櫂トシキとは、TVアニメ「カードファイト!! ヴァンガード」シリーズの登場人物である。
担当声優は、佐藤拓也(日本語版) / Ryan Luhning(英語版)。
合言葉は「イメージしろ」。
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THE 概要
大会にこそ出場しないが、ヴァンガードの腕前は全国でも上位に入るであろう実力を持つ。
数年前は明るく優しい性格の持ち主だったが、再びアイチの前に姿を現した時は、他人を寄せ付けない冷淡な人間になってしまっていた。
後江(ひつえ)高校に通う、高校1年生。誕生日は8月28日の乙女座、血液型はA型。
ヴァンガードファイトにおいて圧倒的な実力を持つが、冷徹で他人にあまり関わろうとせず、大会などには一切出場しないため「孤高のヴァンガードファイター」と呼ばれる。本作におけるもう一人の主人公。
数年前までは明るく優しい性格で、いじめを受けていた先導アイチに『ブラスター・ブレード』を渡して強い自分をイメージするよう諭すようなこともしていたが、引っ越してからのある出来事によって冷淡な性格になってしまう。
詳細はTHE 過去と雀ヶ森レンについてを参照(ネタバレ注意)。
その態度から、学校においても周りの生徒からは話しかけにくいオーラを出していると思われており、引っ越す以前からの親友である三和タイシ以外とは誰とも会話をしていない様子。コミュ障とか言わない。
先導アイチ・戸倉ミサキ・葛木カムイと共に「チームQ4」として戦うことになっても言動は極めて辛辣で、仲間意識も皆無に等しい(それが原因で、全国大会ではカムイの離反を招いた)が、彼女アイチには助言を残したりすることがある。
また、チームQ4とチームカエサルの合同合宿では、光定ケンジと普段より楽しそうにファイトしたり熱いヴァンガード談義を繰り広げたり、カレーに対するこだわりを見せたり、線香花火で遊んだりなど、今までとは違った一面を見せた。チームとしても最初はツン!な行動が多かったが、(ネタバレ反転)アイチをPSYクオリアの暗黒面から救い出してからは、カムイにデッキ構築のアドバイスをしたり、普段の表情も柔らかくなるなど、徐々にデレ!な面を見せている。
基本的にクールな性格ではあるがファイト中、特にファイトが盛り上がってくると自分自身もヒートアップしてゆく傾向が見られ、最終的には熱血キャラなのかクールキャラなのかよくわからない言葉遣いになっていく。「この世の全てのものを焼き尽くす黙示録の炎!」など厨二病全開の口上や、ファイト中に見せる悪い顔から、彼が非常に楽しそうにファイトしているのが窺える。
ちなみに、櫂が作中で『ドラゴニック・オーバーロード』など使用してファイトを楽しんでいるシーンでよく流れているBGMは、「櫂くんの処刑用BGM」としてファンに親しまれている。なお、正式な曲名は「櫂のテーマ」。ただの個人テーマ曲である。
また、少しキザな部分もある。独特な言い回しもそうだが、カードを扱う時は人差指と中指を使ったり、別れの挨拶は「振り向かずに中指と人差指を立ててビシッ」とするなど、日常やファイト中での手の動きもとても個性的である。
特に各シリーズ開始直後の初登場回で、上記のキザな一面およびデレ!をアイチに対して見せることに定評がある。
アイチたちの住む後江町に戻ってきてからは一人暮らしを始める。
度々、公園のベンチで昼寝をしている描写が為されているため「櫂くんの家は公園」「ホームレス」などと(視聴者の間で)噂されてきたが、第1期4thEDにてマンションで暮らしていることが判明する。別荘ではない。
ちなみに、原作者の伊藤彰先生の友人に「櫂俊希(かい・としき)」という人物がおり、ヴァンガードの櫂の命名の元となっていることが原作者から明かされている。
第2期「アジアサーキット編」
「VFサーキット」ソウルステージに、雀ヶ森レン率いる「チームNAL4(ニューエーエルフォー)」のメンバーとして参戦。
他の仲間たちと同様、≪ロイヤルパラディン≫≪シャドウパラディン≫≪かげろう≫の3クランやPSYクオリアに関する全ての記憶、そして4年前アイチに『ブラスター・ブレード』を渡した記憶も失っている。
しかし、自分のクランが変えられた記憶を持つアイチから相談を受け、「ファイトをすれば何かわかるかもしれない」としてファイトを申し込む。最初は違和感を覚えることなくプレイを続けていたが、アイチがグレード2のゴールドパラディンにライドしたのをきっかけ(本来であればロイヤルパラディンの『ブラスター・ブレード』にライドする場合が殆どであるため)に櫂もアイチと自分のクランについて違和感を覚え始め、なおも迷いあるプレイを続けるアイチを叱咤しつつも、アイチの訴えを事実として信じるに至った。
立凪タクトが真実への大きな手掛かりを持っていることを知り、優勝してタクトから自分たちに起こった異変の真相を聞くために、「VFサーキット」への参加を決意。ただし、チームQ4ではなく、チームNAL4の一人としてであった。
