横山典弘(よこやま のりひろ)とは、JRA所属の騎手である。
概要
1990年には73勝を上げ一気に飛躍、以降トップジョッキーの1人として競馬には欠かせない存在となる。
愛称は『ノリ(さん)』『ヨコテン』など。2chなどでは『2get』『(和)禿』などと言われる(ちなみに洋禿はペリエ)。ただ最近はノリが変なパーマをかけるようになったこともあり、「禿」の名は藤岡佑介や森秀行調教師に移りつつある。
2009年5月31日、第76回日本ダービーにおいてロジユニヴァース号に騎乗し悲願のダービー制覇。G1『2get』の祖メジロライアン以来、15回目の挑戦でついに念願のダービージョッキー仲間入りを果たした。
また同年11月1日には天皇賞(秋)を8歳馬カンパニーとともに悲願の制覇。史上初の8歳馬による中央G1の制覇を達成するとともに、本人がインタビューで語ったようにサクラローレル、ゼンノロブロイなど数々の馬で惜敗を続けてきた嫌な思い出をついに払拭することとなった。
ちなみに父・富雄と兄・賀一は元JRA騎手、さらに息子のうち長男・和生、三男・武史は現役のJRA騎手で、親戚筋にも元調教師、騎手などがいる。武史は2021年4月の皐月賞にてエフフォーリアに騎乗、これを勝利して初G1制覇をクラシックで獲得、更に10月には菊花賞をタイトルホルダーで獲り(しかもかつて自身がセイウンスカイで獲って以来の逃げ切り勝利、かつそのラップタイムまでほぼ完全再現という特大の勲章付き)、親子二代でクラシック二冠ジョッキーになった。
さらに、2021年天皇賞(秋)を武史が、2022年天皇賞(春)を和生が勝利し、三代に渡って両天皇賞を勝利し、同年の宝塚記念も親子三代での勝利、親子で春秋グランプリ制覇も成し遂げた名ジョッキー家系である。
親子三人揃って大レースに騎乗することも多いためか、「騎手界(JRA)の横山ホットブラザース」という異名で呼ばれることも。(元ネタの音曲漫才の方も当初は父と子供兄弟のグループであった。)
GⅠと2get
GⅠを中央・地方合わせて現在28勝と立派な成績を残しているが、それ以上に2着の数が多く(地方・中央合わせて47回)、1995年から2012年まで毎年GⅠ2着を獲得し、18年連続GⅠ2着というJRAのトップジョッキー武豊も達成していない珍記録を作り上げた(なおこの記録は2013年を以ていったん途切れ、2015年現在まだ新しく2getはしていない。その間にGⅠ4勝とか鬼のような成績出してるけど(後述)。
しかしこれは「勝ちきれない」という完全な否定の意味合いで使われるわけではなく、1番人気で勝ちきれないものの安定して連には持ってくる、人気がなくても一発に賭けて馬券圏内に食い込んでくるかもしれない、などいろいろなニュアンスを持っている。
2着の取り方も多種多様で、圧倒的1番人気を2着(2012年朝日杯 コディーノ)にしたり単勝人気が無い馬を2着(1999年秋華賞 クロッ クワーク 他多数)、大接戦でちゃっかり2着(2001年エリザベス女王杯 ローズバド)4年連続で同じレースで2着(菊花賞)、同一馬でGⅠ2着4回(ローズバド シーキングザダイヤ) 等、プロ2ゲッターとして競馬界に花を咲かせている唯一の騎手なのである。
上記のように人気が薄い馬でも時折馬券に関わる着順にまで持ってくることがあるため、他の騎手に増して競馬ファンのGⅠでの予想の一因として考えられることも多い。
その人気薄の中でも近年のアドマイヤジャパンやイングランディーレなど思い切って逃げるレースのインパクトが強いためか、スタートしてノリが逃げを打つと場内や実況が注目するケースも目立つ。
横山典弘式勝馬投票券
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ノリが吹いたら切れ
レース前に騎乗馬に関して多弁になると、その馬は負けると言われる都市伝説(もとい事実)である。
