横浜市営地下鉄ブルーラインとは、湘南台駅(神奈川県藤沢市)~あざみ野駅(神奈川県横浜市青葉区)を結ぶ横浜市交通局の地下鉄である。
概要
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1972年(昭和47年)12月26日、伊勢佐木長者町駅-上大岡駅間が開業し、横浜市交通局最初の地下鉄路線として開業した。
建設に際して集電方式には第三軌条方式を採用し他社との直通運転は考慮されていなかった。
1976年4月には横浜駅乗り入れと上永谷駅までの延伸を果たした。
開業当時、ブルーラインという名称は使われておらず正式名の1号線(関内駅以南)と3号線(関内駅以北)が直通する形で運行されていた。
なお、乗客への案内に於いては1号線・3号線という呼称や区別はほぼ使われず単にまとめて横浜市営地下鉄と呼ばれていた。1号線と3号線を直通運転するという運転系統しか存在しなかったため事実上1本の地下鉄路線とみなしても乗客側としては利用に関して何ら不都合がなく、逆に区別した所でこれといったメリットもなかった為である。
1985年に新横浜駅~横浜駅ならびに上永谷駅~舞岡駅が開業。その後も延伸を続け1999年に湘南台駅~あざみ野駅間の開業に至った。路線距離は40.4kmとなり、日本の地下鉄としては都営大江戸線に次ぐ距離となっている。
長距離であることから、何度か急行運転の要望が行われていたが、地域間輸送を重視していることやシステムの都合上、見送りとなっていた。しかし、2012年に優等列車の導入を検討開始し、2014年に導入する方針を決定。2015年7月18日のダイヤ改正より「快速」が運行開始した。
地下鉄ではあるが、上永谷駅と新羽駅-センター北駅は高架駅である。
また、横浜市営地下鉄で唯一の横浜市外の駅(湘南台駅)がある路線でもある。
横浜市の中心部を縦断し、路線バスや近郊鉄道との連絡も多く、横浜の幹線交通として機能している。
グリーンライン開業を控えた2006年。1号線と3号線を合わせた路線名称がブルーラインに決定し、2008年のグリーンライン開業と同時に使用され始めた。
1編成は6両で運転されており、湘南台駅からあざみ野駅の所要時間は朝ラッシュ時を除くと約68分、快速で約60分となっている。
現在、あざみ野駅から川崎市の新百合ケ丘駅まで延伸する計画が存在している(後述)。
駅一覧
PASMO・Suica、ならびに全国相互利用サービスのICカード乗車券が利用可。
全駅:神奈川県。あざみ野駅~新百合ヶ丘駅間は計画中である。
●:停車駅、|:通過駅
在籍車両
- 3000A形
3000形1次車。1993年のあざみ野への延伸開業による運用増加分として前年の1992年に落成。ドア上には、LED式の車内旅客案内表示器と路線図式の次駅案内装置を一体化したものが設置されている。先頭車の運転室後部にクロスシートが設置されている。
落成当初は「3000形」と名乗っていたが、ワンマン化改造時に「3000A形」に変更した。今後、3000V形に置き換えられて廃車となる予定。 -
3000N形
- 3000R形
3000形3次車。「R」は「Replace(置き換える)」の略で、1000形を置き換えるために、2004年~2005年に製造された。2004年投入車両までは当初はワンマン非対応であったが、2005年投入車両は最初からワンマン対応で製造されている。 - 3000S形
3000形4次車。「S」は「Satisfaction(満足)」の略。2000形を置き換えるために、2005年に製造された。これは2007年12月から実施されたワンマン運転に全車両が対応できるようにするための措置であった。なお、多くの部品は置き換え対象である2000形から流用されたものである。しかし、この2000形のシステムではブレーキが降雪に対応仕切れない問題があるため、2017年度よりシステムを交換することになった。 - 3000V形
3000形5次車。「V」はローマ数字の「5」。2017年4月9日運転開始。案内表示器はLCDとなった。
当初は既存の3000A形および3000S形が2016年度より大規模改修を行う予定で、予備車を確保する必要性が出たため、1本のみ増備される予定であった。しかし、3000A形が予想以上に老朽化していたことから、3000A形を置き換えることになり、製造本数が増加することになった。2019年度~2022年度にかけて3000A形を置き換える予定である。