唯一真実を共有する櫂が、自分とは別の道を選び、仲間でなく戦うべき相手として突如立ちはだかったことは、アイチに大きな衝撃と戸惑いを与えたが、櫂なりにアイチのことを気に掛けており、言葉少なながらも時にアイチへ助言を与え、自身の道とアイチの道が交差する時が来るのを待っている。
第1期の時点でカレーに対する強いこだわりを見せて既にその片鱗を覗かせていたが、第84話ではコテージの冷蔵庫内に山盛りで置かれていた伊勢海老を見て静かに闘志を燃え上がらせ、視聴者らの期待を裏切ることなく豪華な伊勢海老料理を大量に作り上げた。
第3期「リンクジョーカー編」
後江高校の2年生に進級。同校のヴァンガード部に所属している。他生徒の制服と同様、ネクタイを結ぶようになった。既知であった森川カツミ・井崎ユウタが同校へ進学したことで彼らが後輩に。
今までと変わらずクールな彼ではあるが、子供たちとファイトをしたり、(不器用ながらも)他者と関わりあうようになるなど、全体的に丸くなっている。アイチだけでなく、宮地学園カードファイト部の石田ナオキのことも、荒削りな腕前の初心者ながらも「アイチが導いただけのことはある」としてその実力を認めているようだ。
同時に、自分の力を超えているかもしれないと感じるほど成長したアイチやレンに対しては、劣等感を抱くようになってしまっている。そしてある出来事をきっかけに、彼の運命は思わぬ方向へと進んでいくことになる。
詳細はTHE “最強”への道を参照(ネタバレ注意)。
カレー、伊勢海老と、櫂は過去に食への並々ならぬこだわりを見せてきたが、第118話では宮地学園で開催された文化祭の模擬店で売られている焼きそばのソースにまで反応を示し、視聴者の櫂に対するイメージは更に確かなものへと変わった。
第4期「レギオンメイト編」
リンクジョーカーによる世界侵略騒動が幕を閉じ平和な日常が戻ってきたその数日後、突如として世界から跡形もなく消失してしまった親友のアイチを探すべく、戦いに身を投じる。これにより第4期では主人公となった。YKS!
アイチの存在については当初、櫂のみが記憶しており、他は皆アイチのことを忘れてしまっている。そんな中で、アイチと櫂を繋ぐ絆の証であり二人の分身でもある『ブラスター・ブレード』、そして、アイチのことを思い出し彼に再び会いたいと願う盟友──「メイト」たちと共に、アイチの行方を追うことに。
行方を追う過程で、アイチを追うことに執心していた櫂は、アイチを守る存在「カトルナイツ」、そしてカトルナイツへの意外な協力者に敗れ、遂には『ブラスター・ブレード』さえも失ってしまう。
しかし、己を見つめ直し、「本当の自分でアイチに会いに行く」ことを決意した櫂は、託された「ロイヤルパラディン」ではなく、自らの象徴である「かげろう」のデッキを手に、カトルナイツの本拠地に乗り込んでいくのだった―――。
第3期から比較的丸くなっていた性格・態度は、元々のクールさとファイト中の熱さはそのままに、アイチとのファイトを経て真の絆を得たことにより更に丸みを帯びた。表情も豊かになり、仲間を素直に案ずる一面を見せるまでなっている。
どのくらい丸くなったかと言うと、エミや店長だけでなくあのレンにまで場を辞する挨拶をしたり、ミサキやナオキに謝罪の言葉を述べたり、それを指摘されて思わず頬を染めたり、あのカムイからアイチを探すに当たって「オレたちの先導者(ヴァンガード)だ」と認められたり、次回予告で漫才じみたやりとりを繰り広げたりするくらい。
また、かつては台詞がモノローグだらけだったが、今まで喋ってくれていたアイチが不在のため主人公らしく他者との会話の比率もそれなりに増えているような気がしなくもないかもしれない。
特にアイチに対しては、彼を「親友」と公言して憚らないほど心を開いているが、一方で「親友」という言葉を突然「メイト」などという謎の言葉で言い替えたり単独行動しようとしてしまったりするThis is THE 櫂トシキな一面も相変わらず。
TVアニメシリーズ開始から三年以上経過して初めて、櫂の自宅内部が描かれた。本当に公園が自宅ではなかった。
余談だが、今期における彼の私服姿は「釣り人スタイル」「フィッシングメイト」と視聴者から評判である。
第169話では自宅(※公園ではない)で三和に餡かけ蟹チャーハンを振る舞い、絶賛する彼に対して調理する際のコツを詳らかに伝授した。こうして視聴者はまたひとつ櫂の料理伝説が増えたことを悟ったのだった……。
劇場版アニメパート「ネオンメサイア」
レギオンメイト編クライマックスからエピローグ2話の間に位置するとそこかしこで矛盾だらけになる「ネオンメサイア」にも登場。
後述の男「伊吹コウジ」の出没を知り困惑する中、完全招待制の大会「メサイア・スクランブル」に出場することになる。
また、本作では遂にアイチとタッグを結成、協力して困難に立ち向かうことが明かされている。
