機工城アレキサンダーとは、ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドのレイドコンテンツである。
概要
2.xシーズンの「大迷宮バハムート」の後継といえるレイドコンテンツ。大迷宮バハムート時代から要望があった難易度分けが実施されており、低難度版(通常版)をクリアすることで高難度版(零式)に挑めるようになるため、ライトユーザーでもクエストストーリーを体験することができるようになった。
低難度版は「機工城アレキサンダー:〇〇編」、高難度版は「機工城アレキサンダー零式:〇〇編」という名称になっている。
・起動編 ・・・ パッチ3.01に通常版、3.05に零式が実装
・律動編 ・・・ パッチ3.2に実装
・天動編 ・・・ パッチ3.4に実装
システム
前身の「大迷宮バハムート」と同じく各編は4層構成となっている。
また、同様にパッチの進行に伴い過去実装分には報酬の週ごとの獲得制限の撤廃、難度緩和、超える力の適用などが行われている。
通常版と零式の違いは主に以下のようなものがある。
差異のある箇所 | 通常版 | 零式 |
---|---|---|
コンテンツ進行 | クエストストーリー進行により開放 | 通常版クリア後、特定クエスト受注で開放 |
突入後 | 道中の移動や雑魚戦を経てボス戦 | ボスの前からスタート |
ボスの技・ギミック | 一部が封鎖される | すべて使用 |
勝利報酬 | ・素材系アイテム、ミニオン ・武器/防具との交換用アイテム |
・素材系アイテム、ミニオン、マウント ・武器および防具(現物) ・武器/防具との交換用アイテム ・武器/防具の強化素材 |
ストーリー
イシュガルドでの騒動がひと段落した頃、低地ドラヴァニアで封印されていた地域中央に機械仕掛けの巨大な蛮神「アレキサンダー」が出現した。蛮神を召喚したゴブリン族の一派「青の手」の目的が世界を滅ぼしかねないと知った冒険者は、ガーロンドアイアンワークスの面々や「青の手」の目的を知る謎の女性「ミーデ」らと蛮神内部への潜入を試みる。
コンテンツ内容
これ以降は各コンテンツのネタバレが含まれます。
また、特に断りがない場合、記載内容は実装当時での情報であり、現在の状況とは異なる場合があります。
ここでは主に零式でのコンテンツ内容に触れる。通常版はボスやストーリー、BGM面は同一ではあるものの、零式からフィールドギミックの排除や封鎖がされておりデチューン版とも呼べる内容となっているため差分を説明するに留める。
機工城アレキサンダー零式:起動編
導入編となるコンテンツではあるが、「大迷宮バハムート:真成編」のバランスがヌルすぎというユーザー評判を聞いて開発が本気を出した結果、全層にわたり凶悪なDPSチェックが行われている。
ネ実で攻略勢が散々攻略状況を自慢したあげく、公式発表でフタを開けてみれば4層突破0人、3層突破292人という惨状であり、以降すっかり進行度自慢は鳴りをひそめたという伝説がある。
1層 ファウスト(中ボス) エリア:「フィスト・オブ・ゴルディオス」
ボス前に立ちふさがる中ボス。増援の雑魚が出現する中、一定時間内に倒せなければ問答無用で全滅攻撃を放つ。
それ以外に特に特筆するものもなのでただ殴ればOK・・・と思いきや、要求DPSの高さでノーマル版を突破して妙な自信をつけた準廃プレイヤーを、正面から、小細工無しで、完膚無きに叩きのめす。
零式1層スタート地点がファウストの目の前という漢気、スキルをろくに回せないヤツがいたら全員まとめて門前払いという容赦無さからやりなおしなど、某RPGのマジンガ様のような紳士っぷりから実装初日にユーザー達の心を掴み、ファウスト先生の称号が与えられ、ネタ画像が作られるに至った。
1層 オプレッサー エリア:「フィスト・オブ・ゴルディオス」
ギョロッとした目が特徴の大型ロボット。一定時間が経過すると「オプレッサー・ゼロ」が出現し、2体と戦うことになる。
定期的に上空から超大型ミサイル(着弾時は当然のように即死)が降ってくるが、落着地点にミニマム(小人化)エリアを生成する雑魚的を誘導し倒すことで無力化できる。
落着位置は完全ランダムであるため、雑魚誘導先を素早く手分けしなければいけない。
ノーマル版ではミサイル数が減り、即死しない程度のダメージに抑えられている。
2層 ゴブリン系雑魚多数 エリア:「カフ・オブ・ゴルディオス」
大迷宮バハムート:邂逅編4層を彷彿とさせる雑魚ラッシュ。
フィールドの隅っこにはゴブリウォーカー...通称「タチコマ」と呼ばれる、この層限定のマウントが用意されている。
タチコマは雑魚への弱体付与、スタン付与、敵が設置する即死威力の爆弾をワイヤーアンカーで引き寄せる、自爆するなどができ、タチコマの運用がこの層攻略のカギとなる。
