すべてはここから始まった・・・
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引用元:☆☆横浜ベイスターズ実況マケレレ9/15-17ヤクルト戦 part6☆☆
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横浜優勝とは、切なる願いである。
もう少し詳しく書くと
以上のどちらかを指す言葉である。
2024年現在1.の用法で使われることも増えてはいるが2.と比べると少ないため、本記事では概ね2.について解説する。
なお、ここで指す横浜は横浜DeNAベイスターズでない場合がある(後述)。
概要
その昔、ベイスターズは弱かった。
記事冒頭のやり取りは、この言葉が誕生した(とされる)2ch(現 5ch)の過去ログを抜粋したものである。
この書き込みがなされた日、つまり2003年の9月15日は、プロ野球セリーグのペナントレースも大詰めを迎え、一位を走る阪神が優勝マジックを2とし、18年ぶり8度目のリーグ優勝を目前に控えていた。なお、この時のマジック対象チームはヤクルトだった。
この日の阪神ファンは二つの試合の動向を追いかけていた。ひとつは阪神対広島の試合、もうひとつはヤクルト対横浜の試合だ。この日に阪神がリーグ優勝を決めるには、まず阪神が広島に勝ち、ヤクルトが横浜に負ける必要があった。
先に試合が行われたのは阪神広島戦で、こちらは午後2時にプレイボールがかかり、結果阪神は3-2でサヨナラ勝ち。この時点で阪神はマジックを1とし、優勝のためにあとはヤクルトの敗戦、つまり横浜の勝利を待つばかりであった。
ヤクルトと横浜の試合は午後4時に始まった。この年の横浜は他を寄せ付けない圧倒的な弱さで最下位道を驀進し、シーズン終了時には異次元の勝率.324を記録した。この年の5位の広島の勝率が.486だったことを考えると、当時のベイスターズがいかに弱かったのかがお分かりいただけることだと思う。
横浜ファンも、確かにベイスターズの勝利を望んでいたが、さすがにこれだけ負けが込むと、ファンの間にもゲームを諦念の目で見るような嫌な空気が立ち込めていた。
それでも、それでも応援してしまうのがファンである。負けが込んでいるだけファンも勝利を渇望していたし、三回に一回しかできない勝利を、それこそ他球団ファンの何倍もありがたがったりしていた。この時すでに、いわゆる「横浜優勝」の精神の土壌が生まれていたのである。
かくして始まったこの日のゲームも、この勝利が阪神の優勝に結びつこうが何だろうが、ともかくベイスターズに勝ってほしいという願いそのままの気持ちで、多くの・・・いや多くはなかったかもしれないけど・・・ファンは観戦していた。
そんな中で掲示板に書き込まれた「横浜優勝では?」は、たといそれが明らかな誤字であっても、それを見ていた多くのファンの心を揺さぶり・・・いやからかってただけかもしれないけど・・・多くの「横浜優勝」の書き込みを誘った。
結局、この日は横浜が12-6でヤクルトを下して見事勝利、それと同時に阪神のセリーグ優勝が確定し、横浜の試合を見守っていた阪神甲子園球場では星野仙一監督の胴上げが行われた。
その頃、先の掲示板では・・・
- 734 名前:ホッシー君@借金独占禁止法違反 投稿日:2003/09/15(月) 19:33
- 優勝キタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━ !!
- 735 名前:ホッシー君@借金独占禁止法違反 投稿日:2003/09/15(月) 19:33
- 横浜優勝キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!!!
