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武田翔太(たけだ しょうた、1993年4月3日-)とは、宮崎県出身のプロ野球選手(投手)である。現在は福岡ソフトバンクホークスに所属。
概要
福岡ソフトバンクホークス #18 | |
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武田翔太 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 宮崎県宮崎市 |
生年月日 | 1993年4月3日 |
身長 体重 |
186cm 83kg |
選手情報 | |
投球・打撃 | 右投右打 |
守備位置 | 投手 |
プロ入り | 2011年ドラフト1位 |
経歴 | |
国際大会 | |
代表チーム | 日本 |
プレミア12 | 2015年 |
WBC | 2017年 |
プロ野球選手テンプレート |
宮崎日大高校では1年からエースとして活躍。甲子園出場はならなかったが、スカウトの評価は非常に高く、同世代でもトップクラスの投手として187cmの長身から九州のダルビッシュといういささか地雷っぽい名で呼ばれた。
2011年のドラフト会議で、福岡ソフトバンクホークスに1位で指名され入団。2位では下町のダルビッシュと呼ばれる吉本祥二(イケメン)が指名され、吉本について「顔は完全に負けていますが、実力では勝ちたいです」と語った。背番号は30。
ソフトバンク時代
2012年はまず三軍で倉野信次コーチに鍛えられ、二軍で4試合に登板して防御率1.59の数字を残し、7月7日の北海道日本ハムファイターズ戦で一軍初登板初先発。この試合で初球から151km/hをマークすると、堂々とした投げっぷりでなんと5回まで無安打無失点。結局6回1安打無失点4奪三振の好投で、チームでは南海時代の井上祐二以来31年ぶりとなる高卒ルーキーでのプロ初登板初先発初勝利を飾り、そのまま先発ローテーション入りした。7月19日に出場したフレッシュオールスターでは2回完全3奪三振の好投で優秀選手賞を獲得。その際にフレッシュオールスターを「調整の場」と言い、「普通の若い選手なら、こういう舞台ならばガムシャラになってやるんだろうけれど、自分は違う。考えながら投げることに重点を置いている。」とコメント。ちなみに19歳の高卒ルーキーのコメントである。決してベテランではない。
8月4日の埼玉西武ライオンズ戦では球団史上初となる高卒ルーキー二桁奪三振も達成。9月25日のオリックス・バファローズ戦で高卒新人によるプロ初完封をマーク。寺原隼人を抜いて球団史上初にして本家ダルビッシュ有を超える高卒ルーキー7勝目、完封も13試合目で達成したダルビッシュを抜く10試合目と記録尽くめの快挙を達成した。続く日本ハム戦では9回2死から味方のエラーが絡んで失点し2試合連続完封こそ逃したが8勝目を挙げ、最終的に11試合8勝1敗、防御率1.07という成績でレギュラーシーズンを終えた。新人王は益田直也に譲ったが投票では80票を集め、優秀新人賞として連盟特別表彰を受けた。
2013年は高卒2年目ながらローテーションの一角として大いに期待されるが、オープン戦からもうひとつ調子が上がらず、開幕後もピリッとしない投球が続いた。原因は制球の大幅な悪化で、前年3.49だった与四球率は倍近い6.58まで跳ね上がる。フォーム改造の失敗など色々言われたが、ともかくこの制球難にシーズンを通して苦しみ、最終的に17試合で4勝4敗、防御率3.48。規定投球回数に大幅に満たない93イニングしか投げていないにも関わらずリーグワーストの68四球をマークするなど、2年目の壁にぶつかったシーズンとなった。
2014年は開幕前に右肩痛で離脱。8月に一軍復帰し、終盤戦のローテーションを守った。チームが失速した時期で援護が少なかったが(援護率2.06)、7試合で3勝3敗、防御率1.87と好成績を残す。クライマックスシリーズでは今宮健太のエラーから4失点し敗戦投手となったが、日本シリーズでは初戦を落としての第2戦に先発、魔球カーブで阪神タイガース打線を翻弄し、7回1失点で勝利投手となった。この後チームが4連勝で日本一となり優秀選手賞を受賞。武田の好投が阪神打線の勢いを止め、変化球への苦手意識を植え付けたとも評価された(実際、第5戦では不調の攝津正も変化球、主にカーブの多投で好投した)。
2015年は開幕からチームで唯一1年間ローテーションを守った。6月4日の横浜DeNAベイスターズ戦では1年目以来の完封勝利を挙げるなど、6月は3勝0敗、防御率1.00で月間MVPを受賞。最終的に25試合で13勝6敗、防御率3.17の好成績を挙げ、実質的にエースとして優勝に貢献した。日本シリーズでは初戦で2失点完投勝利を挙げて日本一に貢献、2年連続の優秀選手賞を獲得。
オフにはWBSCプレミア12に日本代表として出場。予選ラウンド第3戦のドミニカ戦に先発し4回無失点。3位決定戦のメキシコ戦でも先発して3回無失点に抑え、防御率0.00で大会を終えた。
2016年はシーズン初戦の東北楽天ゴールデンイーグルス戦で完封勝利を挙げると、この年も1年間ローテーションを守って27試合に登板し、和田毅に次ぐリーグ2位タイの14勝を挙げた。
2017年は大谷翔平の代替としてWBC日本代表に選出された。レギュラーシーズンでは肩の故障もあり、13試合の登板で6勝に留まった。オフに松坂大輔の退団を受け、背番号を18に変更した。
2018年は前年に続き不調。たまに完璧な投球で完封するが次の登板では炎上、というような不安定さに加え、1失点でもすると絶対に勝ちがつかないという不運も重なり、8月下旬からはリリーフに配置転換される。9月1日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でプロ初セーブを挙げる。結局27試合で4勝9敗1セーブ、防御率4.48という成績で、先発でのシーズン3勝が全て完封という珍記録を残す。3完封は日本ハムの上沢直之と並んでリーグ最多。
ポストシーズンでは石川柊太や高橋礼とともに「第2先発」的なポジションでリリーフ待機。日本シリーズでは6試合中5試合に登板、7回1/3を投げて1失点と好投し、日本一に貢献した。