以下に実例を記載する。
2012年 朝日杯フューチュリティーステークス
結果 単勝1.3倍と圧倒的1番人気にも関わらず、人気薄の馬に競り合いで負けて2着になった。
ノリは頑張っているよ
代名詞ともいえるGⅠ2着記録は2013年を以て途切れてしまい、以来GⅠでその芸術的なまでの2getはなりを潜めている…が、しかし。むしろ最近は日本ダービーを含むGⅠ4勝と好調な成績で、さらに何をしでかすかわからない騎手として、その名を轟かせていることをご存じだろうか。
それはGⅠなどの重賞戦線や平場を問わず、より極端過ぎる騎乗でファンを意気消沈させたりヒヤヒヤさせたり呆気にとらせたり感動の渦に巻き込んだりと非常に多忙な日々を送っている。
具体例を挙げればキリがないので、ここでは記録が途切れて以降の主な活躍について紹介する。
- 後ろポツン騎乗
- ゲートを出た後、馬群の最後方までガッツリと下げて何もしないで回ってくる(もしくは突っ込んでくるが掲示板に乗れば精々)という騎乗をしてきたりする。
- 馬券を握っているファンとしては(この戦法で負けられると)無気力にしか思えない騎乗に見え、怒り出す方も当然いらっしゃるのだが、「やっぱり」など呆れ交じりの感想もしばしば。また、ポツンが発動しても最後の直線で全馬抜き去って勝利、なんてこともあるのが更に厄介度を倍増させている。
この騎乗スタイルについてはホクトベガの件を引きずっているらしく(詳細は該当項目参照)、負けた場合馬の素質の問題とするか、騎乗スタイルを原因と見るかでも評価が大きく変わるというのもややこしくなっている原因である。
なおこれは最初から狙ってやるものではなく、彼がその馬に一番合う、持ち味を最大限活かせると思ったリズムと他の馬たちのペースがズレたときに結果として生じるという。ポツン化したレースのリプレイは自分でも変なことをやっているように見えるらしい。(ソース動画)
- 前ポツン(逃げ)
- 往年のイングランディーレのごとき突然の逃げを打って場内をアッと沸かせたり、あわよくばそのまま勝たせるまでに至る確かな騎乗技術は健在。
- 「ノリがやる気を出した」とまで言われる始末である。なお、息子にも継承されているらしく、2021年菊花賞で武史が、2022年天皇賞春で和生が共にタイトルホルダーで見事に再現してみせた。
返し馬の感触などから「今日はこの馬にはあまり我慢をさせない方が良いな」と判断し、(後ろポツンとは逆に)馬なりに走らせたときこうした突発の逃げが生じることがあるという。 - 横ポツン
- ポツンの派生。馬群から馬を引き離し、その横を走らせる騎乗スタイルである。
- 字面にするとなんてことないかもしれないが、馬群から引き離した結果1頭だけ馬場のど真ん中を悠々と走っている姿はとてもシュールな光景である。パトロールビデオを見るとよりわかりやすい。
- 外ラチ強襲
- 通常の大外から差してくるような生易しいものではなく、中継画面に映るか映らないかぎりぎりの大外からぶっこ抜いてくる怪現象。
- 逃げて差す
- 大逃げして垂れたかと思ったら差して勝っていた。
- 何を言ってるんだと思った方はリンク先
へどうぞ。
- 王道先行
- 先行していいポジションを確保し、タイミングよく抜け出すというセオリー通りの勝ち方も随所で魅せてくれます。2014年日本ダービー制覇おめでとうございました。これまた、息子にしっかり継承されてタイトルホルダーの強さを表している。
- 天皇賞(春)2015
- とりあえずご覧ください。
ちなみに「2get」「ポツン」「吹いたら負ける」などと言われている事は本人も認識している模様。
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関連項目
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