キャラクターとしては、レギオンメイト編を乗り越え成長したからか先述のあまりにThis is the 櫂トシキな言動からある程度脱しており、アイチの様子がおかしいことを察して、アイチの悩みを聞きにアイチのへや先導家を訪ねている。
続編(第5期~)「カードファイト!! ヴァンガードG」
4期最終話で、カトルナイツのオリビエ・ガイヤールの誘いを受けヨーロッパに進み大活躍していた彼だが、「ギアースクライシス編」にて再登場。その1話では凱旋門の前に居た。
それ以前のG1期においても、葛木カムイの所持している端末にて櫂との通信記録が存在する。
後に伊吹の話を受け一時帰国。ドラゴンエンパイア支部のGクエストに合わせての帰還であり、GIRSの試験運用で安城マモルとファイトしていた。三和らと共に同クエストのスタッフとして関わる。なお、この際同支部に賄い飯を提供していた。
G作中では、オリビエ・ガイヤール、フィリップ・ネーヴと共にユーロ第一リーグの環境を荒らしていた有名ファイターとなっていた。が、ヴァンガード経歴の浅い新導クロノは彼の事を「知らないの櫂?」知らなかった。
ある夜、全てを失い失意のうちにいた綺場シオンと別荘コインランドリーで出会い・・・。
この時、アジアサーキット編で着用していたジャケットをシオンに置いていっている。
先述の通り、ドラゴンエンパイア支部のGクエストに初回限定の特別ゲストとして参戦。桁違いに討伐ポイントが高い「スペシャルチェイサー」として参戦し、各ファイターたちの前に立ちはだかることになる。
彼ら「チェイサー」に負けると一時的に失格者として移動させられてしまうため、各ファイターたちの中で最大の障害として東京下町を闊歩していた。
元々彼はスターゲート支部のGクエストに参加するために帰国しており、平常時は同支部のGクエストにてリンクジョーカーのクランリーダーである伊吹と二枚看板をしている。二人のうちいずれかに勝てば10ポイント、両方に負けると1ポイントだが、双方強すぎて敗北時の1ポイントしか貰えず、ファイター離れを招いている(無論これはスターゲート支部の責任が強い)。
ドラゴンエンパイア支部ではシオンと戦うことのなかった櫂だが、「スターゲートで待つ」という言葉通りスターゲート支部で再戦。やはりシオンを下したものの、十二分に手ごたえを感じていた。
そして、Gクエストを最大得点でクリアしたチーム・トライスリーの前に、何年ぶりになるか、「チームQ4」として立ちはだかる。トライスリーが明神リューズを追うための、レジェンドファイター最後の関門として、これまでのシオンの成長を見極める為立ちはだかる。
直後のリューズ・ラボ突入にも助力。リューズの死後、再びユーロリーグへと戻っていった。
通算第8期「GNEXT」においても登場。第一リーグに昇格したハイメ・アルカラス同様オフシーズンであり、アイチの帰国に合わせ彼も帰国している。
作中の大会「U20チャンピオンシップ」の裏で蠢く陰謀を知るため、立凪タクトの兄である立凪ノームのもとを訪れる。そこでかつて自身が招いた脅威である《星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン》が再び騒動に関わっていると知り、被害を受けたチーム新ニッポンのメンバーである西沢アラタ・浅田マコトの二人に接触し、独自に行動を開始する。
カオスブレイカーに肉体を奪われ、傀儡と化した星崎ノアを追って、シンガポールや香港と、各地を回っているが、カオスブレイカーと対面することは叶わなかった。しかし、カオスブレイカーが日本に戻るという情報を掴んだ結果、それを受けた伊吹が神崎ユウイチロウの元に滑り込みで駆け付け、神崎がレリクスの使徒と化すのを阻止することができた。
漫画版
アイチとの出会いやレンとの確執関係を含めた大まかな流れはアニメ版とほぼ共通だが、異なる部分も多く存在する。
アニメ版の櫂と区別するためか、ファンからは「櫂くんさん」「くんさん」という愛称で呼ばれることがある。
- 性格
- ビジュアル
- 後江町を離れた理由
- チーム・フーファイター
- レン・テツ・櫂の3人によるヴァンガード同好会を発端としたチームではなく、カードギャングの集団という設定のため、レンとの出会い方や関係性もアニメ版に比べて些か殺伐としたものとなっている。
ただし、レンが櫂の持つ圧倒的な強さに憧れ、それゆえにPSYクオリアに覚醒した点は、アニメ版と同様である。 - 櫂の身の上だけでなく、櫂とレンの交流および確執の存在についても、三和は当初から把握しているようだ。
- ただし、アイチが高校生になった時には既にある程度和解しているらしく、レンが不穏な事件に巻き込まれた際、レンとテツが櫂の自宅に勝手に押しかけ泊まり、櫂とテツの二人で餃子を作っている場面が見られる。媒体が違おうと料理伝説再び。餃子特集のある月刊ブシロード連載時だからか?