ノーマル版では雑魚の数やタチコマの数やアクションが減らされており、爆弾も即死威力ではなくなっている。
3層 リビングリキッド エリア:「アーム・オブ・ゴルディオス」
吉田P/D「1・2層はある程度の難易度で抑えました。頑張れば希望も見えるし勝ちに行けるという風に。
3・4層に関してはまさに「零式」というレベルの調整にしてあります。」
元ネタはFF5の「リクイドフレイム」、そいつが水の体となって登場。
時間が経過するにつれ、元ネタのように「手型」、「渦型」と姿を変え攻撃パターンが変化していく。
プレイヤーが近づいてはいけない、または近づかなければいけない「マグネット」、
不可視の範囲攻撃を含み、かつ他者と散開位置が重複してはいけない「プロティアンウェイブ」、
ランダムターゲットを含む対象者中心範囲攻撃の「スルース」など綿密な位置調整が必要となる攻撃が多い。
また、各ロールの性能を低下させる受け渡し可能なデバフが付与される「ゆびさき」などもあるため移動させられることが多く攻撃の維持が困難。
にも関わらずDPSチェックである「水量均等化」や足止め担当調整が必要な雑魚フェーズなど、ギミック満載。
のちに特殊攻略が確立された4層とは違い、決定的な攻略が無いため最難関層と評価するプレイヤーも多い。
ノーマル版ではほとんどのギミックで数の減少が行われ、威力も緩和されている。
4層 マニピュレーター エリア:「バーデン・オブ・ゴルディオス」
起動編のトリを飾る大型のボス。1層のオプレッサーにどこか似ている固定設置型の大型ボス。
主に脚を殴ることになるため盛り上がりに欠けると不評。
様々なギミックが登場し、処理ミスで即死の可能性があるのは従来層同様だが、起動4層で最も特徴的であるが「ジャッジメントナイサイ」および「スチームジャッジ」である。
「ジャッジメントナイサイ」はパーティ内2名に付与される強Dotのついた受け渡し可能なデバフであり、大迷宮バハムート:邂逅2層での「アラガンロット」の凶悪版ともいえる。
ノーマル版ではDotに耐えながら他者に移さないようにする、というのが攻略法であったが・・・
零式独自ギミック、「スチームジャッジ」では6つのオブジェクトに対しこのデバフを付与されたプレイヤー以外が接触すると即死となってしまう。(放置すれば全体即死発動)
デバフ受け渡しをしながら攻撃を続ける高難度ギミックとされていたが、現在は仕様上発生する通信ラグを用いてダッシュしながらオブジェクトに接触し、死ぬまでの間にもう1つのオブジェクトに接触することで死者を3人に抑えるというナイサイ無視戦法が考案された。
この方法が主流となったことで4層は比較的安定した攻略が可能となった。
ノーマル版では前述の通りスチームジャッジが存在しないほか、ギミック数や倒す敵の数が減少している。
機工城アレキサンダー零式:律動編
起動零式の凶悪なDPSチェックを一応は反省した開発チームが「DPSチェックを緩めにして代わりにギミックを増やそう」というコンセプトで作成されている。
ボスやギミックの演出が非常に凝っており、ノーマル版であればそれらを存分に楽しむことができる。
零式では複雑なギミック、移動の多さも相まって起動零式と大差無い高難度コンテンツになっている。
1層 ネオファウスト(中ボス) エリア:「フィスト・オブ・ミダース」
起動時代のファウストの悪夢に恐々とする冒険者を迎えたのは、まさかのファウスト先生2体。
しかし成長したILの暴力によって意外と楽に突破・・・と、思いきや撃破後にネオファウスト先生が襲来する。
起動編同様に高いDPSチェックで律動零式の不穏さをキッチリと教えてくれる。
1層 奇才のラットフィンクス エリア:「フィスト・オブ・ミダース」
マッドサイエンティストらしく、定期的に怪しげな薬で筋肉モリモリになる。
なおバフ名は「マッチョサイエンティスト」である。
ギミック用のエネルギーをチャージすることでフィールド四辺に特殊なフィールドが生成され、フィールドに入った者に特殊効果が発生する。それぞれがギミック処理に必須だが、何度も入るとペナルティが発生する。
赤のフィールド | ゴリラに変身する。大型爆弾を遠方に吹っ飛ばすことができる |
紫のフィールド | 鳥に変身する。地震型攻撃を回避することができる |
緑のフィールド | 増援敵による強力な毒を解除することができる |
青のフィールド | 透明になる。特定の敵の狙いから外れることができるが、ボスが入ると攻撃が届かなくなってしまう |
ノーマル版では即死攻撃が無くなったほか、緑・青のフィールドと付随する敵の攻撃が削除されている。
