武満徹(1930~1996)とは、日本の現代音楽に属する作曲家である。
概要
戦後日本の代表的な作曲家であり、日本のクラシック音楽家としてはまず一番に紹介される代表的な存在である。西洋の古典派・ロマン派に関心が向きがちだった楽壇にあって、独自の作風を打ち出した人物であった。
14歳の時初めて西欧音楽に触れ、第2次世界大戦後は進駐軍のラジオを通して、ドビュッシーやメシアンといった作品に耳を傾け、独学で作曲技法を身に着けた。
1960年代から頭角を現し始めた、松村禎三、湯浅譲二、三善晃、石井真木ら欧米の実験音楽の受容を通して独自の個性的な作風を表した世代の作曲家の一人となった。その活動初期からストラヴィンスキーなどにその才を認められていたが、ジョン・ケージとの出会いが武満徹を邦楽への関心に向かわせる。代表曲である琵琶と尺八とオーケストラのための『ノーヴェンバー・ステップ』は、トーン・クラスターや弦楽器の打楽器的な奏法による騒音的な響きを用い、邦楽器と洋楽器を違和感なく合わせることに成功している。
彼らの世代は1970年代の大阪万博で絶頂となり、やがて欧米の現代音楽と軌を一にしたミニマル・ミュージックや新しい単純性といった世代の作曲家に世代交代していく。しかし1994年にグロマイヤー賞を受賞するなど、死の間際まで武満徹の活躍は続いていったのである。
また伊福部昭同様映画音楽にも着手しており、大島渚の『愛の亡霊』、黒澤明の『乱』といった作品の楽曲を作っている。
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関連項目
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