- レン・テツ・櫂の3人によるヴァンガード同好会を発端としたチームではなく、カードギャングの集団という設定のため、レンとの出会い方や関係性もアニメ版に比べて些か殺伐としたものとなっている。
また、櫂(および三和)がヴァンガードを始めるきっかけを作った人物として「伊吹コウジ」という漫画版オリジナルキャラクターがいる。アニメでも後に伊吹が劇場版「ネオンメサイア」に登場、漫画版より先に遭遇・激突している。
特徴的なセリフ
- 「イメージしろ」
- 「……そんなんじゃない」
- 「スタンドアップ・THE・ヴァンガード!!」
- 「イメージできたようだな。そうだ、これがヴァンガードだ!」
- 「イメージはお前の力になるんだぜ!!」 (※回想)
- 「お前の勝手なイメージを押し付けるな!」
- 「これが俺の本当の姿だ。ライド・THE・ヴァンガード!
この世の全てのものを焼き尽くす黙示録の炎! ドラゴニック・オーバーロード!!」 - 「今のお前に俺と戦う価値などない」
- 「さあ、フィナーレだ……」
- 「ファイナルターン!!」
- 「お前の力ではまだあいつらには勝てない。────まだ、な……」
- 「飴色に炒めた玉葱はルーにコクを与える」
- 「ま、頑張れ……」
- 「イメージに縛られるな!」
- 「俺がお前の限界を突き破ってやる」
- 「俺は俺の道を通って奴のところに行く。お前はお前の道を行け。そして俺たちの道が交差したら──」
- 「これは…俺に対する挑戦か?」 (※合宿先で用意された食材を前にした調理宣言)
- 「封印の檻を突き破り降臨せよ、雷の化身! ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン!!」
- 「全てを瞬時に貫く高速の雷、終末の時を告げる稲妻。 ヴァーミリオン・サンダーボルト!!」
- 「さらなる限界を突き破れ。ブレイク! オーバー・THE・リミット!!」
- 「クロスライド・THE・ヴァンガード!
白き翼を銀の剣に、天空のドラゴン! ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン“THE BLOOD”!!」 - 「虚無の力に魂を売り、ファイターの道を踏み外し──駒に成り下がったお前とは違う!」
- 「“THE BLOOD”、アルティメットブレイク!」
- 「天空の裁き、ヴァーミリオン・カタストロフ!」
- 「見せてやる……本当のなるかみを!」
- 「いいソースを使っている」
- 「今の俺には遠すぎるんだ……。レンも、アイチも……」
- 「お前は強いのか」
- 「お前は俺に永遠に呪縛(ロック)される」
- 「全てを焼き尽くす煉獄の炎の前に再び蘇る──再誕! 炎の最強竜!
クロスブレイクライド! ドラゴニック・オーバーロード “The Яe-birth”!!」 - 「エターナル・フレイム・リバース!!」
- 「これで、全てを終わらせる。お前との関係も、何もかも……!!」
- 「友として、ライバルとして、互いに競い合って、高め合って……これからもずっと」
- 「立ち上がれ、俺の分身! 俺の魂の中にいる真の友、『メイト』よ!
ライド・THE・ヴァンガード! ブラスター・ブレード!!」 - 「イメージはお前を裏切らない!」
- 「イメージは終わらない!」
- 「忘却の絶望の中に伸びる一筋の光。暗闇の中でメイトと俺を繋ぐ勇気という名の光! シーク・THE・メイト!!
並び立て、我が魂の分身! 双闘(レギオン)!!」 - 「餡かけ蟹チャーハンで大事なのは、チャーハンの味付けを控えめにすること、
そして、餡の水気を抑えてとろみをしっかり付けることだ」 - 「俺はこれ以上、お前たちを傷つけたくない。傷つくのは俺一人で十分だ」
- 「頼む。一緒に戦ってくれ……!!」
- 「渦巻く煉獄の炎で、荒ぶる魂を焼き払え! トリニティ・クリムゾン・フレイム!」
- 「ワン! ツー! ―――そして三つ目の炎、クリムゾン・フレイム!」※悪い顔!
- 「煉獄の灼熱に焼かれ、幾度も幾度も蘇る帝国の竜王よ! 炎の中で奮い立て、俺の分身!
