『桃太郎電鉄』とはかつてハドソンが発売していた、及び版権を引き継いだコナミから発売されている鉄道会社運営をモチーフにしたテレビゲームのシリーズ。
通称は「桃鉄」。
概要
日本地図がボードの双六のようなゲーム。プレイ人数は1~4人。1人でコンピュータを相手にするもよし、皆でワイワイやるもよし。
2008年で20周年を迎え、それを記念して2008年12月18日に『桃太郎電鉄20周年』を発売、2011年にはiOS向けに『桃太郎電鉄 JAPAN+』が発売された。
2013年にはハドソンはコナミに吸収され、桃太郎電鉄はコナミのタイトルとなった。しかし新作は出る事がないまま、その後2015年6月2日に生みの親である さくまあきら氏が「桃太郎電鉄は、正式に終了します。」とツイートし、シリーズ27年の歴史に幕が閉じられた。
もっとも、Wii専用ソフトとして発売予定であった『桃太郎電鉄2012(仮)』が震災の影響で発売中止になった後、タカラトミーアーツから発売されたボードゲームである「桃太郎電鉄ボードゲーム 大どんでん返しの巻」をさくまは「最後の桃鉄」と称しており、その撤回がなされていなかった。なお、コナミは「今後も続けて参りたいと思っております。」と6月3日に発表したが、その後の音沙汰は無かった。
しかし桃鉄は再び甦る。2016年9月1日のニンテンドーダイレクトでニンテンドー3DS用向けに新作『桃太郎電鉄2017 たちあがれ日本!!』が作られていることが発表され、同年12月に発売された。新たに任天堂が発売元になる。この一報にさくまは「私も天岩戸から出て行かないとならなくなりました。震災の時に何もできなかったのが心残りで、立ち上がれ日本という復興支援を桃鉄でやりたかった」と語っている。
更に3年後の2019年9月5日のニンテンドーダイレクトではNintendo Switch向けの新作『桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜』が2020年に発売されることが発表。任天堂ハードからの発売だが販売元がコナミとなっており、同社から発売される初の桃鉄となった。
桃鉄の遊び方
プレイヤーは鉄道会社の社長となり、サイコロを振って出た目の数だけ進み日本全国からランダムで選ばれる目的地を目指しつつ、全国各地の物件を購入し資産を増やしていく。
1ヶ月が1ターンに相当し、4月から3月までの1年が12ターン(過去作品では2月までの11ターン)。年度末には所有する物件に応じて収益が手に入る。誰かが目的地に入るとゴールしたプレイヤーに賞金が入り、再度また目的地が選ばれる・・・を繰り返し、設定した年数が終了した時点で資産(持ち金+所持物件の総額)が最も多かったプレイヤーが優勝となる。
「十勝あずき畑」「出雲そば屋」「有田焼き物工房」などといった地方色溢れる物件の数々(「東京ネズミーランド」など実在する施設のパロディもある)や、発売時点での時事ネタが随所に見られるのも特徴のひとつ。
誰かが目的地にゴールした時点で目的地から最も遠い位置にいたプレイヤーには妨害キャラクター「貧乏神」がとりつき、毎ターン「所有している物件を勝手に半値で売る」「プレイヤーのお金を使ってカードを相場の二倍の値段で買ってくる」等の悪さをしでかす。退治する方法は無く、別のプレイヤーとすれ違ってなすりつけるか、誰かが次の目的地に到着したときに他人に移るのを待つしかない。グズグズしていると貧乏神が「キングボンビー」や「ハリケーンボンビー」などに変身して更なる被害をもたらすため、情けは禁物である。
(「桃太郎電鉄の関連キャラクター」に詳細後述)。
友達皆で集まってワイワイやるパーティゲームの定番として知られるが、そのシステム上他のプレイヤーを妨害したり蹴落としたりといった事態が頻繁に起こるため、白熱しすぎると険悪なムードになる「友情破壊ゲーム」としても有名。
子供が友達・兄弟でプレイするとリアルファイトに発展する事も珍しくない。
主なシステム
システムは第1作『桃太郎電鉄』のみやや異なり、以下示すシステムは第2作『スーパー桃太郎電鉄』から確立したものである。この名残で、第4作目までは頭に「スーパー」がついていた。
- 全プレイヤーは持ち金1000万円からスタート、ランダムで設定される目的地を目指す。
- プレイヤーが取れる選択肢は「サイコロを振る」以外に、カードマスやカード売り場で手に入れたさまざまな効果を持つカードを使用する「カード」がある。
- 移動できるマスは基本的に、持ち金が増える「プラス駅」、持ち金が減る「マイナス駅」、ランダムでカードがもらえる「カード駅」、物件を購入できる「物件駅」で構成される(作品によっては特殊な効果を持つマスもある)。基本の3駅はそれぞれ青、赤、黄で色分けされておりわかりやすい。
- プラス駅・マイナス駅
- カード
- 物件
- イベント
- その他
製作スタッフ
監督はさくまあきら、イラストは土居孝幸。音楽は関口和之(サザンオールスターズ)、宮路一昭や池毅らが担当している。発売はハドソン。ファミコンソフト『桃太郎伝説』のスピンオフゲームとして誕生した。
