本来の用法は『歴史修正主義』の記事が詳しいのでそちらを参照頂きたい。
この記事ではブラウザゲーム「刀剣乱舞」に登場する敵勢力について扱う。
概要
時間遡行軍を編成し、時間遡行を繰り返しながら「我が国」の歴史への攻撃を開始。
敵は未来から無限に兵力を過去へ送り出している、号して八億四千万。
「刀剣乱舞」に登場する敵キャラクターの総称。
本作の敵勢力の事で、審神者と刀剣男士たちが倒すべき敵。「時間遡行軍(じかんそこうぐん)」とも。
歴史上の様々な事件があった時代へと赴き、直接干渉することで未来を改変しようとする為、これらを阻止するために刀剣男士(白刃隊)はそれぞれの時代へ赴き、戦う。
具体的には「家康暗殺部隊」や「土方戦死阻止隊」などのように「どういった歴史改変をしようとしているか」を示す名前が部隊名に付けられている。6-4「池田屋一階」には「加州清光折大隊」という洒落にならない名前の部隊がおり、歴史上の人物ばかりか特定の刀剣をも対象としている。
また「ジパング貴金属回収部隊」「ゾーリンゲンサーバー部隊」など、海外に関連する勢力が存在する可能性も示唆されている。
一方、期間限定イベント「戦力拡充計画」における敵については「経験値の素部隊」「演習支援部隊」「仮想敵部隊」「実戦想定訓練部隊」という名称から、政府が管理している仮想の敵ではないかと思われる。いいからさっさと目当ての刀剣を出せと文句を言いたくもなるが、そこは我慢。
その意図や正体が明示されていない為に様々な考察が出ているが、今のところ憶測の域を出ない。
刀剣男士たちと同じく「短刀」「脇差」「打刀」「太刀」「大太刀」「槍」「薙刀」の7種、および7面以降に「苦無」「中脇差」の2種が確認されている。
それぞれに「甲・乙・丙」と3種類のランクが存在し、同じ個体でも強さが異なる。ゲーム序盤で出現する丙が最も弱く、乙、甲とランクアップするにつれ強力になっていく。
特に厄介なのが高速槍と呼ばれるユニットで、体力の低さと引き換えに防御力と機動に超特化されている。
短刀・脇差・打刀による遠戦で倒さない限り、ほぼ最速で攻撃を仕掛け(※陣形によっては高機動の男士が先制できる場合が稀にある)、刀装の上からでもダメージを与えてくる。おまけに硬いので刀装を剥がすのも一苦労で、こちらも槍男士を運用して刀装を貫通しない限り、1ターンで倒すのが難しくなる。
高難易度のMAPでは最も警戒が必要な敵の一つであり、今や「槍から殺せ」は合言葉となっている。
見た目は刀剣をモチーフにし、髑髏や骨を身に纏い、悪鬼悪霊を彷彿とさせる妖怪めいた出で立ち。しかし中には刀剣男士と似たポーズを取るものも存在している。
そのため一部では
「歴史修正主義者側にも審神者がいて、彼らによって刀剣男士のように励起された存在なのか?」
「刀剣男士が破壊されてしまったら歴史修正主義者側に墜ちてしまうのか?」
という疑問が提示されている。
また刀剣男士達も回想において、かつての主が死ぬ場面や、自身のありようが大きく変わる場面を目の前にして「今なら変えられるかも知れない」と悩み苦しむ姿が見られる。特に主が悲劇的な死を遂げた刀剣は、少なからず悩む事があるようだ。幸いにして、今の主(審神者)を裏切る事はないようだが……
特殊個体
ここでは通常の時間遡行軍とは異なる存在を、メディアミックスを含めて記述する。
この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
ゲーム
期間限定イベント「特命調査 文久土佐藩」において、高知城天守の最終部隊・幻影主幹隊隊長「打刀_志士」は、打刀をベースとしたグラフィックになっている。編笠をかぶらずに蓬髪を振り乱した姿で描かれ、白刃戦における行動順は極短刀をも凌駕する。勝利後、その場には壊れた銃が残されていたが……。
また道中の幻影人斬り隊「脇差_郷士」、幻影年寄衆「打刀_留守居組」「大太刀_参政」はそれぞれ岡田以蔵・武市半平太・吉田東洋に該当すると推察される。
舞台『刀剣乱舞』第六作「維伝 朧の志士たち」はこのイベントを元としており、そこでは独自の物語が展開される。詳細は後述。
