森永乳業株式会社 (MORINAGA MILK INDUSTRY CO., LTD.) とは、日本の乳業会社である。
森永製菓株式会社とは兄弟会社のような関係であり、明治ホールディングス傘下の株式会社明治のように、製菓・乳業が同一会社のもとで行われているわけではない。 しかし、2018年に持株会社化する予定らしい。
アイスクリームの製品には、ユニリーバとの合同で設立した「エスキモー」ブランドで発売していることで知られているが、2010年にエスキモーブランドを廃止し、アイスクリームもそれ以外の製品に関してもすべて森永乳業のものとして販売している。アイス部門ではICE BOX、MOW、パルムなどのヒット商品を次々生み出しており、ロッテと業界首位を争っている。
ちなみに森永牛乳プリンにデザインされている太陽をかたどったキャラクターの名前は「ホモちゃん」である。
意味は「ホモジナイズド(均質化)」らしい。
1955年の森永ヒ素ミルク中毒事件により、業界第一位だった森永乳業はその不適切な対応によって信用を失い、雪印乳業(当時)にその座を明け渡すことになる。その後雪印乳業は牛乳の食中毒事件と牛肉の偽装事件によって企業そのものが存亡の危機に落ち、業界2位にまで回復、現在における業界1位は株式会社明治が握っている。
マウントレーニアシリーズのカフェラテとアロエヨーグルトは、今の森永乳業のチルド商品における主力である。かつてはブリックパックのピクニックが旅行ブームに乗って大ヒット商品となった実績があり、その延長線といえるだろう。
なお、200mlのプリズマ容器は森永乳業の製品で多く使用されている。
むしろプリズマ容器の製品=森永乳業と思っていいほど。
なお、開発力、研究熱心さに定評があり、国内初の乳酸菌入り飲料を販売した企業でもあり(ヤクルトではない)、母乳に含まれ、健康効果がかなり高いラクトフェリンを分析、抽出した最初の企業でもある。そして、このラクトフェリンは森永のドライミルク「チルミル」などに含まれているので、ココアやコーヒーのクリープ代わりにして飲めば、下手に高いラクトフェリン入りサプリを買うよりずっとお得である。
主な製品
牛乳
- 森永のおいしい牛乳
明治おいしい牛乳がヒット商品になっていることから、対抗しておいしい牛乳を開発する。
FTP製法と呼ばれる、蒸気を用いた殺菌法を用いることでその味を作り出しているとか。 - 森永牛乳
1929年から販売している商品。
店頭によく置かれているのはプリズマパッケージのものと思われる。
カフェオレ
ヨーグルト
- 森永ビヒダス
この製品のCMにはおっさんホイホイな懐かしいものがあったりする。
- アロエヨーグルト
2008年にモンドセレクションで金賞を獲得した商品。累計44億個を売り上げる森永のもうひとつの主力商品。
プリン
その他
- クリープ
ホットのインスタントコーヒーに入れる粉クリーム。
これだけをお湯に溶かして飲んだことがある人は結構いるのではないだろうか。
- 加糖練乳
森永の加糖練乳製品は缶やパックに牛の顔があるのが特徴である。
アイスクリーム
その他の商品
業務用のアイスクリームや生クリームなどなども販売している。
乳幼児用の商品などなどもある。
wikipediaや公式サイトを駆使して探るべし。
森永ヒ素ミルク中毒事件について
1953年ごろに、徳島の工場で、乳児用粉ミルクの溶解性を高めるため、ヒ素が混入していた第二リン酸ソーダを添加物を用いていたことにより、周辺の乳児たちの間でヒ素中毒が発生した事件。福岡で発生したカネミ油脂事件と並ぶ大規模な日本の食品安全事件として有名である。なお、精製した薬品会社は「食品に使うなんて思いも寄らなかった」と言及していたという。
具体的な詳細はWikipediaの該当記事を見てもらえればわかるが、1974年に恒久対策のために設立された財団法人ひかり協会は、長い年月の中で被害者たちの要求を十分に満たしているとはいえない状況にあるようだ。
企業が原因で発生した公害とは色が違うものの、死者や長く後遺症に苦しむ患者を数多く出した事件であることは間違いないものである。
この反動のため、現在も四国では森永乳業の製品はあまり置いておらず、特に徳島県内では森永の粉ミルク類は一切置いていない。また裁判の舞台となった岡山でも森永乳業は敬遠され続けている(ここは地元のオハヨー乳業が強いのもある)。なお、後遺症問題発覚後、不買運動は全国にも広まり、森永乳業の粉ミルクはまるで売れなくなってしまった。
尚、森永乳業自体は、1976年に発売されたピノの大ヒット、ビフィズス菌入りヨーグルト「ビヒダス」のヒットやロングライフ製法による常温保存が可能となったブリックパックのピクニックの大ヒットなどヒット商品を次々と生み出し、売上は順調に回復していくが、その矢先でグリコ・森永事件の風評被害も受けてしまう。
また、地に墜ちたドライミルク部門の起死回生のために開発した商品がチルミルであり、1989年に長年研究を続けていたラクトフェリンを配合し付加価値を付けたことと、大人でも美味しく飲めるスキムミルクを目指し食味改善に務めた結果、フォローアップミルク部門では業界1、2位を争うまで回復している。
アメリカからみた森永ブランド
世界、特にアメリカでは森永乳業のイメージは豆腐であり、mori-nyuという略称で知られている。日本では豆腐は法律によって大企業が参入できなかったのだが、海外ではそんな規制はないため。また、大豆独特の臭い(アメリカでは飼料のにおいと思われていた)などで敬遠され続けてきたが、色々な工夫による改善やアメリカの健康ブームにも乗って豆腐は飛ぶように売れるようになり、森永といえば豆腐とまで言われるようになった。
関連項目
兄弟会社など
ライバル企業
外部リンク
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