氏とは、氏族や家族、名前に関していくつか意味のある言葉である。
- 氏(うじ) - 古代日本の氏族の集団のこと。
- 氏(うじ) - 家の名のこと
- 氏(うじ) - 家柄、家系
- 氏(し) - 古代中国の氏族の集団のこと。姓を分けたもの
- 氏(し、うじ) - 人を呼ぶときに姓につける敬称
漢字として
- 意味
- 氏族、姓より分かれた氏族、氏族の名、家系の名、仲間、という意味がある。また結婚した女性につける呼称。是と通じる。段玉裁は氏の本字は是であるとしている。
- 字形
- 諸説ある。後述。
- 音訓
- 音読みはシ(漢音)、ジ(呉音)、訓読みは、うじ。名のりに、え、などがある。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校4年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 部首
- 氏は部首氏部を作る。
- 声符
- 氏を声符とする漢字には坁、忯、汦、扺、芪、祇、眂、蚔、紙、䟗、軝、などがある。
- 語彙
- 氏神・氏子・氏姓・氏族・氏名
字形説
〔説文解字・巻十二(小徐本、段注本)〕には「巴蜀、山岸の脅(むね)の𠂤(タイ)、旁箸(ボウチャク)して落𡐦(ラクダ)せんと欲する者を名づけて氏と曰ふ。氏の崩るる聲、數百里に聞こゆ。象形。乀聲」と、崩れかけた崖の象形としている。また楊雄の〔解嘲〕から「響くこと氏隤の若し」を引用している。段玉裁は崖の象形説を受けて、坁や𨸝を氏の異体字としている。
〔説文解字通訓定声〕は根から芽が出るところの象形とし、柢の初文とする。柢は根ざすという意味の字。〔説文解字注箋〕も似たような説で芽が横から出るところの象形としている。
白川静は、氏は小さな把手のある刀の象形で、祖先を祀る時や共餐の際にこの刀で肉を切り分け、氏族の中で配分したという。この刀は氏族の象徴で、そこから氏族を意味をもつとする。
ほかに民と同様に頭を垂れて働くところの象形とする説(〔六書略〕)などがある。
異体字
- 𠂩は、〔康煕字典〕にある異体字。
互換文字
- 1
- 0pt
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