一部編成の座席はかつての東武の顔、1700・20系デラックスロマンスカーの部品を再利用している。古臭いと馬鹿にする無かれ、このDRC相伝の台車は重心が低い・ベローズ空気バネによる横剛性・ミンデンバネによる摺動性の低減に加えてオイルダンパを装備する、非常に格の高いものだったりする。乗り心地の良さは実際乗ってみるとよーく実感していただけるであろう。
また、75kw/h出力の主電動機を全編成に搭載する構造も受け継ぎ、超高速寄りに歯車比を設定しているにも拘らず、起動加速度を含む低速域から中速域は通勤電車並の加速力を有し、高速域は自慢の高速歯車を活かして更に気持ちよく加速していく。上毛電鉄の元京王3000系から赤城駅でりょうもうに乗り換えた時の加速感の違いは恐らく200系の潜在能力を体感できる一番の機会なのではないだろうか。
そんな性能を有した200系は東武伊勢崎線の郊外区間を軽快に駆け抜け、複線区間の表定速度は85km/hに達する。これは200系りょうもうより営業最高速度が20km/h高い、常磐線特急ときわと同程度の速さなのである。本来であれば時速160km/h程度であれば余裕で達成できる性能をもつ200系ではあるが、直流モーター故にフラッシュオーバーの危険性を秘めている為、又、東武伊勢崎線が東武日光線より線路規格が多少落ちるため、東武鉄道が滑走に非常に慎重な為に、時速110km/hでの運転に留めていると思われる。
車内は落ち着いた色調で纏められており、外観の派手さとは裏腹に、ゆったり過ごせる空間となっている。
窓側にテーブルが設置され、編成によってフリーストップのリクライニングシート、若しくは座面ごと動くリクライニングシートのどちらかが設置されている。新製品とデラックスロマンスカーの流用品の違いである。
近年では、全般検査に入った編成から、座席の交換が行われており、背面テーブルつきの座面幅が広がったものに交換されている。
尚、平成初期に落成したにも拘らず地味に定速機能を持っており、運転士の負荷軽減にも一役買っている。
他にも、発電ブレーキを廃止した代わりに、界磁調整器を付加した事で、回生ブレーキを可能としている。
前述の歯車比にも拘らず、回生ブレーキは20km/h強まで有効である。謎の技術である。
東武の長い車両の歴史の中で初の界磁添加励磁制御の導入である。他民鉄にもあまり導入例は見られない。
東武伊勢崎線の館林以西と東武桐生線が全線単線であるため、この区間の交換待ちや転てつ器通過がボトルネックになり、営業区間内の表定速度が60km/h強と特急列車にしては低めなのが玉に瑕ではあるが(それでも関東民鉄では並以上)、ローズレッドの鮮やかなカラーを纏い関東平野を疾走する様は東武伊勢崎線系統はおろか両毛地区一番の花形列車である事は間違いない。
急行から特急へ
順番が前後してしまったが、実は急行時代は1800系に合わせ、最高速度は105km/hであった。
1991年の登場以降徐々に増備され、遂に1999年に1800系を置き換えるに至り、最高速度をアップ。晴れて特急を名乗る事となった。東武の看板列車100系があまりにも豪華すぎて、200系の設備は特急としては物足りない・・・そんな贅沢な悩みがあったかもしれない。シートピッチこそJR651系と同程度であるが、全席フットレスト装備、自販機や大型トイレ等、ビジネス特急としては充分な設備である。筆者の個人的な欲を言えば通路側の座席にテーブルが無いので背面にテーブルがほしいと思ったら2016年につきました。
あと願わくば、座席下のヒーターが高身長の人間には微妙に邪魔なので、足が伸ばせるようにしてくれると嬉しいなとか思ったり。
準急Aが無くなった今、東京と一大工業地域の両毛地区を結ぶ重要な速達列車として、毎時一~二本(太田以西はやや減る)という潤沢な運転本数を誇る立派な特急列車である。館林以北だと伊勢崎線の踏切待ちで来る電車がりょうもうばっかり。
昨今のB級グルメブームで太田焼きそばや佐野ラーメン、桐生ひもかわ等、又相老でわたらせ渓谷鉄道へ接続し、足尾地区と直結している為、これらの地域へのアクセスに非常に便利なので、今後は観光需要も期待したい。マイナーとか言うな。
割とどうでもいい自慢
実は全国でも珍しい、扉が一切ない車両が存在する電車でもある200系。
4号車は業務用の扉も含め、全く扉が無く、全て客室になっている。正に唯一無二の存在。
車椅子スペースの設置と、1800系と同じ定員数を確保する為にこのような対策が施された。
又、匂いの少ない真空式のトイレを東武で初めて導入したのも200系である。
希少車
実は200系に混じって殆ど見た目が変わらない250系という車両も1編成だけ存在する。
足回りは非常に近代的で、東武唯一のヨーダンパ搭載のモノリンク台車。また、主電動機もVVVF制御の交流電動機の為に、歯車比も相まって、東武の電車の中でも非常に特異な走行音を出す。柔らかく、力強い・・・と表現すればいいのか?w
しかしながら、3M3Tであっという間に110km/hまで到達してしまうあの加速は、中々に気持ちのいいものである。
機会があったら狙ってみて欲しい車両だ。
車内は200系と同一のために、普通の乗客はそんな事気にもしないだろうと思われる。
残念ながら、251Fが2022年6月7日に北館林へ回送され廃車になりました。これで1編成しかなかった250型は消滅しました。
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