死体蹴りとは、格闘ゲーム用語の1つ。
転じて、FPSなどにおいて戦闘不能となった相手の死体を射撃する「死体撃ち」も後述する。
概要
対戦で敗れ、既に動けなくなっている相手キャラに対して勝利したキャラ側がさらに攻撃を行う行為。その様が死体を蹴っている様に見えるためにこの呼称で呼ばれている。
死体蹴り行動の可・不可は勝利確定後にキャラを操作出来るかどうかや、敗れて倒れているキャラに当たり判定が残っているかどうかも大きく関わっている。
死体蹴りは敗れた側への礼儀が無いとして極端に嫌うプレイヤーもいるし、ゲームをより楽しむための許される挑発行為の範囲内と肯定的に捉えているプレイヤーもいて、賛否両論である。
ゲームによっては死体蹴り行動によりゲージ貯め等が可能でその後のラウンドが有利になるものもあり、そのような場合は死体蹴りを行っても挑発目的でないため批判されることはない。また、連続攻撃の途中で相手の体力が尽きて勝ち確定しても、システム的に攻撃を止められない場合は不可抗力であり、死体蹴りとは呼ばれない(オーバーキルとは呼ばれるかも)。
以上のように死体蹴りは格闘ゲームの用語だが、最近では野球などで一方的な展開で勝っているチームの選手が追加点を挙げることを死体蹴りと表現することがある(例:村田修一)。
また、ゲーム以外の場でも「死体に鞭打つ」という表現と同じような意味として使われることがあるようだ。「死体に鞭打つ」というのは正確には「死屍に鞭打つ」で、こちらは中国の春秋時代の政治家、軍人である伍子胥のエピソードから生まれた言葉である。
死体撃ち
主にFPSゲームにおいて、既に死体となったキャラクターに対してさらに攻撃を加えることは「死体撃ち」と呼ばれる。
死体撃ちは死体蹴りと同様の理由で行われることもあるが、多くの場合「仕留め損ねを防ぐ」ための行為である。負傷して倒れた後にわざと起き上がらず、相手が目を離した隙に逆襲する……などの「死んだふり戦術」が可能なため、キルしたかどうか確信のできない状況では念のため追い打ちをしておくのがセオリーとなっているゲームが少なからず存在する。こういった行動が体に染みついているプレイヤーが、死んだふりの出来ないゲームでも条件反射的に死体撃ちをしてしまうこともある。そのため明らかに侮辱的と思われる場合を除き、死体撃ちは死体蹴りほど忌避されることは無い。
PUBGなどを始めとしたバトロワ系のタイトルの場合、死亡したプレイヤーはその場に所持品が入った箱(あるいは棺桶型のオブジェクト)を落とす仕様である事が多いが、この箱を撃つ行為も死体撃ちと呼ばれる事がある。こちらは上記のようなセオリーや戦術的事情といった理由が通用せず、箱を撃ってもメリットがない行為のため批判の対象となりやすい。
(そもそもバトロワにおいて不必要に銃声などの音を立てるのは自らを不利にする行為であり、チーム戦の場合利敵行為にもなりうるためそういった点でも批判されている)
現実において
なお、死体撃ちは現実の戦場でも確実性や敵への憎悪、ストレス発散などで行われることも珍しくない行為である。そのため、ロールプレイの一環として行われることもある。
実戦ではゲーム以上にシビアで「敵をキル」「死亡」といった便利な情報は出てくれないため、死んだふりで虎視眈々と反撃の機会を伺っていたり、近付いたところを道連れに自爆といったパターンもあるため油断できない。致命傷で長く生存できなくとも、引き金を引いたり自爆スイッチのボタンを押す程度は割とできるのである。
殺し屋や特殊部隊による要人の暗殺任務など、確実性を高めるため明らかに死んでいるようでも必ず頭部に撃ち込みトドメを刺す(→ヘッドショット)といった手段は割とある。
※手間や時間はかかり、弾薬の浪費にはなるため、状況によって必ずやる訳ではない。
もちろん戦場や特殊部隊の作戦現場における安全確保や確実性向上の行為であるため、オンラインゲームのマナーと同一に考えるのは少々お門違いであるが。
現在、先進国の軍隊で楽しみながら死体撃ちをすれば人道的な問題で世界中に叩かれる可能性があるが、途上国の民兵・武装組織やテロリストに捕虜にされ、拷問・処刑された後、死体を裸で引きずり回されるといった凄惨な事例はある。結果的にUAV(無人機)・ドローンなどの開発理由のひとつがこれである。(航空機が撃墜されても捕虜・人質にされる心配がないため)
関連動画
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関連項目
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