柴田錬三郎賞とは、集英社の主催するエンターテインメント小説の文学賞。略称は「柴錬賞」。
概要
1988年に創設。第1回から既に直木賞を獲っていた高橋治が受賞したように、対象は既に直木賞を獲っている(もしくは今更直木賞をあげるにはベテランすぎる)作家のエンターテインメント作品。
2001年までは隆慶一郎、北方謙三、帚木蓬生、夢枕獏、池宮彰一郎、志水辰夫と直木賞をもらい損ねた・縁の無かった作家にもわりと積極的に受賞していたが、2002年以降はほぼ直木賞作家が直木賞の次に貰う賞、というポジションになっていた。2017年に芥川賞作家の花村萬月が受賞してからは、奥泉光、伊坂幸太郎など再び非直木賞作家の受賞が増えている。
ほぼ同じポジション(直木賞作家が直木賞の次に貰う)の賞に中央公論文芸賞があり、両方を受賞している作家も多い。
すばる文学賞、小説すばる新人賞、開高健ノンフィクション賞とあわせて集英社出版四賞とされている。候補作は(対象がベテラン作家の文学賞はだいたいそうだが)公表されず、毎年10月に受賞作のみが発表される。選評は「小説すばる」12月号に掲載される。
現在(第36回時点)の選考委員は伊集院静、逢坂剛、大沢在昌、桐野夏生、篠田節子、林真理子。
第12回で受賞した池宮彰一郎『島津奔る』は、司馬遼太郎『関ヶ原』からの盗作疑惑で絶版・回収となった。
大百科に記事のある受賞作
大百科に記事のある受賞作家
- 隆慶一郎 (第2回 『一夢庵風流記』)
- 皆川博子 (第3回 『薔薇忌』)
- 北方謙三 (第4回 『破軍の星』)
- 連城三紀彦 (第9回 『隠れ菊』)
- 夢枕獏 (第11回 『神々の山嶺』)
- 大沢在昌 (第17回 『パンドラ・アイランド』)
- 桐野夏生 (第17回 『残虐記』)
- 奥田英朗 (第20回 『家日和』)
- 篠田節子 (第22回 『仮想儀礼』)
- 京極夏彦 (第24回 『西巷説百物語』)
- 東野圭吾 (第26回 『夢幻花』)
- 伊坂幸太郎 (第33回 『逆ソクラテス』)
- 青山文平 (第35回 『底惚れ』)
- 池井戸潤 (第36回 『ハヤブサ消防団』)
- 佐藤究 (第37回 『幽玄F』)
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 芥川賞
- 泉鏡花文学賞
- 江戸川乱歩賞
- 大藪春彦賞
- 中央公論文芸賞
- 直木賞
- 日本推理作家協会賞
- 日本ミステリー文学大賞
- 野間文芸新人賞
- 本格ミステリ大賞
- 本屋大賞
- 三島由紀夫賞
- 山田風太郎賞
- 山本周五郎賞
- 吉川英治文学賞
- 吉川英治文学新人賞
- 吉川英治文庫賞
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