松坂屋とは、日本の大手百貨店である。本店(現在は大丸と合併されたためこの表記は廃止)は名古屋にあり、中部財界を牛耳る五摂家の一角にも数えられる。
関西地盤の大丸と中京地盤の松坂屋が合併して、大丸松坂屋となっているが、持株会社の森トラストの本社が東京になっている(まあ、大丸松坂屋だけと大阪市と名古屋市で血で血を洗うような本社争い必至だっただろうけどね…)
また、松坂屋は元々江戸が創業地であり、名古屋創業のいとう呉服店が屋号を買い取り、いとう松坂屋としている。
概要
1611年に創設されたいとう呉服店が由来。創業400年以上の歴史を持つ。
名古屋では圧倒的なブランド力を持っており、お中元やお歳暮などでよその百貨店のものにしてしまうと・・・といわれるほどであり、栄に巨大な店舗がでんと構える。一方で、名駅のジェイアールタカシマヤは知らない子と呼ばれていたが、現実は高島屋が名古屋市の地域一番店となっており、しかもその差が年々広がっている。
旧本店は矢場町にあり、店舗は愛知県内に2店舗、東京(上野)、大阪(高槻)、静岡にそれぞれ1店舗ある。
主な店舗
ここ最近閉店が相次いでいる。かつては銀座、横浜、名駅、四日市、岡崎、天満橋(大阪)、くずは(枚方)だけでなく、札幌、山形にも店舗があった。
名古屋店
旧松坂屋本店。北館・本館・南館の3棟で構成されており、かつては売り場面積が日本一だったこともあった。(現在は近鉄百貨店あべのハルカス本店が日本一)
隣接されてるパルコを含めて矢場町を象徴する一角となっている。
矢場町・栄周辺には松坂屋だけでなく丸栄・三越も存在しており、百貨店の激戦区となっている。また、名古屋駅には名鉄百貨店・JR名古屋タカシマヤがあり、各々の頭文字を取ってそれらをまとめて【4M1T】と呼ばれていたが、2018年にその一角、丸栄が閉店した。
2015年に南館のテナントとしてヨドバシカメラマルチメディア名古屋松坂屋店が開店。同社念願の名古屋地区初進出となった。
上野店
「松坂屋」という屋号を初めて使用した店舗。元々はいとう呉服店とはまったく無関係の呉服店(創業者が三重県松坂出身だったためにこの屋号を名乗った)を買収し、江戸ではすでに名前の通っていた「松坂屋」という名前を敢えて使用し続け、後にいとう呉服店の社名も松坂屋に合わせたものである。
エレベーターガールが初めて配置された店でもある。
最寄はJR御徒町駅と東京メトロ銀座線上野広小路駅。上野広小路駅からは駅直結の出入口でアクセス可能。南館は建替を行い、パルコやTOHOシネマズが入居する上野フロンティアタワーとして2017年11月4日に開業。東宝系映画館としては2003年の上野東宝劇場・宝塚劇場閉館以来となる上野地区への再進出を果たした。また、秋葉原至近の映画館という立ち位置にもなっている。MX4D等の特殊設備こそないものの、8スクリーン1424席を持ち、台東区唯一のシネコンとして存在感を放つ。
静岡店
JR静岡駅前と直結した繁華街(御幸町)にある店舗。長らく静岡市の地域一番店として君臨しているが、ここ数年は競合他社の伊勢丹静岡店とあまり売上が変わらなくなってきている。
高槻店
天満橋、くずはと閉店していく中で、大阪で地味ながら唯一残った松坂屋。JR高槻駅前に立地しており、西武(阪急高槻店となる予定)らとともに北摂随一の商業中心地である高槻エリアの一翼を担っているため、比較的安定している。
名古屋駅店(閉店)
1974年~2010年に存在した店舗。名古屋駅周辺の再開発でビルと共に運命を共にすることになってしまった。再開発時に再出店する可能性があったものの、大人の事情で名古屋駅からは撤退を余儀なくされた。
ちなみに、この再開発ビルに当初ヨドバシカメラが入居する予定でJR東海と契約まで結んだが、当初の完成予定よりかなりずれ込む見通しとなったことから計画を変更し、2015年に松坂屋名古屋店南館にテナントとして出店することになった。皮肉にも松坂屋もヨドバシカメラもJR東海に翻弄されたという共通点がある。
銀座店(閉店)
1924年~2013年に存在した店舗。銀座地区で初めて開店し、土足入店可能を銀座で最初に行った百貨店だった。
後に松屋銀座、銀座三越、プランタン銀座が銀座地区に開店。また、近隣の有楽町にも阪急百貨店やルミネが存在するという競合店の多さで埋没し、また店舗の老朽化が進んでいた。
そこに松坂屋銀座店の店舗ビルを含めた再開発事業が立ち上がったことから閉店を決断。
百貨店としては銀座地区から撤退した。
跡地には複合施設としてGINZA SIXが2017年4月20日に開業している。
横浜松坂屋(閉店)
明治時代より営業してきた「野澤屋」という百貨店と資本提携し、1974年より松坂屋の屋号を掲げるようになった。
横浜の繁華街・伊勢佐木町のランドマークとして地元民に愛され、横浜に本拠地を置く横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)を応援していた。1998年に日本シリーズを制した際には大々的に祝福している。
また、フォークソングデュオのゆずが無名時代に店頭で路上ライブを長年行った場所としても有名。
横浜の繁華街の中心が横浜駅西口に移動し、伊勢佐木町の地盤沈下が進んだために晩年は業績が低迷。また、横浜市の歴史的建造物にまで指定された本館など店舗の老朽化が進んだことから2008年に閉店した。
豊田店(閉店)
前身は豊田そごう。駅西口と直結しており、そごうの店舗をそのまま使っている。名駅、四日市、岡崎と中京エリアの松坂屋が次々姿を消していく中で、元々市民悲願の百貨店(豊橋、岡崎、一宮、春日井には百貨店があったが豊田だけはなかった)だっただけに健闘を続けていた。だが、結局はモータリゼーションの波、郊外店舗化、加えてコロナ禍などで閉店を余儀なくされ、跡地には小型店舗の三越が入居することになった。
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