「柔道が得意だったんだ」とは、漫画『柔道部物語』の登場人物、岬商業高校柔道部顧問の五十嵐寛太(以下、先生)の台詞である。
概要
部員たちの熱意を受けて本格的に練習に参加するようになった先生は、主将の鷲尾に対し、自身と乱取り(お互いが技をかけ合う自由練習)を行うよう指示。
しかし先だっての合同合宿にて、先生の身体は贅肉だらけ、腹筋もロクにできないという体たらくだったことを知っている部員達は、先生の身を案じる。
完全にナメてかかっている鷲尾は、「手かげんしませんぜ!!先生」と煽るが、先生は
誰に口きいてんだおまえ
と冷静に答える。何しろ、今でこそ一高校教師ではあるが、先生はかつてオリンピック日本代表候補にまで挙がった柔道家なのである。
(余談だが、この台詞のコマは煽り画像としてネットでよく使われている。)
先制でつかみかかる鷲尾。しかし先生は、鷲尾の投げを物ともせず、95kg以上ある鷲尾を軽々と持ち上げ、組み伏せる。
とうとう一本も取れなかった鷲尾は、息切れしながら先生に問いかける。
鷲尾「腹筋もできないくらいなまってたんじゃなかったんですか……」
先生「そりゃとっくになまっとるわい ただ腹筋だの腕立てだのは現役の頃から得意じゃなかったけどな」
鷲尾「そ……それじゃなにが得意だったんですか……」
先生「柔道が得意だったんだ」
腹筋や柔軟など、基礎的な練習が苦手な先生は、普通に練習を行う以上に「自分がどうやったら強くなれるか」を考えていた。先生は「練習しなければ強くなるわけはないが、練習を競っているわけではない」とし、ハードではないが実践的な指導を、乱取りを通じて部員達へ個別に行う。
後に主人公の三五は先生との乱取りを経て、先生の技を先生も知らないうちにマスターしていくようになる。
しかしこの考え方は、無駄はないものの悪く言えば自分勝手ではあり、「俺ってストロングだぜ〜〜!!」も相まって、この指導を受けた部員たちは「俺だけ強くなりたい」と自分本意な考えを持つようになってしまう。…何事もバランスが大事である。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 2
- 0pt

