阪神武庫川線とは、阪神電鉄の路線。営業キロ1.7kmの盲腸線。西宮市しか通らない。
概要
最高速度が45km/hに制限されているので、線内の信号機には青色灯が存在しない特殊仕様。
線内折り返しの運用。線内には車庫がないので、阪神本線とは線路が繋がっている。
沿革
もとは太平洋戦争中に、武庫川河口近くの臨海部にあった軍需工場へ物資と労働者を運ぶための戦時急造路線として作られた。
そのため、武庫川から現在のJR甲子園口を経て西宮までは国鉄(鉄道省)の線路がつながっており、貨物を国鉄、旅客を阪神が担当するために、武庫川(正確にはもう少し北の阪神国道武庫大橋)から当時の終端部までは標準軌と狭軌の三線軌道となっている特殊な路線であった。
終戦後10年程たって貨物輸送は廃止され、阪神の電車運転も終戦後まもなくの休止を経て現在の武庫川~洲崎までに短縮された。こうして都会の中を単行の電車が往復するひなびたローカル線が存在することになった。当初は阪神の軌道線用路面電車や、旧式の小型電車が使用されていた。しかし、阪神線が本線ともども架線昇圧され1500V化されるにあたり、本来特急・急行用の「赤胴車」の増結用である3301形が導入された。これにより、ローカル線にもかかわらず「赤胴車」の走る線として、彼らの引退まで活躍の舞台となるのである。
しばらくは3301形1両が行ったり来たりする絵に描いたようなローカル線の姿を保ち、洲崎駅からは先は三線軌道の線路が使用されぬまま残っているなど、非常に風情の溢れた光景が実に1980年代半ばまであった。
1984年に沿線に新たに開発された武庫川団地(レインボータウン)の通勤需要に応えるため、団地の付近まで延伸することになった。同時に途中駅の東鳴尾に交換設備が設けられた。延伸の工事費と車両増備費は当時の日本住宅公団(現UR)が負担し、本線に新型車両8000系を投入して7861形-7961形の「赤胴車」2両編成を転用することになった。
1984年4月に延伸開業。後に3901形ベースの改造車、7990形-7890形の一編成も加わり、期せずして当線は長年阪神の花形であった「赤胴車」の終の棲家となる。
2020年6月、ついに彼らも5500系改造の2両編成4本に置き換えられることになり、「赤胴車」の歴史は終焉することになった。最後まで活躍した7890形1両が武庫川団地内で2021年2月以降静態保存された。なお5500系はジェットカー加速(加速度4.0)のままなので導入当初45キロしか出せないのに11~2秒でその線内最高速度に達する状態であった(後にフルノッチ入れずに走らせるようになった。)
路線図
東鳴尾駅と洲先駅は無人駅なので、両駅間の移動の際には運転士が切符を発売する。
駅番号 | 駅名 | 駅員配置 | 営業キロ(駅間) | ■のりかえ○周辺施設 |
HS 12 | 武庫川駅 | ○ | 0.0(-) | ■阪神電鉄:本線 ○兵庫医科大学病院 ○スーパーセンタートライアル武庫川店 |
HS 53 | 東鳴尾駅 | × | 0.7(0.7) | ○甲子園バッティングセンター |
HS 52 | 洲先駅 | × | 1.1(0.4) | ○ |
HS 51 | 武庫川団地前駅 | ○ | 1.7(0.6) | ○マックスバリュ西宮上田店 ○武庫川団地 |
関連動画
- 1
- 0pt