期間限定イベント「特命調査 天保江戸」では、窪田清音・鳥居耀三・水野忠邦ら実在人物の形を借りた時間遡行軍、講武所守護部隊「打刀_御納戸頭_甲」、南町奉行所警戒部隊「打刀_南町奉行_甲」、上屋敷大番隊「打刀_老中_甲」が登場(グラフィックに変化はない)。
倒した後に死体が残らない事、本人らは別に存命であることなどが伺えるが、詳細は明らかにされていない。
期間限定イベント「特命調査 慶長熊本」では、1594年の熊本城を舞台に「キリシタンが勝利した世界」である事が明かされ、ゲーム内で初めて実在人物の名を冠した敵が登場。
キリシタン大名として知られる「小西行長(大太刀)」「有馬晴信(大太刀)」「大村純忠(槍)」「高山右近(槍)」が部隊ボスとなっており、最終戦のボスは「細川ガラシャ(薙刀)」が固有グラフィックにて登場する。
歌仙兼定が「その者は最早ガラシャであってガラシャではない」と語る一方、彼女を「姉上」と呼び守ろうとした地蔵行平と行動を共にするなど、従来の時間遡行軍とは明らかに一線を画した描写がなされた。
舞台『刀剣乱舞』第七作「綺伝 いくさ世の徒花」はこのイベントを元としており、そこでは独自の物語が展開される。詳細は後述。
期間限定イベント「特命調査 慶応甲府」では、1868年(正確には慶応4年7月)の甲府を舞台に「本来は政府軍に敗退した甲陽鎮撫隊(元新選組)が勝利している世界」が描かれる。
躑躅ヶ崎および古府中では、八番隊・四番隊・六番隊が登場。隊長は「打刀_八番隊隊長」「薙刀_四番隊隊長」「薙刀_六番隊隊長」で、これは調査時点で既に死亡している藤堂平助・松原忠司・井上源三郎に該当する。
甲府城内で遭遇するのは二番隊・三番隊で、隊長は「打刀_二番隊隊長」「打刀_三番隊隊長」。それぞれ永倉新八・斎藤一に該当し、明治以後も存命している。また「本丸哨戒隊」を率いるのは「打刀_副長」で、当時存命していた土方歳三に該当。その為か、城内を哨戒する彼らと遭遇後に撃破するとスタート地点に戻される。タイムパラドックスの表現だろうか。
甲府城本丸で遭遇するのは十番隊・七番隊で、隊長は「槍_十番隊隊長」「槍_七番隊隊長」。それぞれ原田左之助・谷三十郎に該当し、いずれも調査時点では既に死亡、かつ共に槍の名手として名を残している。
最後に対峙する「甲陽鎮撫隊 近習衆」の隊長は「打刀_局長」で、その下に「打刀_一番隊隊長」が続く。調査時点で既に死亡している近藤勇・沖田総司に該当しており、彼らを倒す事で調査は完了する。
アニメ『活撃刀剣乱舞』
第7話『第一部隊』にて、鬼面の時間遡行軍が登場。
永禄の変において暗殺された足利義輝の血を浴びた鬼の面が鎧武者となり、夜となく昼となく辻斬りを働く。
薙刀を振るい、無数の刀から時間遡行軍を生み出すほか、周囲の時間遡行軍を合体させて強化、劣勢に陥ると他の時間遡行軍を吸収して再生する。
ミュージカル『刀剣乱舞』
第一作「阿津賀志山異聞」では、源義経を篭絡して異形の刀を与え、兄・頼朝を討って歴史を変えるようそそのかす。義経が頼朝を逃そうとするとそれを咎め、刀を通じて義経を洗脳し、刀剣男士をも凌駕する力を与えた。
第二作「幕末天狼傳」では、新選組が発足する前から黒猫の姿を借りて暗躍。大和守安定が肺病の薬を手に入れ、それを沖田総司に使わせることで歴史改変を目論んでいたが、安定が自分の使命を思い出した事で頓挫する。しかしその後も沖田につきまとい、病床の沖田に近藤勇が処刑されることを告げると、無理矢理力を与えて板橋刑場に送り込む。
2019年の再演ではこの演出が完全に変化しており、三日月宗近によって真実を知らされた沖田が最後の力を振り絞り、耐えかねた清光と安定が手を貸す事で板橋に向かう事となる。その真意については先に上演された「葵咲本紀」にて描かれている。
第五作「結びの響、始まりの音」では、土方歳三の募集に応じた新選組隊員に扮し、三振の時間遡行軍が登場。人間の目から見ると普通の人間に見える様子で、土方を殺すのではなく、生かす事で歴史改変を行おうとする。すなわち刀剣男士が土方を歴史通りに殺さねばならない為、新選組所縁の刀剣男士を苦悩させた。
