柳田理科雄とは、日本の作家である。「柳田理科雄」は本名であり、ペンネームではない(後述)。
概要
「空想科学読本」や、その他の「空想科学○○読本」シリーズなどで名が知られる作家である。このシリーズは、特撮・SFなどフィクションの出来事をもし現実で起こしたらどうなるかを科学的に検証する、という点から立脚した作品で、「実際にやったら、どうなるんだろう?という興味を抑え切れない」という理想の元に書かれている。
しかし作品やその原作などをあまり読まない性質が災いし、文章としては分かりやすく読めるものの、技術的な観点や原作との比較において不整合な点や、自身の持論のみで展開する点、単なる勘違いなどの問題点が多々見受けられ、よく「現実らしくない作品を現実的に解釈しているのに現実らしくない」という批判がなされている。
もっとも本人も手法の不十分さや知識不足は認識しているようで、作中で自身の知識不足を自己指摘したり、読者などから指摘された問題を後の版で修整することもある。
付記すると、ニコニコ動画上での氏の活動は現在のところ見られていない。
→2013年4月からtwitter上での質問大会の一環で、Youtubeに質問への回答動画を上げ始めており、同年5月からニコニコ動画に同様の動画をアップロードし始めている(メディアファクトリーチャンネルによる公式動画扱い)。
また、同年11月には「空想科学読本14」発売記念特番としてニコニコ生放送に出演。12月には「となりの関くん」の最新刊発売&アニメ化記念ニコ生特番に出演するなど、著書の主な版元であるメディアファクトリー(及び親会社となった株式会社KADOKAWA)の意向か、ニコニコにおいての露出も多くなってきている。
2014年4月開催のニコニコ超会議3では、KADOKAWAブースの出演者として参加。2016年3月には空想科学読本20周年記念ニコ生特番が放送された。
経歴
母親は種子島で方言研究家として活動しており、父親は鹿児島県南種子町の元町長である。
1961年、鹿児島県種子島にて生まれる。誕生の2ヶ月前にガガーリンの有人宇宙飛行を見た父親が「これからは科学の時代だ」と考え、「理科雄」と名付けられた。曽祖父は「もっと人間らしい名前をつけんか」と反対し、役所の戸籍係からは「ホントにいいんですね?戸籍に書きますよ?」と念を押されたという。
中学校の時には水泳部に、鹿児島県立鶴丸高等学校に在籍した頃には奉仕活動クラブ、応援団に所属し応援団長も務めていた。その後同高校を卒業し、京都大学を受験。 本人は合格を確信したため受験直後に京大のそばの部屋を借りた。が、見事に不合格となり京大の横で浪人生活を送ることになった。
師事したかった京大の教授が退官したこともあり、1年の浪人生活を経て東京大学理科Ⅰ類に入学する。
その後在学中に始めた塾講師のバイトにハマり大学を中退し、90年に自身で学習塾「天下無敵塾」を設立する。
実際は自分が興味のあった宇宙についての講義が入学後すぐに受けられないことに嫌気が差し、講義を休んでは留年を繰り返す、という悪循環に陥っていたのも理由の一つのようで、自身も著書などでこのことを度々悔いている。
ちなみに、この塾のチラシにイラストを書いていたのは「空想科学読本」シリーズの表紙フィギュアを制作していたモリナガ・ヨウ氏である。当時は後述の「怪獣VOW」や、「コミックVOW」などの表紙フィギュアも担当していた。
「暗記ではなく、何故そうなるのかを考える」という学習塾に似つかわしくない教育方針で生徒が集まらず、「塾を休んだ生徒にその分月謝を返金する」など経営者としてのセンスが皆無だったため、塾の経営はたちまち苦しくなる。昔からの友人だった編集者の近藤隆史氏は、当時これを聞いて「続かないだろうな・・・」と思ったらしい。そりゃそうだ。
いよいよ経営が逼迫してきた95年夏、近藤隆史氏に「学生時代にやっていた科学考察を本に書いてみないか」と誘われ、宝島社「帰ってきた怪獣VOW」に特撮番組の科学的考察を寄稿(このシリーズでイラストを書いていたのが、「読本」シリーズのイラストを担当している近藤ゆたか氏)。これを原型として、1996年に「空想科学読本(宝島社刊)」を塾の経営を立て直すために執筆。60万部のヒットとなるが、印税の入金が間に合わず塾は倒産してしまった。
その後は塾講師と執筆業を兼務していたが、99年に(有限会社)空想科学研究所を設立し、執筆業に専念するようになる。塾講師は体力、気力が必要な職業のため、もともと40歳になったら教壇を降りることにしていたようだ。
現在は小説や漫画の原作を務めるほか、こども電話相談室への出演や各地での講演などの活動も行なっている。また、明治大学理工学部で非常勤講師を努め、アニメや特撮をテーマに科学について教鞭をとっている。
2005年からはニッポン放送でラジオ番組「福田沙紀と柳田理科雄のラジオ空想科学読本」のメインパーソナリティを勤めた。福田沙紀が番組を卒業した後は、武井咲をパーソナリティとして迎えて2014年まで放送された。
2007年からは全国の高校、高専2500校近くに週刊で「空想科学図書館通信」を無料でFAX(2015年7月からはWEB配信)している。これは編集者の近藤隆史氏が「高校生にもっと図書館へ足を運んでほしい」との想いから発案したもの。近年はこの原稿を基にした空想科学読本やエッセイ集、別の著者による「空想法律読本」などが刊行されている。
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