ビジュアルアーツの美少女ゲームブランドkeyのリーダーとして著名。
同人サークル「SOLDIER FROG」主催。自画像はカエルやパンダの着包み姿がお馴染み。
ペンネームの由来は、うる星やつらの主人公、諸星あたる(きたがわ翔の漫画『C』の主人公説も)と、ペンネームを考えるときに一緒に悩んでくれた友人の知人の樋上さんから。
概要
麻枝とよく似ているように思います。感受性が高く、そしてどこまでも優しい。あれほど優しい人間は他に思いつきません。でもその優しさは弱さでもあって社会では生きづらいと思います。普通の人が何でもないことが彼女には耐えられないことなので、それを理解する必要があります。まわりの理解が必要です。
子供のころから絵を描くことが好きで、中学1年生のころからオリジナルの少女マンガのようなものを描きはじめる。
専門学校のマンガ科に在学中にélf(株式会社エルフ)のアダルトゲーム『同級生』をプレイし衝撃を受け、ゲーム業界で働くことを志し、TGL(株式会社テイジイエル企画、現: 株式会社エンターグラムが展開していた、一般向けゲームソフトウェアのブランドにグラフィッカーとして就職。そこで山本和枝の教えを受ける。
TGL退職後はビジュアルアーツを経てネクストンに移籍し、同社のブランド、メイファーソフトに所属、原画を担当する。同ブランド解散後、YET11(吉沢務)、みらくる☆みきぽんと新ブランド、Tactics(タクティクス)の創設に携わる。
タクティクスの処女作『同棲』はシナリオなど外注で作られたが、次作『MOON.』からはシナリオに麻枝准、久弥直樹が加わり、音楽には『同棲』では外注であった折戸伸治、CGにしのり~が加わり、やがてkeyの創設メンバーとなる6名が結集。こうして作られた『MOON.』と続く『ONE ~輝く季節へ~』は成功作となり高い評価を受けた。
しかし『ONE』の開発は納期を超過してしまったため、半年でゲームを1本発売するという会社の方針に逆らってしまったことになり、スタッフたちは会社からの圧力を受けてゲームの作り難い環境に悩むことになった。YET11を除くスタッフたちは退社を決めたが、自分たちを雇ってくれる会社を探す不安定さに揺れていた。
樋上いたるは以前働いていたビジュアルアーツの馬場社長との会見を行い、チームをまるごと正社員として移籍させることを了承させた。樋上いたるは『ONE』の成功があったのですんなり話が進んだと感じていたが、馬場社長は『ONE』がヒットしていることは知らず、普通のエロゲーだと思い、スタッフたちの実力について半信半疑であった。
ビジュアルアーツに再移籍後のkey第一作『Kanon』は驚異的な大ヒットをし、続く『AIR』『CLANNAD』『リトルバスターズ!』『Rewrite』でも高い人気を得た。『Rewrite』では原画の他、企画原案も担当している。
key以外でもビジュアルアーツのブランドpekoeで『ぼくらはみんな、恋をする Nous Tous chute dans l’amour.』(2006年)、H. I.Design Officeで『HOLY BREAKER!-THE WITCH BETRAYED BLUE MOON WICCA.』(2014年)、『HOLY BREAKER!2-THE WISH IN THE NIGHT OF THE STAR TALERS.』(2015年)で原画を担当している。
2016年、『Harmonia-ハルモニア-』を最後に「ビジュアルアーツ」を退職、フリーとなった。
フリーとなった後は都乃河勇人の小説『Farewell,ours ~夏の僕らは瞬きもできない場所へ~』で挿絵を担当。『~リトルリトル・リリック~ 恋するコロポックル』『はるかどらいぶ!』で原画を担当。わかつきひかるの小説『桜の咲く頃、僕は妹と再会する。』で挿絵を担当。田中ロミオの小説『マージナルナイト』で挿絵を担当。『幻想牢獄のカレイドスコープ』で原画を担当などの活躍をしている。
2021年9月1日にネクストンに入社することを本人のX(旧Twitter)で告知した。
いたる絵
樋上いたるの描く魅力的なキャラクター(横に幅広い面貌、極端に大きな瞳、顔の中心に集まった鼻と口)は、通称「いたる絵」と呼ばれ大きな影響力を持ち、1990年代末~2000年代にかけての美少女ゲームを中心とするキャラクター絵の一大トレンドを作ったが、その反面「顔は許容出来ても、体のデッサンがときに崩れていて気に入らない」等その個性的な絵を全く受け付けない層も存在している。
また例外はあるが、たとえ小柄で子供のようなキャラであっても、衣服を脱ぐとその裸体はムチムチに豊満に描かれる場合も多くこれにも一部賛否がある。
なお、画風は変遷を繰り返しており、初期と現在の絵とはかなりの変化があり上達している。初期こそ非常に不評の声も大きく、『ONE~輝く季節へ~』での七瀬留美の最初のイベント絵は、人間の身体ではなくガンダムだと評されたくらいであったが、しだいにデッサン力を向上させ構図的にも美しい絵を描けるようになった。キャラクターの顔も目の大きさ、瞳の光彩の形などをかなり変えており、今では多くの者がみても性的に可愛いと思える絵が描けるようになっている。
関連動画
関連静画
関連項目
関連サイト
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