刀剣男士と対峙しても土方の命令に従い刀を収め、あくまでも隊員として振舞う。仲直りと称した宴会では注がれた酒を口にしておかわりを要求、酔っ払って寝入るなど、奇妙に人間くさい所が描かれた。その真なる願いは、箱館戦争において明かされる事となる。
第六作「葵咲本紀」では、結城秀康が、自らを冷遇したばかりか兄・松平信康の死を命じた父・徳川家康に対する反発をきっかけに時間遡行軍に取り込まれてしまう。その傍らにある時間遡行軍を見た篭手切江は「先輩」と呼び、激しく動揺。秀康所縁の郷義弘の刀として該当する作があり、それではないかと考えられるが……
舞台『刀剣乱舞』
第二作「義伝 暁の独眼竜」では、天下取りの野望を捨てきれない伊達政宗の想いが自身の甲冑に宿り、甲冑の付喪神とも呼べる「黒甲冑」が顕現。圧倒的な力を振るい、小夜左文字を瀕死の重傷に追い込んだ。後に関ヶ原にも登場、戦場に乱入した政宗が殺されるたびに時間を巻き戻し、結果として「終わらない関ヶ原の戦い」が現出。政宗と伊達所縁の刀剣男士によって一度は滅びたかに見えたが、後に「悲伝」にて再登場する。
第三作「ジョ伝 三つら星刀語り」では、織田信長に仕えた黒人・弥助が登場。奴隷の身を取り立てた信長が本能寺で死んだ時に刀剣男士を垣間見、信長を救えなかった事、刀剣男士の介入が信長の死に繫がった事を知り復讐を決意。時間遡行軍と手を結んで黒田官兵衛に仕え、99体の時間遡行軍が合体した「九十九刀」を手に襲いかかる。また官兵衛も自力で刀剣男士の存在を把握しており、時間遡行軍を利用して天下取りを成さんとする自身を「ある意味、自分も歴史修正主義者と呼べるかも知れない」と評している。
「ジョ伝」の前日譚「外伝 此の夜らの小田原」では、長尾顕長に憑依した「山姥」が登場。鈴の音で人間のみならず刀剣男士をも幻術に落とし、精神攻撃を仕掛けて惑わせる。
第四作「悲伝 結の目の不如帰」では、足利家伝来の刀剣の集合体、通称「鵺と呼ばれる」が登場。当初は人格も統合できず、言葉もおぼつかない(特に『かたな』という言葉をうまく喋れない)状態だったが「足利義輝を守りたい」という一念において時間遡行軍と手を結び、様々な時代で刀剣男士と戦い続ける。戦いを通じて成長を遂げ、義輝に「時鳥(ほととぎす)」の名を拝領すると言葉も意識も成熟。顕現の手順こそ違えども、刀剣男士と変わらぬ存在となった。
第六作「維伝 朧の志士たち」は「特命調査 文久土佐藩」を元とした内容となっており、土佐勤皇党の党員達が刀剣男士に匹敵する異常な力を持っていると描写された。
更に岡田以蔵、武市半平太、吉田東洋は人ならざる存在であり、過去この時代に出陣した刀剣男士と交戦・破壊。その結果歴史が改変、この世界は放棄されたという驚くべき真実が明らかとなる。
彼らには刀剣男士と同じ顕現技術が用いられていると南海太郎朝尊は分析。すなわち土佐勤皇党は強い想いから生まれた「朧の志士」であり、魑魅魍魎の類だと語る。
果たして彼らは町中に仕掛けた罠の爆発に巻き込まれ、正体が露見して異形の姿を露わにする。特に吉田東洋(大太刀_参政)は、和泉守や堀川の記憶を読み取り精神に揺さぶりをかけるなど、強敵として描かれた。
終盤、あり得ない「未来」の記憶を持っていた坂本龍馬が、岡田や武市を死なせた後悔から過去を顧み、朧の志士を生んだ元凶である事が判明。自分が本物の龍馬だと思い込んでいた彼もまた異形となり、刀剣男士の前に立つのだが……
またこれとは別に、打刀の時間遡行軍が単独で登場。「送れ……物語を送れ」と語りかけ、捕縛された陸奥守と龍馬を脱出させて追手を牽制する一方、鶴丸とは刃を交わすなど、敵とも味方ともつかぬ不可解な行動を見せる。
前半終盤で笠を脱ぎ、露わになったその姿は……
第七作「いくさ世の徒花」改め「いくさ世の徒花の記憶」は「特命調査 慶長熊本」を元とした内容となっており、ゲーム内に登場する実在人物に加え、大友宗麟と黒田孝高がキリシタン大名として登場。