- 738 名前:ホッシー君@借金独占禁止法違反 投稿日:2003/09/15(月) 19:33
- 大ちゃん胴上げキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
- 739 名前:ホッシー君@借金独占禁止法違反 投稿日:2003/09/15(月) 19:33
- 優勝キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
御覧の有り様であった。
かくして横浜ファンは、ひとつの勝利を重ねるたびに、それを「横浜優勝」と表現して喜び合うようになった。
いつしか「横浜優勝は『横浜が優れていたから勝った』の略だ」という雑な理由付けをして、その誤用を正当化するようになった。
ベイスターズの暗黒時代は続き、まともに勝利が続かない状況になると、他球団に流出した選手が殊勲打を打ったとかで「横浜優勝」したりだとか、日本代表に選出された横浜の選手が代表戦で活躍しても「横浜優勝」したりなどして、ほんの少しの喜びを増幅させることでペナントを耐え忍んでいた。
いつの日か、本当に「横浜優勝」する日を夢見て・・・
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しかし・・・
2017年
この頃になると、昔のあの時に比べて横浜は見違えるほど強くなっていた。
2003年当時にはなかった「クライマックスシリーズ」が導入され、仮にシーズンで優勝していなくても、日本シリーズ出場への望みをつなげられるようになっていた。
そしてこの年、横浜はペナントを三位で終え、クライマックスシリーズに臨んだ。
ここで二位阪神、一位広島を立て続けに破り、クライマックスシリーズを優勝、日本シリーズ進出を果たした。
この時にクライマックスシリーズを「優勝」したので、結局これで「横浜優勝」が達成されたと見る向きもある。しかし2018年現在、使う機会は減ったものの、いまだにベイスターズファンはツイッターなどで「横浜優勝」を繰り返し呟いて、横浜が勝利するたびにトレンドに載せている。
確かにあの時に切望した「横浜優勝」は、ポストシーズンの優勝ではなく、あくまでペナントの制覇だったのだ。それが達成されるまで「横浜優勝」と言われ続けるかもしれないし、優勝しても言い続けるかもしれない。それは横浜が優勝してみないと分からない・・・
2023年
日本シリーズ進出から6年経過した2023年。前年を2位で終わらせた横浜は前半戦で首位に一時立ち、強いのが当然と言うチームとなった。
そして2位で迎えたセ・パ交流戦。交流戦直前は負けが多かったため、ここでの復活を期待されていたのだが、なんとソフトバンク以外のチームに全て勝ち越してしまう。
更に交流戦優勝目前と言われた巨人が最後の2戦を落としてしまったことで、優勝に最も近いチームとなったのだった。
6月19日の最終戦の日本ハム戦は負けてしまったため、優勝決定は持ち越しとなったが、翌20日のヤクルト対楽天戦の試合結果が確定したことで、交流戦とは言え「横浜優勝」を果たすことになった。
2024年
翌年。ベイスターズは前半戦こそAクラスで健闘していたが、中盤で9連敗の大失速をしてしまう。ところが9月初め時点で首位だった広島がそれ以上の大失速をしでかして、貯金2のベイスターズが3位に食い込んだ。
ここからベイスターズは怒涛の快進撃を始め、2位阪神、1位巨人を破って7年ぶりの日本シリーズ出場を果たす。奇しくも相手は同じソフトバンクであった。だがこの年のソフトバンクは貯金42という圧倒的1位。セ・リーグが束になってもかなわないと言われるような戦力差であった。
横浜スタジアムでの第1戦、第2戦を落とし、このまま終わるのか……と思われたが、みずほpaypayドームでの3試合では投打がかみ合い3連勝。そしてハマスタに戻ってきた第6戦、ベイスターズ自慢の打撃陣が爆発して11-2の大差で勝利。日本一に輝いた。「横浜優勝」は遂に成し遂げられたのである。
残るはペナントレースでの「横浜優勝」。果たして実現する日は来るのだろうか。
ベイスターズ以外
横浜にはベイスターズ以外にも、横浜Fマリノス、横浜FC、横浜ビーコルセアーズなどのスポーツチームがあり、これらのチームが何らかの形で優勝することを指して「横浜優勝」と表現することもある。
当然これは一般名詞なので、何も間違った使い方ではない。濫用してごめんなさい
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関連項目
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