横浜市交通局とは、横浜市を中心に地下鉄・バス事業を運営している地方公営企業である。
イメージキャラクターは『はまりん』
概要
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横浜市営地下鉄と横浜市営バスを主に運行しており、地下鉄事業では約58万人、バス事業では約33万人の利用者が1日にあり、横浜市の交通を支えている。
1904年(明治37年)、横浜電気鉄道が電車営業を行った事によリ始まる。営業区間は現在の青木橋駅から桜木町駅間にあたる。
1921年(大正10年)、横浜電気鉄道の経営難から、路面電車を買収し、市営電車を開業したことで横浜市電気局として誕生した。
1928年には市営バス事業を開始。1933年には貸切バス事業を開始した。
1946年(昭和21年)5月31日に横浜市電気局から横浜市交通局に改称。
1959年に、トロリーバスの営業も始める。都市型トロリーバスとしては最後発だったこともあり、トロリーバス初のワンマン運転を行っている。これは、運転士がミラーでトロリーポールが離線していないか確認しつつ運転することで認められた。
他の都市の例に漏れず、市電は混雑する道路事情の中で生き残ることが難しくなり、1972年3月31日に廃止された。
トロリーバスは黒字経営だったが、電車の廃止で変電所維持が負担になること、他の都市でトロリーバス運行が終了していたことで維持管理が難しくなること、車両の更新時期が近づいたことなどから、市電と共に普通のディーゼルバスに転換。日本のトロリーバスは立山黒部アルペンルートだけになった。
市電の代替として、同年12月16日に地下鉄路線が開業(伊勢佐木長者町駅-上大岡駅)した。その後も徐々に延伸を重ね、1999年に現在の湘南台~あざみ野間40.4kmが出来上がり、都営大江戸線に次いで日本で2番目に長い地下鉄路線になっている。
2007年には、ICカードを導入。2008年にはグリーンラインを開業するなど、現在に至るまで少しずつ路線を伸ばしている。最近ではブルーラインにおける快速運転計画、グリーンラインへの編成増備などのニュースが沿線利用者の関心を集めている。
交通史料の保存活動にも熱心で、初代地下鉄車両の1000形を動態保存している。
磯子区の滝頭車庫も、バスの車庫や市営住宅として使われる一方で、横浜市電保存館として一般に開放されている。横浜市電の各形式の保存展示、HOゲージ・Oゲージ鉄道模型ジオラマ、地下鉄コーナーなどを設け、公営鉄道の博物館としては全国最大級の規模を誇っている。
事業
経営環境
横浜市交通局に限らず、各地の公営交通事業は軒並み慢性的な経営難にさいなまれている。また母団体である地方公共団体自身も財政難に苦しむ中、近年、公営交通事業も抜本的な経営再建が求められるようになった。
財政改革の下、横浜市営地下鉄、横浜市営バスはいずれも民間企業への売却も一時取りざたされたが、平成15年ごろより「横浜市営地下鉄事業のあり方に関する答申」(平成15年9月)および「横浜市営バス事業のあり方に関する答申」(平成16年1月)に基づいた、各団体の経営努力により大幅な経費削減とリストラを推し進めることとなる。
経費削減への具体的な施策は職員数の削減、全職員の人件費削減、一部事業の民間委譲である。
横浜市営地下鉄では全職員の給与削減と共に、人件費削減のために鉄道車両のワンマン化を推し進め、その一環として全駅にホームドアを設置、ATO(自動列車運転装置)の導入が行われた。現在の横浜市営地下鉄は全線ワンマン運転で、運転士が車掌業務を兼任している。
また、横浜市営バスは大幅な路線・系統の再編成、事業所の統廃合、一部路線の民間への委譲、民間乗合バス事業者と比較して高水準にあった乗務員の給与の削減が行われた。
年々、営業損益・経常損益は改善され、答申の目標に対して一定の成果が得られたことで、鉄道・バス共に交通事業の民間への完全売却という事態は回避されるに至った。
今後も答申目標の更なる達成と鉄道事業に於ける経常損益の黒字転換が求められている。
※参考資料:横浜市交通局企業情報
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