概要
東武鉄道の来る地下鉄半蔵門線・東急田園都市線への直通運転に向け、新設計として1997年に登場。乗入れのための仕様を満たし、かつ自社線内での運用も考慮する折衷タイプとした特徴的な車両である。
外観は先輩格の10030系を踏襲し、ビード入りの4扉ステンレス車体にえんじ色の帯を巻いた。新たな運用用途ながら東武独自の設計を全面的に受け継ぎ、乗入れ先でのアイデンティティの発揮を期待させる姿となった。前面は貫通構造で、2枚の大型ガラスとHID灯入りの低いライトケース、そして電気連結器に対応したロングスカートで引き締まった顔つきである。
次に登場する直通運用本命の50050系は車体が日立製作所規格に準拠した量産タイプとなり、今後の東武の新車に独自設計は失われると思われる。東武鉄道自身が発行した社史にも“個性のある最後の電車”と添えられている。
主制御器は日立製作所製のVVVFインバーターを採用、鉄道ファンの期待を裏切らない個性的な磁励音を発する。起動加速度は乗り入れ規格に準拠した強力な設定で、運転台のT形ワンハンドルマスコンと共に性能面でも東武鉄道の新時代を予感させた。
ブレーキにはモーターによる抵抗力のみで停車できる全電気ブレーキ機能を持つ。よって磁励音は完全に停車するまで聴くことができ、最後の一瞬に発せられる「ビー」の音で感涙にむせびた編集者もいるとか。
運用
編成は6連と4連があり、それぞれ15本ずつ落成した。
半蔵門線・田園都市線では10両編成が基本なので、直通運用に入る際は6+4で連結することになる。また支線やローカル線が多い自社線内では6連や4連が扱いやすく、転用を考えると実に理に叶った導入方法だった。
登場から慣らし期間を経て、2003年3月から半蔵門線・田園都市線直通の花形運用に専属として投入された。乗入れ先2社の車両数に対し30000系15本では担当数が足りず、常に他社線内で引っ張りだこというモテっぷりであった。
しかし田園都市線という有数の混雑路線で活躍を始めたことから新たな問題が露呈、10両編成途中にある運転台が最混雑駅の階段の位置と重なってしまった。
後継の50050系は10両ブチ抜き固定編成で登場。30000系は直通運転用の装備を新車に剥ぎ取られ、順次自社線内の運用へと降格させられていった。
現在
半蔵門線・田園都市線直通
30000系は、50050系が18本の陣容となったものの、現在も6連と4連を繋いだ10両編成の2本(31406F+31606Fと31409F+31609F)が装備を死守し直通運用に就いている。
半蔵門線・田園都市線直通のうち、列車番号末尾が「T」の列車に使用される可能性があるが、出会える確率は1/7と狙うには非常に低い。
東武線内
直通運用から外されたものは4連と6連に分割され、伊勢崎線の浅草から久喜・館林方面や日光線の南栗橋・新栃木方面で使用されている。
同車は10000系との異車種混結が可能で、4連が10030系の2連と手を取り6両編成として運用されている姿などをしばしば見ることができる。またこの機能のためか、直通運用時代より起動加速度が低く設定し直されている。
長らく本線オリジナルの車両だったが2011年1月、東上線車両の改修工事の効率化を目的に31401F+31601Fが森林公園検修区へ転属し、6月に営業運転を開始、10月には31411F+31611Fが転属されたことによりオリジナルの車両ではなくなった。 転属の際、4号車と5号車の運転台と先頭車の電気連結器が撤去された。
2015年1月に31402F+31602Fが転属してこれで半蔵門線・田園都市線直通用で残ってる2本以外の10両編成13本が東上線に集結した。有楽町線・副都心線には乗り入れしない模様
関連動画
迷列車で行こうシリーズにも採用されてしまった(´;ω;`)ブワッ
がんばれ!
関連コミュニティ
関連項目
- 4
- 0pt