ろくにソフト資産の残っていないハドソンの貴重な屋台骨として、ボンバーマンともども同社を支えた。
2005年から携帯電話のアプリとしてハドソンから配信されており、現在8種類。
毎月1日にバージョンアップが行われる。携帯電話版は日本の各地方にスポットを当てたものが多い。
『G』までは「桃鉄双六ゲーム」だったが、『15』から凶悪な効果を持つカードの「カード売り場」が登場したため「桃鉄カードゲーム」と呼ばれ、『桃鉄20周年』より登場した歴史ヒーローの能力が反則並に強かった為「桃鉄武将ゲーム」と呼ばれる等ゲームシステムがスーパーインフレした。
双六の面影もない事を反省したのか、『桃鉄WORLD』ではゲームバランスを整え少し大人しくなっている。
今作に関わったスタッフは、後に任天堂の『マリオパーティ』シリーズの開発を担当し大ヒットを記録、ボードゲーム製作において日本を代表するスタッフとなった。
3DSにて任天堂から発売された『たちあがれ日本!!』、及びNintendo Switchにてコナミから発売された『昭和、平成、令和も定番!』『桃太郎電鉄ワールド』でもさくまが製作に関わっている。なお、この際に全作品に携わっていた土居孝幸を始めとした上記の主要スタッフの一部は降板している。
余談
- 制作当初は桃太郎とはまったく関係ないゲームだったが、名前などを決めるにあたって、さくま・土居・関口らの制作したRPG『桃太郎伝説』からキャラクターと名前をもってきた。今や本家『桃太郎伝説』より『桃鉄』のほうがずっと大きいシリーズになっている。
- また『桃太郎伝説』シリーズを作るには制作期間と莫大な費用がかかるため、それが『桃太郎電鉄』シリーズ誕生のきっかけとなっている。
- 貧乏神のモデルは、かつてさくまあきら・土居孝幸の両氏と共に週刊少年ジャンプ読者投稿コーナー「ジャンプ放送局」のスタッフをしていた榎本一夫(現・有限会社バナナグローブスタジオ代表取締役、通称えのっぴ)。
- かつては据置機から発売されたシリーズでは、なぜか群馬県のみ物件駅が一回も登場していなかった(『DS』『JAPAN』『KANTO』『20周年』には登場していた)。『桃太郎電鉄2010』に『20周年』で新登場した沼田駅と高崎駅が引き継がれ、据置機初の群馬県物件駅となった。
- 名前のインパクトで日本では有名な「エロマンガ島」が初登場したのは『DX』である。続く『HAPPY』でもカード売り場として登場した。
- 香川県の予讃線・鬼無駅(きなし-えき)にはこの地に伝わる桃太郎伝説にあやかって「鬼無桃太郎駅」という愛称があり、これにちなんで2002年3月、桃太郎と犬、サル、キジ、そして貧乏神をかたどった石像がハドソンから寄贈された。これ以降に発売された作品ではマップ上で鬼無駅にあたる辺りにこの石像が描かれるようになった。
- 千葉県銚子市の銚子電気鉄道を題材にしたミニゲームが『桃太郎電鉄12』に収録されたのをきっかけに、沿線の三つの駅に貧乏神とイヌ・サル・キジを組み合わせた「幸せ三像」が寄贈された(それぞれ「貧乏が去ぬ(いぬ)」「貧乏が去る」「貧乏を取り」を意味する)。
また2008~2010年の間、銚子電鉄の車両のうち1編成が桃太郎電鉄のラッピング列車として走行した。
『桃太郎電鉄G』では、ミニゲームイベントとしてゲーム内に会社名が実名で登場する。 - このほかにも鉄道会社とのコラボは多く、土佐電気鉄道(現:とさでん交通)で広告ラッピング路面電車を走らせTVCMなどに登場させたり、JR西日本地域でスタンプラリーイベントが行われたりしていた。
- 当初予定していたWii版『桃太郎電鉄2012(仮)』は東日本大震災を考慮し正式に製作中止となった事がさくま氏のHPで明らかになった。別作品のMOBILE版は配信する。
シリーズ作品リスト
家庭用ゲーム機版
タイトル | ハード | 発売日 | 発売元 |
---|---|---|---|
桃太郎電鉄 | FC | 1988年12月2日 | ハドソン |
スーパー桃太郎電鉄 | PCE | 1989年9月15日 | |
GB | 1991年3月8日 | ||
FC | 1992年3月20日 | ||
スーパー桃太郎電鉄II | PCE | 1991年12月20日 | |
SFC | 1992年8月7日 | ||
GB | 1994年2月18日 | ||
スーパー桃太郎電鉄III | SFC | 1994年12月9日 | |
GG | 1995年12月15日 | ||
スーパー桃太郎電鉄DX | SFC | 1995年12月8日 | |
桃太郎電鉄HAPPY | SFC | 1996年12月6日 | |
桃太郎電鉄7 | PS | 1997年12月23日 | |
桃太郎電鉄jr. ~全国ラーメンめぐりの巻~ | GB | 1998年7月31日 | |
桃太郎電鉄V | PS | 1999年12月16日 | |
桃太郎電鉄X(ばってん) ~九州編もあるばい~ | PS2 | 2001年12月13日 | |