煉獄皇竜 ドラゴニック・オーバーロード・ザ・グレート!!」 - 「自らが犠牲になれたのに、“俺が犠牲になる”のは耐えられないのか? アイチ・・・」
- 「もしも今、お前の苦しみが消せるなら! 俺は喜んで自らの身を差し出す覚悟がある!」
- 「世界を滅ぼす者よ! 寛容と覚悟によって受け入れられ、滅ぼさんとする世界の一員となれ!!」
ヴァンガードG
- 「イメージしろ」
- 「ドラゴニック・カイザー・クリムゾンよ! 盟友ヴァーミリオンと共に放て、黙示録の雷! 双闘!!」
- 「お前のイメージは見せてもらった。だが―――ファイナルターン!!」
- 「遍く大地に光あれ、闇を切り裂く雷の狂乱! ストライド・THE・ジェネレーション! 征天覇竜 ドラゴニック・カイザー・ワーニング!!」
- 「綺場シオン・・・いつでも相手になってやる」
- 「奴ならば―――いや、奴等なら、お前の思惑すら超えていくかもしれないな」
- 「よくやった」
漫画版
ご覧の通り、横文字をよく使う。第7話ではカムイに「何が『THE』だ、カッコつけやがって!」と言われてしまった。
一方で雀ヶ森レンや石田ナオキは「THE」のカッコよさを肯定的に受け止めている。
この「THE」はヴァンガードを教わった伊吹コウジから伝染したものである。
THE デッキ構成
フレイムドラゴンの一族を中心とする、国家ドラゴン・エンパイアの航空攻撃部隊≪かげろう≫で構成されたデッキ。
竜をモチーフとしたユニットが多い。また、『ドラゴニック・オーバーロード』のように武器を持った竜も存在する。
相手リアガードを除去することに長けたクラン。そのコストとしてカウンターブラストが必要なユニットが多いため、ファイト序盤は防御をあまり考えずにダメージを受け、『ドラゴニック・オーバーロード』や『ブレイジングフレア・ドラゴン』等の高グレードユニットにライド・準備が整い次第、その強力な効果で相手リアガードを壊滅に追い込んでから一方的に殴り勝つのが基本戦術。
また、作中で一度だけ、アイチの所持していたものをベースにした≪ロイヤルパラディン≫のデッキで戦う。
四年前にアイチと出会い、彼に『ブラスター・ブレード』を譲り渡すまでは≪ロイヤルパラディン≫を使用していた。
よく使用するカード・THE 切り札
- ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド
- デュアルアクス・アークドラゴン
- ブレイジングフレア・ドラゴン
- ボーテックス・ドラゴン
- ドラゴニック・オーバーロード
- ドラゴンナイト ネハーレン
- 鎧の化身 バー
- 槍の化身 ター
- アルフレッド・アーリー
第2期「アジアサーキット編」
謎の勢力により≪かげろう≫の英雄たちが封印されてしまったため、かげろうに代わるドラゴン・エンパイアの第一強襲部隊となった≪なるかみ≫で構成されたデッキを使用する。
かげろうを炎の竜とするならば、なるかみは雷の竜といったところか。
相手ヴァンガードへの攻撃に特化したクラン。相手前列のリアガードを除去する能力、インターセプトを封じる能力によって、相手ヴァンガードに雷を落とすかのようなイメージで展開していく。
よく使用するカード・THE 切り札(第2期)
第3期「リンクジョーカー編」
第2期と同じく≪なるかみ≫で構成されたデッキを使用するが、「抹消者(イレイザー)」の名を冠したユニットを中心としたデッキになっている。石田ナオキと同様だが、軸となるカードが異なり、第2期までと同様になるかみの特色を生かしながら、『抹消者 ドラゴニック・ディセンダント』の再スタンド能力を利用して更に激しく攻めていく。
能力の発動条件に「抹消者」を指定するカードが多数存在するため、デッキ内容はほぼ「抹消者」で固まってしまうが、それらの効果は従来のユニットよりも非常に強力である。
中盤から≪リンクジョーカー≫で構成されたデッキを使用するようになる。「星輝兵(スターベイダー)」の名を冠したユニットを中核としたデッキ構成になっている。
一時的に相手のリアガードの全ての行動を封じる新たな能力「呪縛(ロック)」を最たる特徴とし、相手のリアガードを呪縛して妨害することを得意とするクランである。 相手リアガードに対する呪縛による確実なアタックの制限を活かし、相手とのアタックの質と量の差を確実に広げて戦うのが基本戦術となる。
終盤では、第1期を最後に使用描写の無かった≪かげろう≫に使用クランを戻して戦う。デッキは「オーバーロード」の名を冠した2種類のユニットを軸にした構築となっている。
櫂の象徴とも言うべきユニット『ドラゴニック・オーバーロード』も健在で、新規と既存、両方の絵柄の『オーバーロード』を入れている。新生『ドラゴニック・オーバーロード』はブレイクライド能力を有しており、従来と同様かげろうの特色である相手リアガードの除去に加え、『ドラゴニック・オーバーロード “The Яe-birth”』へのクロスブレイクライド・リミットブレイクによって得られる怒濤の再スタンド能力「エターナル・フレイム・リバース」で一気に相手を追い詰める戦術を採る。
よく使用するカード・THE 切り札(第3期)
- 抹消者 ドラゴニック・ディセンダント
- 抹消者 ボーイングソード・ドラゴン
- 星輝兵 ネビュラロード・ドラゴン
