『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』とは、『機動戦士ガンダムF91』の外伝作品である。
概要
UC.0123年におけるアナハイム社を巡る陰謀により起こる「ゼブラゾーン事件」を描いたストーリーが特徴で、『F91』の冒頭で描写される「フロンティアI襲撃事件」のわずか3週間前に起きた事件を描いておりクロスボーン・バンガードも登場する。
なぜかニコニコでは同作のボスキャラであるバズ・ガレムソンが一部でカルト的な人気を有している。
同じ世界観の別舞台(時期はF91の終了直後)でクラスターガンダムを主役とした漫画も存在し、技術の系譜として後の「クロスボーンガンダム」「ヴィクトリーガンダム」に繋がるニュアンスを感じさせる。
コミック版は電撃レーベルでのやすだひろし氏の連載(Gジェネレーションにはこちらの設定が大半採用されている)の他に休載誌での読み切りと作画が非常にドラゴンボールチックな事でカルト的に有名ではあるもののマイナーな作品である。長らくコミックボンボン増刊号でしか読む事ができなかったが、現在は『ガンダム短編集』第2巻に収録されているため読みやすくなった。ちなみにこちらの作者は電子レンジに入れられたダイナマイトでお馴染み岩村俊哉氏。
機動戦士ガンダムF90 ファステスト・フォーミュラ
ガンダムエースで連載中の本作の第2部にて(時代設定はU.C.115)二十数年ぶりにシルエットフォーミュラの要素に光が当てられ、F90テスト部隊を監視する連邦軍の別部隊が後のシルエットフォーミュラプロジェクト用のデータ収集を目的にしている事が語られており、シルエットフォーミュラで設定されたMSハーディガンの先行試作機が運用されている。
また逆襲のシャア終盤のアクシズショックの模様を描いた26話ではシルエットフォーミュラでGキャノン・マグナに乗っていたカール・シュビッツがギラ・ドーガでアムロといっしょにアクシズを押していた事にされた(この26話は機動戦士ガンダムF90のボッシュやフォーミュラー戦記0122のブラウン・ウッダー、漫画版機動戦士ガンダムクライマックスU.C.のカムナ・タチバナも姿を見せており、F91外伝作品のクロスオーバーとしての側面も持っている。)
続く29話ではメインはロナ家の掘り下げだったが最後にガレムソン本人が登場し、U.C.116年時点で大尉という扱いにされている。また、同じ号に掲載された別の漫画『機動戦士ガンダムF91 プリクエル』において新たなネオガンダムが描かれ、1号機と2号機は「事故で大破」として処理された様子もうかがえる。
登場人物
- トキオ・ランドール(CV:中原茂)
- アナハイムに出向している地球連邦軍パイロット。試験用艦艇ブレイウッドに属し、シルエットフォーミュラプロジェクトのテストパイロットを務める。だが、ゼブラゾーンと呼ばれる宙域で所属不明の部隊(実はクロスボーン・バンガードのダーク・タイガー隊)と接触し武力衝突となったことをきっかけに、その裏で巧まれていた陰謀に巻き込まれていくことになる。
- コロニー出身のお坊ちゃんだが、すでに禁止事項であるジオン残党狩りを嬉々として行う元上官、ガレムソンには激しく反発している。
- 物語開始当初はシルエットガンダムに乗っているが、やがてガレムソン側から奪取したネオガンダム2号機に乗ることになる。
- アイリス・オーランド(CV:深見梨加)
- アナハイム社のシルエットガンダム担当エンジニア。「アイスドール」の異名を持つクールな眼鏡美女だが、二十歳という年齢相応の可愛らしい一面も見せる。幼い頃に父をモビルスーツ試験の事故で亡くしており、血を見ると卒倒してしまうというトラウマを持つ。最終決戦ではトキオが乗るネオガンダム2号機のサブシートに乗り込み、彼の戦闘をサポートする。
- レイラ・ラギオール(CV:原えりこ)
- ゼブラゾーンに隠れ住むネオ・ジオン残党の少女。6年前、ガレムソンに両親を殺されており、トキオたちをガレムソンの一味と勘違いして手持ちのギラ・ドーガで攻撃してきた。事情を知ったトキオたちとは和解し、破損して修繕されたシルエットガンダム改に乗り込むことになる。コミック版ではトキオがネオガンダムに搭乗した為、空席になったシルエットガンダムに乗る(こちらでは目立った破損はしていない)。
- ケビン・フォレスト(CV:難波圭一)
- ブレイウッド所属のMSテストパイロット。正式な軍人ではなく、軍隊を嫌っているがトキオに関しては例外のようである。操縦技術に関しては天才的という設定はあるものの、当初はダーク・タイガー隊との戦いを怖がるなど、あまりパイロットとしての見せ場はない。搭乗機はハーディガン。
- カール・シュビッツ(CV:大川透)
- ブレイウッド所属ののMSテストパイロット。52歳になるベテラン。搭乗機はGキャノン・マグナ。「ガンダムF90FF」において、30年前の第二次ネオ・ジオン抗争時にはギラ・ドーガに乗っており、アクシズを押す試みに参加していたという設定が加えられている。
- シェルフ・シェフィールド(CV:稲葉実)
- クロスボーン・バンガードのMSパイロット。技術試験部隊ダーク・タイガー隊の隊長。「焔の虎」の異名を持つ。厳格だが部下思いの指揮官。「F91」本編のザビーネ・シャルとは竹馬の友である。搭乗機はベルガ・バルス→ビギナ・ゼラ
- バズ・ガレムソン(CV:池田勝)
- トキオの元上官である連邦軍の軍人で大佐。かつて、残党狩りを拒否するトキオを営巣に放り込んだことがある。クロスボーン・バンガードとも通じ、アナハイムがシルエットフォーミュラプロジェクトの裏で進めていた「シークレットフォーミュラプロジェクト」によって開発されたネオガンダム1号機を駆る。同機には、ブッホ・コンツェルンの手になるネオ・サイコミュ・システムを搭載している。
- ネオ・ジオン残党を攻撃しつつ、ブレイウッドの部隊とダーク・タイガー隊を戦わせてクロスボーン・バンガードにデータをもたらすのが目的。最終的には両部隊をも壊滅させての一人勝ちを狙う。
- トキオを自分の陣営に引き入れようとするが、逆にネオガンダム2号機を奪われ、トキオとレイラの共闘の前に敗北、死亡する。詳細は個別記事参照。「ガンダムF90FF」では大尉としてエイジャックスに着任している。
関連動画
関連項目
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