これら3000形系列は合計で38本在籍している(2017年現在)。
なお、搭載されている自動放送は当初は西村文江(日本語)、ドナルド・ニタ(英語)であったが、快速運転開始に伴うROM更新で森谷真弓(日本語)、クリステル・チアリ(英語)に差し替えられた。
- 4000形
前述の通り5次車まで製造された3000形に替わる新型車両である。2022年5月2日より営業運転を開始。
これまでのブルーラインの車両の先頭部形状は側面から見て「く」の字形状であったが、4000形では上面から見て「く」の字形状となる。先頭形状は変わるが直線的でくさび状の先頭部が印象的なブルーライン車両の流れを汲む外観デザインとなった。
方向幕は3000V形同様に前面・側面ともフルカラーLEDを採用、車内ではLCD案内表示器が設置される。1両につき3台の防犯カメラを備えセキュリティ面に配慮した。
2022年度に5編成、2023年度に3編成が導入され老朽化した3000A形と置き換えられる予定。
過去の車両
- 1000形
1972年の開業に際して用意された車両。窓の部分だけを青く塗ったデザインが、銀色一色やラインカラーの帯をまとっただけのステンレスカーがアタリマエだった当時、斬新であった。左右非対称の前面デザイン(貫通扉は中央だが、助手側の窓が大きい)もポイント。 - 冷房化や次駅案内の設置など、長年手を入れられつつ市営地下鉄の顔として活躍したが、老朽化とワンマン化により、2006年限りで引退した。廃車時に交通局ホームページ上で輸送料別途での無償譲渡が案内され、保存車が存在するほか、新羽基地で動態保存されている。
- 2000形
1984年の新横浜および舞岡への延伸開業にあわせて登場した車両。1000形と同じ塗装を纏うが、軽量ステンレス車体で角ライトを装備しているのが特徴。
この車両の1段窓が、同時期に製造された国鉄205系に影響を与え、205系も量産車から1段窓になったというエピソードがある。
比較的新しい車両だったが、ドア位置が3000形系列と異なるため、ホームドア導入にあわせて1000形と同時に引退した。台車などは3000S形に流用された。
全車解体され、現存しないが、今も市電保存館で体験できる市営地下鉄のシミュレーターには2000形の運転台が使われている。
実はプラレールになったことがある。2001年に催された市営交通80周年のイベント会場で、プラレールが会場設置のレイアウトを一周するタイムを当てるゲームが催され、これをクリアした来場者にプレゼントされたものである。交通局職員の方の手による自作で、1本作るのに2週間かかったとか。そのため10本しか存在しない。市販の地下鉄電車(営団6000系・当時)改造ではあるが、1段窓、クーラー、ライトなど特徴を捉えた力作。当時のレポートと写真はこちら。(個人サイト)
警笛について
横浜市営地下鉄では、初代の1000形以来「ブーッ!」という独特の電子ホーンが使われている。
これは、港ヨコハマらしく、船の汽笛をイメージしたものといわれる。
かつては駅進入時に必ず鳴らしていたため、利用者にとてもなじみのある音だったが、ホームドア整備に伴い、今では通過の回送列車などでさえ鳴らさないことがある。
しかしなぜか、これと同じ電笛が京王電鉄の各形式にも装備されているため、運がよければ?聞くことができるかもしれない。ドアチャイムも横浜市営地下鉄と同じものになっている。
延伸計画
横浜市営地下鉄ブルーラインには、あざみ野駅から青葉区のすすき野付近まで延伸し、最終的に新百合ヶ丘駅まで延伸する運輸政策審議会答申第18号計画がある。国土交通省ではあざみ野 - すすき野間を2015年度までに開業すべき路線、すすき野 - 新百合ヶ丘間を同年度までに整備に着手すべき路線として挙げているが、横浜市の交通事業の再建問題や、川崎縦貫高速鉄道の存在(一部区間が重複)により難航していた。
その後、川崎縦貫高速鉄道の計画が事実上白紙となったことや、2014年度予算に具体的な調査費を盛り込んだことから、事業化に向けて大きく前進することになった。
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関連項目
外部リンク
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