- 星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン
- ドラゴニック・オーバーロード
- ドラゴニック・オーバーロード “The Яe-birth”
第4期「レギオンメイト編」以降
前半は「探索者(シーカー)」の名を冠する≪ロイヤルパラディン≫で構成されたデッキを使用する。
構築は、トライアルデッキ『希望の探索者』が基盤となっている。また、過去のアイチと同じく、第3期終盤でアイチと櫂、二人の分身という立ち位置になった『ブラスター・ブレード・探索者』を必ずデッキに入れている。
“絆”をテーマにした、リアガードの様々なスペリオルコールやパワーアップによって自陣を強化することに長けたクラン。
第1期でアイチが使っていたクランであり、立ち回りとしても基本的にはかつてのアイチ、そして闇に呑まれたアイチを救い出す際に自身が一度だけ使った時と同様、上述のクラン特性に沿ったものである。その様は、第3期終盤でアイチとのファイトを経て自分が独りではないこと、仲間の大切さを知った櫂の心の有り様を象徴するかのようだ。
先述の通り『ブラスター・ブレード』を失ってからは、彼本来のデッキである≪かげろう≫のデッキを手にすることになる。
ロイヤルパラディンが櫂の心の有り様の変化を表しているならば、かげろうは「自らの知った大切なものを奪おうとする理不尽を焼き払う」強い意思と力を示す超攻撃的なデッキである。
レギオンメイト編の使用デッキは、「煉獄」の名称を持ったカード達であり、「リアガードの列」を指定して効果を発揮するカードが多いのが特徴である。
最後の切り札として『煉獄皇竜 ドラゴニック・オーバーロード・ザ・グレート』を使用。
劇場版アニメパート「ネオンメサイア」ではこの時のデッキが彼の分身として用いられている他、カードキャピタルでは互いに第1期のデッキでアイチとファイトしていた。
ヴァンガードG・ギアースクライシス編で再登場し、安城マモルと戦っていた際も変わらず用いられている。省略ファイトとはいえ、双闘使いの中で初めて作中勝利を飾っている。
一方、「櫂トシキvs綺場シオン」において何戦もしているが、失われたЯユニットと、第1期版オーバーロード以外の全てのドラゴニック・オーバーロードを披露している。何デッキか所持しているのか、或いは全部乗せか・・・?
スターゲート支部のGクエストにおいては再び≪なるかみ≫を使用。同支部で一貫して使っているかは不明。
こちらではメインファイトの中で明確に双闘を披露しており、「カイザー」名称にて強化された「ヴァーミリオン」軸でシオンを下した。
そして、ファイナルステージでは再び≪かげろう≫を以てシオンに立ちはだかる。新たな「オーバーロード」と共に。
よく使用するカード・THE 切り札(第4期~)
- ブラスター・ブレード・探索者
- 探索者 シングセイバー・ドラゴン
- 探索者 セイクリッド・ういんがる
- 煉獄竜 ボーテックス・ドラゴニュート
- 煉獄皇竜 ドラゴニック・オーバーロード・ザ・グレート
- ドラゴニック・オーバーロード
- ドラゴニック・オーバーロード “The X”
- ドラゴニック・オーバーロード “The Legend”
- 覇天皇竜 ドラゴニック・オーバーロード “The Ace”
- 超越神龍 ヌーベルバーグ・レクスプレス
- 槍の化身 ター
- ドラゴニック・カイザー・クリムゾン
- 征天覇竜 ドラゴニック・カイザー・ワーニング
漫画版
アニメ第1期と同じく≪かげろう≫で構成されたデッキを使用する。基本戦術もアニメ版とほぼ同様であるが、アニメ版では存在しない漫画版オリジナルのユニットも多数使用している。
中でも『超越龍 ドラゴニック・ヌーベルバーグ』は、ヴァンガードにおける初のグレード4本格参戦ユニット(厳密には、グレード4自体の存在はこのユニットが初ではない)であり、三和曰く「対PSYクオリア用のカード」。正式名称は先述の通りだが、漫画内では「超越龍」の名称はカード名に含まれておらず、単純に『ドラゴニック・ヌーベルバーグ』表記となっている。
これらのユニットは、EXブースターパック『創世の竜神』(好評発売中)にて入手できる。
櫂が使用する漫画版オリジナルのユニットを中心に収録しており、今のところ唯一のかげろう単一収録ブースターパックである。『ドラゴニック・オーバーロード』なども再録されている。
高校生編では漫画初の双闘を行っている。使用カードは先述の『煉獄皇竜 ドラゴニック・オーバーロード・ザ・グレート』を意識した『ドラゴニック・オーバーロード・ザ・グレート』。デザインはほぼ同一だが効果が一部異なっている。
アイチと出会う前、櫂がヴァンガードを始めたばかりの頃は≪ロイヤルパラディン≫を使用していた。
当時の伊吹コウジとの対戦時、『ブラスター・ブレード・バースト』という漫画オリジナルの「ブラスター」を使用している。
よく使用するカード・THE 切り札(漫画版)
- ドラゴニック・オーバーロード
- ドラゴニック・ウォーターフォウル
- 超越龍 ドラゴニック・ヌーベルバーグ
- ブラスター・ブレード・バースト(回想のみ)
- ドラゴニック・オーバーロード・ザ・グレート
THE 戦績
アニメ本編で勝敗がはっきり描かれている対戦成績のみを挙げる。