桃太郎電鉄11 ブラックボンビー出現!の巻 | PS2 | 2002年12月5日 | |
GC | 同上 | ||
桃太郎電鉄12 西日本編もありまっせー! | PS2 | 2003年12月11日 | |
GC | 同上 | ||
桃太郎電鉄USA | PS2 | 2004年11月18日 | |
桃太郎電鉄G ゴールド・デッキを作れ! | GBA | 2005年6月30日 | |
桃太郎電鉄15 五大ボンビー登場!の巻 | PS2 | 2005年12月8日 | |
桃太郎電鉄16 北海道大移動の巻! | PS2 | 2006年12月7日 | |
Wii | 2007年7月19日 | ||
X360 | 2007年12月6日 | ||
桃太郎電鉄DS TOKYO&JAPAN | NDS | 2007年4月26日 | |
桃太郎電鉄20周年 | NDS | 2008年12月18日 | |
桃太郎電鉄2010 戦国・維新のヒーロー大集合!の巻 | Wii | 2009年11月26日 | |
桃太郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻!![]() |
PSP | 2010年7月15日 | |
桃太郎電鉄WORLD | NDS | 2010年12月2日 | |
桃太郎電鉄2017 たちあがれ日本!!![]() |
3DS | 2016年12月22日 | 任天堂 |
桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜![]() |
Switch | 2020年11月19日 | コナミデジタル エンタテインメント |
桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~![]() |
Switch | 2023年11月16日 |
※FC=ファミリーコンピュータ PCE=PCエンジン GB=ゲームボーイ GBA=ゲームボーイアドバンス SFC=スーパーファミコン GG=ゲームギア PS=プレイステーション PS2=プレイステーション GC=ゲームキューブ NDS=ニンテンドーDS 3DS=ニンテンドー3DS PSP=プレイステーション・ポータブル Wii=Wii X360=Xbox360 Switch=Nintendo Switch
携帯電話版
タイトル | i | EZ | Y! |
---|---|---|---|
桃太郎電鉄TOKYO | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄JAPAN | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄JAPAN豪華版 | ○ | ● | |
桃太郎電鉄WORLD | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄WORLD遠距離対戦版 | ● | ||
桃太郎電鉄WORLD豪華版 | ○ | ||
桃太郎電鉄CHUBU | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄KANTO | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄TOHOKU | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄TOHOKU豪華版 | ○ | ||
桃太郎電鉄HOKKAIDO | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄KYUSHU | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄SETOUCHI | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄KINKI | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄AOMORI | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄SHIZUOKA | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄TOKAI | ● | ● | ● |
桃太郎電鉄 きせかえツール | ● |
そのほか
関連動画
プレイ動画
TASプレイ動画
桃鉄物件元ネタ紹介動画
女湯
関連項目
- ハドソン
- コナミ(ハドソンのかつての親会社・桃鉄令和の発売元)
- 任天堂(2017の発売元)
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- 桃太郎電鉄動画の多いゲームタイトル一覧
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