2層 ブラスター&ブロウラー&スィンドラー&ボルテッカー エリア:「カフ・オブ・ミダース」
4体の中ボスとの連戦となる。それぞれが凶悪な即死技持ちであることはもはや様式美である。
しかし何よりも凶悪であるのは制限時間が4体で共通しており連戦中一切休憩ができないことと、全滅した場合は1体目からやり直しという点である。
1体目 ブラスター
使用ジョブの少ない沈黙でしか止まらない全体混乱やステルス化する大ダメージ地雷が脅威だが、一番の特徴は「分身してのランダムターゲット突進」である。出現位置・突進先の誘導に失敗すると一瞬で全滅する。
2体目 ブロウラー
定期的にアタッチメントを切り替え、単体大ダメージ・対象中心範囲・頭割り・距離減衰を繰り出す。装着アタッチメントを判断し即座に対応する必要がある。途中から無敵モードに移行し、増援のエネルギー体を破壊しながらアタッチメント変更に対応しなければいけない。
3体目 スィンドラー
フィールドが浮き沈みし移動先が指定される「ハイト」や、指定プレイヤー2名の周囲に1~4人が集合しなければいけない「カウント」など、他者へのフォローが難しいギミックが多い。
4体目 ボルテッカー
水・氷・雷・風・マグマetcの多彩な攻撃を放つ。それぞれの被弾範囲が広く、さらに「エレメンタルジャミング」で特定攻撃を受けてはいけない状態にされるため、ギミックの決め打ち対処が困難。
対処方法には有力な攻略2種がほぼ同程度に定着しているため、野良パーティでは両方の習得が求められる。
ノーマル版ではいくつのギミックが削除され全滅時も攻略済みのボス以降からの再開となっている。
3層 万能のクイックシンクス エリア:「アーム・オブ・ミダース」
ギミックが目白押しである。2層同様、見ている分には面白い。フィールドは中央と4隅以外にトゲが設置されており、トゲの上では被ダメージが激増する。最大の特徴としてPTメンバーが戦闘になるたびにボスにバフが蓄積され、誰かが1度でも死ぬとそこで詰みとなる。
定期的に線でつながれたプレイヤー・マーカーのついたプレイヤーの2名が拘束される。
マーカーは接触で、線は間に立つことで対象者を交代できる。拘束先の部屋は特定ロールでしか対処ができないため対処担当をすばやく入れ替えなければならない。
赤の拘束部屋 | 移動・アクションを行うごとにダメージを受ける。外部から「錠前」を破壊することで脱出可能 |
紫の拘束部屋 | 内部の敵を倒すことで脱出可能。かなりの高DPSが要求される |
緑の拘束部屋 | 毒の噴出孔があり踏むことで外部への漏出を防ぐことができる。一定時間後に脱出可能 |
白の拘束部屋 | 内部の敵を倒すことで脱出可能。敵はノックバック攻撃を持ち、壁に触れると凍結してしまう |
中盤および終盤にフィールドのトゲが撤去され最大3個の超大型鉄球がフィールド中を転がる。轢かれると即死・・・ではない。めずらしい。
ノーマル版では拘束部屋の対象者は1名のみとなり、死亡時のボスへのバフが削除されている。
4層 ブルートジャスティス エリア:「バーデン・オブ・ミダース」
小型の4足歩行ロボ「オンスローター」との戦闘であり、起動4層同様盛り上がりに欠けると思われていたが・・・?
オンスローターを削り切ると画面外に消え、代わりに律動2層で登場した4体のロボが順に登場し、当然のごとく律動2層でPTを散々全滅に追いやった攻撃を繰り出してくる。すべてを倒すと・・・
オンスローター+律動ロボ4体が合体し、ブルートジャスティスとして70年代ロボットアニメOP風BGMと共に襲い掛かってくる。元ネタはトランスフォーマーの「ブルーティカス」と思われる。合体元のロボの名前もほぼそのまんま。
こんなネタくさいボスではあるが性能とギミックは凶悪の一言。
序盤の分離状態でもDPSチェックを盛り込みつつ、パーティ4名に誘導弾+その誘導弾を1~4回被弾しなければいけないデバフが付与され、アドリブ連携行動が要求されるほか最終盤の「最後の審判」では発動時に「HPがメンバー最大でないと死ぬ」「HPがメンバー最小でないと死ぬ」「デバフを1~3種受けていないと死ぬ」「攻撃を1~4回受けていないと死ぬ」といったデバフを全員が受ける・・・など、ギミック処理の構築が非常に困難。
ラストは零式独自の最終モードに変形し、高ダメージの連打と最後の力を振り絞るPTとの削り合いになる。
ノーマル版では脳トレ系ギミックが軒並み削除され、最終モードへの変形も行わない。
関連動画
BGMの一つである「ローカス~機工城アレキサンダー:起動編~」はNHK総合「ニュースチェック11」の番組テーマソングとして使用された。
関連商品
関連項目
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