通算戦績は、45戦37勝8敗(第194話公開現在)。
対戦相手 | 勝敗数 | 話数 |
先導アイチ | 3勝2敗 |
●第1話-第2話 ○第193話-第194話 |
森川カツミ | 2勝0敗 | ◎第1話 |
葛木カムイ | 3勝1敗 | ○第7話 ○第13話 ○第80話 ●第171話 |
藤野 | 1勝0敗 | ○第10話 |
稲葉カズキ | 1勝0敗 | ○第10話 |
戸倉ミサキ | 2勝0敗 | ○第12話 ○第165話 |
黒崎ライト | 1勝0敗 | ○第17話 |
柔道・巴 | 1勝0敗 | ○第18話 |
メスシリンダー田中 | 1勝0敗 | ○第18話 |
小松原カオル | 1勝0敗 | ○第20話 |
キックのシュウ | 1勝0敗 | ○第29話 |
矢作キョウ | 2勝0敗 | ○第30話 ○第77話 |
光定ケンジ | 2勝0敗 | ○第34話 ○第135話 |
金歯の銀銅 | 1勝0敗 | ○第36話 |
六月ジュン | 1勝0敗 | ○第36話 |
ビーカー鈴木 | 1勝0敗 | ○第40話 |
コーリン | 1勝1敗 | ○第44話 ●第177話 ![]() |
新城テツ | 2勝0敗 | ○第49話 ※ ○第129話 |
雀ヶ森レン | 2勝1敗 | ●第57話-第58話 ○第158話-第159話 ○第175話 |
臼井ガイ | 1勝0敗 | ○第82話 |
三和タイシ | 3勝0敗 | ○第85話 ○第147話 ○第167話 |
蒼龍レオン | 0勝2敗 |
●第178話 |
石田ナオキ | 1勝0敗 | ○第110話 |
小茂井シンゴ | 1勝0敗 | ○第120話 |
オリビエ・ガイヤール | 2勝1敗 |
○192話 |
ファイト回数の多さもさることながら勝率も全登場人物中トップクラスの高さであり、大半のファイトで相手を圧倒し勝利を奪っている。作中における「孤高のヴァンガードファイター」「最強のファイター」という通り名に恥じない戦績である。その一方で第1~3期においては、絶対に負けられない相手との、ここぞという時のファイトで負けてしまう噛ませ犬・前座のようなポジションに収まってしまってもいる。
特に、“Я”していない時は格上の人間に対して勝利できておらず、レギオンメイト編前半ではさらに黒星を増やしてしまっているが・・・。
また、ファイト自体の細かい描写がされながら主に中断などの理由で勝敗の着かなかったファイトが多めであるのも、彼の特徴かもしれない(第164話公開時点で計4戦存在する)。
THE 過去と雀ヶ森レンについて
櫂トシキは4年前に両親を事故で喪い、叔父の家に引き取られる形で転校していた。
そうして移住先の街の学校で、当時同じクラスにいた雀ヶ森レンと出会う。
レンはこの時から新城テツと共にチーム・フーファイターを結成し、3人目のファイターを探していた。そんな折、転入してきた櫂にチームに入らないかと誘い、櫂もこれを承諾する。
チーム・フーファイターとして2人と過ごす日々は櫂に、両親を亡くしたことで失いかけていた明るさを取り戻させ、笑いの絶えない楽しい時間を与えていた。
────レンがPSYクオリアにより豹変するまでは。
所々抜けていて突拍子もない言動で笑わせたりすることはあれ、穏やかな性格をしていたレンがテツを見下し、尊大で挑発的な態度を取るようになったことに櫂は戸惑った。「カードの声が聞こえる」という力も理解できず、ただ1つ「レンが変わってしまった」ということしかわからなかった。
やがて、フーファイター本部のビルの建設に乗り出し自分の理想を語るレンに、櫂は反発し、ファイトを申し込む。
しかし、目の当たりにしたPSYクオリアの力に圧倒されるしかなく、レンを止めることはできなかった(ちなみにこの時のファイトの勝敗は明確についていない)。
そしてこのファイトを契機に、櫂はチーム・フーファイターを離脱したのである。
やがて季節が巡って櫂は後江町へ戻り、幼馴染の三和タイシと同じ後江高校に入学して一人暮らしを始めた。
だが、レンを止められずに逃げたこと、そして自分自身の弱さに対する苛立ちは、未だ心に重くのしかかっていた。
このように、櫂トシキがひたすら強さを求めるようになったのは、PSYクオリアで変わってしまった雀ヶ森レンに勝てず、逃げたことに対する後悔と、弱かった当時の自分自身への苛立ちから。
第2話で「櫂は非道い人間ではない」という先導アイチに対して「お前の勝手なイメージを押し付けるな!」と激昂したのも恐らく、単にイメージを押し付けられるのを嫌っているからというだけでなく、変わったレンから逃げた自分が良い人間であるわけがないと考えているためだと思われる。
しかし、かつて『ブラスター・ブレード』を渡した少年であったアイチとのファイトを通じて、ヴァンガードとは本来"楽しいもの"だと思い出したこと、そしてレンと同じくPSYクオリアに目覚めその力に溺れてしまったアイチを自分の力で救い出したことで「自分はもうPSYクオリアの力に屈するしかなかったあの頃とは違う。今度こそレンを元に戻せる」と確信。
第57話、秋の全国大会準決勝終了後、一人フーファイター本部のビルに乗り込みレンと対峙し、ヴァンガードを純粋に楽しんでいた頃の心を取り戻させるべく、再び彼にファイトを申し込んだ。