歴史修正主義者との接触により未来を予見した細川ガラシャを盟主と仰ぎ、肥後熊本を「神の国」とし、改変を阻止しようとした刀剣男士を破壊した事で歴史改変を成し遂げている。
劇中で大友宗麟は「ただ生きたい、この時代に生まれた者として幸せになりたい」「正史では迫害される同胞を守りたい」という願いを吐露し、高山右近も「あなた方と戦うつもりはありません」と語るなど、従来の出陣とは異なる展開が続く。他方、黒田孝高は「放棄されたこの世界で繰り返された記憶」だけでなく「ジョ伝」における黒田官兵衛としての記憶までもを保持し、刀剣男士を相手に時をも超えた調略を行わんとする描写がなされた。
またガラシャを始めとする彼らが「史実と物語」が混同して内在するが故に苦しむさまも散見され、獅子王が「まるで鵺みたいだ」と評している。
第八作「天伝 蒼空の兵-大坂冬の陣-」では「ジョ伝」の弥助が老いた姿で再登場。黒田官兵衛の死を看取った後、官兵衛が密かに捕らえて飼いならしていた時間遡行軍「阿形・吽形」を伴い、豊臣秀頼の護衛として刀剣男士らと邂逅する。
直接的な歴史改変ではなく「歴史を守りつつ、死すべき者を生き延びさせ、『諸説』へと逃がす」という方法で歴史を修正し、本能寺の変における織田信長の死を回避しようとしていた。その為にかつて滅ぼされた本丸の審神者の「右手」を取り込み、人ならざる者となりはてた上で自害する事で「弥助を斬った物語を背負った刀剣男士」を顕現させる。それは弥助の代わりに信長を救うはずだったが、戦う力も確かな自我もない、溶け崩れた化物にしかならなかった。宗三左文字は織田家所縁の刀としてその存在を憐れみ抱きしめ、同胞たり得た織田の刀剣達に想いを馳せながら化物は消滅する。
続編となる第九作「无伝 夕紅の士-大坂夏の陣-」では、天伝において歴史改変を行う為に自害した真田信繁の重臣達の刀が阿形・吽形に利用される形で、実在しない講談の人物・真田十勇士として顕現。再建された真田丸を「本丸」と定めて日々を営みつつ、高台院を主と仰いで徳川軍と戦う。
刀剣男士との戦いの為に生み出された者だとして対立するも、高台院によって戦いを禁じられ、「仲直りの宴」の後に様々な言葉を交わす。しかし「戦う為に生まれたモノ」を否定しないでほしいという三日月宗近の言葉によって高台院は禁を解き、戦火迫る大坂にて刀剣男士と真田十勇士の戦いが幕を開ける。だがその裏で糸を引くのは、すでにこの時代では死んでいるはずの「あの男」で……
映画刀剣乱舞
短刀の時間遡行軍「無銘」が登場。本能寺で明智光秀を狙うも、薬研藤四郎・山姥切国広に阻止される。この時薬研は「時間遡行軍の気配が薄かった」と不審を抱く。
その後本能寺から織田信長を救出し、多数の時間遡行軍と共に配下となる。しかし山崎の戦いで敗走する光秀を信長が自ら殺そうとした際、光秀が手にした短刀を見て突如として苦しみだし、何故か信長に刃を向けた。その後、大太刀によって強制的に支配下に置かれる描写がなされている。
安土城でも多数の時間遡行軍を率いて戦うが、体勢を立て直した刀剣男士らの活躍により壊滅、無銘自身も骨喰藤四郎と薬研のコンビに敗北。しかしその身体は桜吹雪に包まれ、本丸を強襲した大太刀の前で刀剣男士・倶利伽羅江(刀剣乱舞)として顕現。大太刀により洗脳され手先となっていた屈辱を刃で返すと、新たな仲間として本丸に迎えられる事となった。
注意
「歴史修正主義」の記事や掲示板にも書かれているように、総じてネガティブな意味合いを持つなど、荒れる要素を含める呼称であるため、この呼び方を嫌う人も少なくない。
特に「歴史修正主義者」という言葉を本作で初めて知ったという人の場合、刀剣乱舞と関係の無い場所でこの呼び名を持ち出す際は注意が必要かもしれない。
状況によりけりだが、軽々しく用いるとぶん殴られてもおかしくない可能性があるのでご注意を。歴史的な問題について議論している場合など、ほぼ確実に怒らせる事になる。
本来の意味については当該項目、およびWikipediaに問うべし。
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