極左暴力集団とは、文字通り左翼(革新派)のうち暴力的、危険な集団、反社会的な団体のことである。
概要
ようするに革新的政治主張のために直接的な行動をとる、学生運動家や活動家のこと。ほぼ新左翼と同義語の、公安が使う用語である。
最近はあまり活発にテロを行なわないが、こういった活動家・元活動家が(もちろん全員がそうではないが)、大学教授、労働運動やホームレス支援、環境保護の活動をしていたりする。構成員は、大学のサークルに紛れ込み、カルト宗教のような手口で勧誘している。これをオルグという。
60年代より大学や国家との闘争を展開した。東大の安田講堂や成田空港などで、穏健な方法ではなく、暴力的な手段を用いた。テロ活動を行う団体もあった。ヘルメットを被り、鉄パイプや角材(ゲバ棒)で武装。火炎瓶を投げつけた。
外部への攻撃に留まらず、彼ら極左内部の考えの違いから、革マルや中核などが入り乱れて殺人事件を起こした。同じ団体(仲間)の構成員でも内部統制を敷くために厳しい自己批判や殺人を課する事件も起きた。これを内ゲバという。(由来はドイツ語のゲバルト(Gewalt)=暴力から)
このような暴力的活動による政治運動を行う極左暴力集団は、社会から危険視され、公安委員会の監視対象とされている。
現在はかつてほど目立たないが、暴力路線の結果かえって左翼運動は衰退したとも言える。
ただし過去の過激派による学生運動やソ連・中国との対峙による影響で、「左翼=暴力」の印象を持つ者は日本では顕著と思われる。
極左暴力集団は大きく分けると革共同系、共産同系、社青同系、構改派系、中国派系の5つの系統に分類される。このうち社青同系のみが日本社会党から分裂したもので、それ以外の4系統はいずれも日本共産党から分裂した。この他にアナキズムなど、いずれにも分類されない団体もある。
極右暴力集団は今のところ認定されていないが、暴力事件を起こした活動団体はある。(天皇の戦争責任に言及した長崎市長の銃撃や桂田智司による宮澤内閣閣僚暗殺未遂事件、朝鮮学校襲撃など)
主な極左暴力集団
集団の後ろの文字は系統を表す(革共同系、共産同系、社青同系、構改派系、中国派系、アナキズム)
御三家
以上がメディアに繁盛に登場する極左暴力集団である。
これらと民青同(日本共産党の青年組織)系の組織による大学自治連盟がある。これを「全学連(全日本学生自治会総連合)」という。元々民青同だけの学生自治連盟だったが、革マル系などが流入した結果、現在では「自分らの流派が本当の全学連」だと各団体が名乗るようになった。
この全学連には極左暴力集団や日本共産党系団体を含むため、公安に監視されている。
その他
- 戦旗・共産主義者同盟 共
- 共産主義者同盟 共
- 日本赤軍 共
PFLP(パレスチナ人民解放戦線)と連帯し、テルアビブ空港乱射事件などを起こす。この事件で生き残った岡本公三はイスラエル服役後、レバノンに亡命。現在は名目上廃止したが、支持者はいるとみられる。
- 東アジア反日武装戦線 ア
昭和天皇の暗殺未遂事件、三菱重工爆破事件を起こす。後者は軍需産業を担っていたために敵視され、三菱重工の東京本社ビルが爆破された。現在も指名手配されている者がいる。
部隊名として「狼」「さそり」などとも。指南書「腹腹時計」が有名。
公安の言及はないが、活動内容や疑惑から呼称される場合がある団体
定義上の「極左」は、「マルクス主義だが共産党よりも左」を指すため、日本共産党は該当しない。極左暴力集団は「共産党に飽きた共産主義者が極左化した」とするのが正確である。日本共産党は極左暴力集団を「ニセ「左翼」暴力集団」と呼称している。
ただし公安は「暴力革命」を標榜しているとして監視対象に指定している。日本共産党自体は「暴力革命」を捨てたと主張しているが、公安は「ソフト路線に転換しただけ」と見ている。このため共産党関係者(親族を含む)は警察や自衛官など公安職に就けない噂は有名。だいたい過激派や活動家の親玉とも言える。
なお、ややこしいことに中国派系の中にも日本共産党を名乗る暴力集団が存在する(構改派系にも存在したが、現在は消滅)。
- レイシストをしばき隊
現「C.R.A.C.」、活動内容や構成員の思想から
- その他学生団体
最近ならSEALDsなど。SEALDsは過去の学生運動団体との関連疑惑ある。 - その他一部の労働組合
特にJR総連やJR東労組は革マル派が浸透している組織であると警察庁や政府に認識されている。
関連項目
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