一進一退の攻防の中で櫂は、新たな切り札『ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド』にクロスライド。
更にペルソナブラストを発動させるが、レンの素顔を覆うPSYクオリアの仮面を打ち砕くには至らず、逆に直後のターンでレンに『ファントム・ブラスター・オーバーロード』にクロスライドされ、そしてペルソナブラストを受け、勝負を決められてしまう。
これによりアニメで櫂は初めて、実力を出し切ったにも拘らずファイトで事実上の敗北を喫したのである。
再びレンを元に戻すことが叶わなかったどころか、数年前とは違い明確な敗北をしたこと、何よりファイト後レンに言われた言葉の数々を受け、櫂はこみ上げる悔しさを抑え切れず顔を歪ませ、膝をついた。
ちなみに最後のトリガーチェックで出たカードは4枚目の『ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド』であった。
皮肉にも、レンとPSYクオリアの因縁に終焉をもたらすために手に入れた切り札は、同時に櫂トシキと雀ヶ森レンの関係の終焉を表す象徴にもなってしまったと言える。
THE “最強”への道
第127話にて虚無の力“ヴォイド”の代理人となったイチゴガム立凪タクトにより、全てのリバースファイターの始祖たる存在“ファーストリバースファイター”として狙われる。野望を阻止すべくタクトとファイトするも苦戦。
翌週の第128話において、自分が本当に望むファイトは「強い友に勝つ」ことだという本心を暴かれ、今のままでは彼らに勝つことができない不安と、タクトによる言葉巧みな誘いから、アイチとファイトするイメージの中でリンクジョーカーを使用してしまう。それにより今まで自分自身の力と強さに価値を置いていた櫂の信念は、櫂自身の手で殺されてしまい、櫂はファーストリバースファイターとして自分を超えた存在にリバースしてしまうことになった。
リバース後は、新城テツ・光定ケンジら高い実力を持つファイターをリバースさせたのち国外へ飛び立ち、世界中でリバースファイターを増やして、日本へ帰還。帰国後には、櫂を止めようとやって来た親友の三和タイシをリバースさせ、来るべきアイチとのファイトの時を待つ。
そして第153話、蒼龍レオンのアイチへの叱咤・リバースした三和の思惑などもあり、遂にアイチと対峙する。
互いに引けない想いを抱え、熾烈なファイトを展開する櫂とアイチ。リンクジョーカーに囚われているだけだと信じて櫂を元に戻そうとするアイチを、しかし櫂は意にも介さず、リンクジョーカーの力で圧倒していく。
やがて、勝利を確信した櫂が告げる──「ファイナルターン。そしてこれがおまえとの、ファイナルファイトだ」。
戦いの果てに、櫂はアイチを降す。そして、PSYクオリアという特殊な力も、“光”と“影”どちらの自分も受け入れて“本当の強さ”を手にし、櫂だけでなく世界をも救おうと今やすべてを背負ったアイチ──そんな彼を完膚なきまでにねじ伏せ打ち破ったことで、自身が、信念を捻じ曲げすべてを捨ててリンクジョーカーという禁忌の力を選んでしまうまでに焦がれたアイチの“強さ”を超えたことを確信。
「さらばだ、アイチ」
「俺が囚われていたのは(リンクジョーカーではなく)おまえだ。だがそれも終わる──おまえのリバースと共に」
二人の想いが交わることはなく、櫂は、アイチに完全なる決別を言い渡して背を向けたのだった。
余談であるが、二人の決別が描かれた第154話はちょうど第3期の50話目に当たり、第1期で櫂がアイチを闇から救い出した第50話とは対照的な結末を迎えた。
このファイトで櫂とアイチが切り札として出したヴァンガードユニットは、それぞれ『星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン』と『絆の解放者 ガンスロッド・ゼニス』。5年前、櫂がアイチに与えた1枚の『ブラスター・ブレード』から始まった二人の“絆”は、リンクジョーカーによって“破壊”される形で終焉を迎えてしまった。
同時に、櫂とアイチのこの結末は、かつて櫂が雀ヶ森レンとPSYクオリアの因縁に終焉をもたらす決意の下全力で戦いながらも敗北を喫し、皮肉にも終焉を迎えたレンと櫂の関係(THE 過去と雀ヶ森レンについて参照)も彷彿とさせる。
そして、アイチとのファイトでリンクジョーカーの力を完全に自分の物としたことを実感した櫂は、リンクジョーカーのデッキを捨てて再びかげろう──新生『ドラゴニック・オーバーロード』と『ドラゴニック・オーバーロード “The Яe-birth”』を手にし、最も倒したいと思える最高のライバルであるレンとの因縁の戦いに身を投じる。
真に“最強”となるため、何より、かつてPSYクオリアの力に溺れていた彼を元に戻すべく挑んだ時のような、全力でぶつかり合うファイトをするために──。
しかし、騒動が終結して数年。ファーストリバースファイターとして櫂が使用していた一体『星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン』の更なる暗躍を知り、今度は櫂自らが彼ら新たな脅威と対峙することになる。
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