2019年も開幕ローテ入りしたが、5月に2試合続けて8失点と大炎上してからはリリーフに回る。セットアッパーも務めて8ホールドを挙げ、8月からは先発に復帰した。最終的に32試合(先発12試合)で5勝3敗9ホールド1セーブ、防御率4.55。
クライマックスシリーズではファイナルステージ第2戦で先発したが、5回途中3失点で降板して勝ち負けつかず。日本シリーズでは第5戦の先発と目されていたが、シリーズが4連勝で終わったため登板機会はなかった。オフに右肘クリーニングを手術を受ける。
2020年は前年の右肘手術の影響で出遅れ、8月下旬にようやく一軍復帰。そのまま先発ローテ入りしたが、9月下旬に2試合連続で大炎上して二軍落ち。終盤に一軍復帰して2試合リリーフで起用されシーズンを終える。7試合で2勝2敗、防御率6.48に終わった。
2021年は開幕ローテ入り。援護率2.59というムエンゴに苦しめられ勝ち星は伸び悩んだが、先発として防御率2点台、3年ぶりの完投勝利も挙げるなど先発ローテの一角として好投していた。ところが後半戦からは特に理由の報道もないまま一軍に上がることなく、9月下旬以降は二軍での登板もなくなってシーズンを終えた。原因は後に前半戦から右手中指の痛みを抱えていたためと判明。12試合で4勝5敗という成績に留まったが、なんとオフには年俸6000万円から9000万円アップの1億5000万円で4年契約(変動制)を結ぶ。来季には国内FA権を取得することを見越した契約で、本人もびっくりしていた。
プレースタイル・人物
プレースタイルは長身の真上から投げ下ろす超オーバースロー投法。最速は154km(一軍公式は152km)のストレートに、縦と横のスライダー・角度や球速に変化をつけた3種類のカーブ・チェンジアップ・カットボール・シュートと変化球も多彩。いずれも勝負球に使えるキレの良さを持ち、特にものすごい落差で落ちるドロップ気味のカーブは見る者を驚かせる魔球の域。2014年の日本シリーズではこのカーブで阪神打線を完全に翻弄した。
ルーキーイヤーから高谷裕亮と相性が良く、登板時は基本的に高谷とバッテリーを組む。
投球フォームは肩に負担がかかるため、故障を心配する声も多数あがるが、ヒクソン・グレイシーのように肩を動かさずに肩甲骨を自在に動かせる特技があるらしく、肩にかかる負担は非常に少ないのだとか。とはいえ2014年に肩痛で離脱したので実際はやっぱり負担がかかっているのかもしれない。
本人曰くトレードマークは笑顔で、マウンド上でも笑顔で投げる。右投手だが、目標としている投手は杉内俊哉で、投球のたびに腕を上げる動作もおそらく杉内の真似。上から目線で投げるという気持ちで「上から翔太」とよく口にする。スベってるとか言わない。
成績
年度別投手成績
年度 | 球団 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 投球回 | 与四球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 | 防御率 |
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2012年 | ソフトバンク | 11 | 11 | 1 | 1 | 8 | 1 | 0 | 0 | .889 | 67.0 | 26 | 67 | 9 | 8 | 1.07 |
2013年 | 17 | 17 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0 | 0 | .500 | 93.0 | 68 | 56 | 38 | 36 | 3.48 | |
2014年 | 7 | 7 | 1 | 0 | 3 | 3 | 0 | 0 | .500 | 43.1 | 22 | 43 | 15 | 9 | 1.87 | |
2015年 | 25 | 25 | 1 | 1 | 13 | 6 | 0 | 0 | .684 | 164.2 | 59 | 163 | 60 | 58 | 3.17 | |
2016年 | 27 | 27 | 1 | 1 | 14 | 8 | 0 | 0 | .636 | 183.0 | 70 | 144 | 71 | 60 | 2.95 | |
2017年 | 13 | 13 | 1 | 1 | 6 | 4 | 0 | 0 | .600 | 71.0 | 33 | 60 | 35 | 29 | 3.68 | |
2018年 | 27 | 19 | 3 | 3 | 4 | 9 | 1 | 0 | .308 | 124.2 | 37 | 87 | 67 | 62 | 4.48 | |
2019年 | 32 | 12 | 0 | 0 | 5 | 3 | 1 | 9 | .625 | 83.0 | 40 | 70 | 48 | 42 | 4.55 | |
2020年 | 7 | 5 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | .500 | 25.0 | 14 | 23 | 19 | 18 | 6.48 | |
2021年 | 12 | 12 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0 | 0 | .444 | 77.1 | 24 | 73 | 23 | 23 | 2.68 | |
NPB:10年 | 178 | 148 | 9 | 7 | 63 | 45 | 2 | 9 | .583 | 932.0 | 393 | 786 | 385 | 345 | 3.33 |
通算守備成績
機構 | 守備位置 | 試合 | 刺殺 | 補殺 | 失策 | 併殺 | 守備率 |
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NPB | 投手 | 178 | 70 | 138 | 3 | 5 | .986 |
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
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