民主党応援シリーズとは、民主党(現在は民進党に改称)やその所属議員を対象に「ほめ殺し」を行う動画に付けられるタグである。
概要
「ほめ殺し」とは批判・糾弾・中傷を行うにあたって敢えて攻撃的な言動を取らず、外形上は称賛しているかのように見える言動を皮肉や嫌味を存分に込めて行うことで、脅迫や名誉毀損が成立するリスクを軽減しつつ、ネガティブなイメージや精神的苦痛をより効果的に与えることを目的とした政治活動の一手法である。
元々は街宣右翼が得意とした手法であり、1987年に起きた「皇民党事件」が代表的な事例として挙げられる。これは中曽根首相の後継者争いで有力候補だった竹下登を攻撃対象としたもので、右翼団体「日本皇民党」が約8か月に渡り「日本一金儲けの上手い竹下さんを総理に」などと叫びながら街宣車で都内を走り回ったという事件である。
近年は「在日特権を許さない市民の会」(在特会)を始めとする「行動する保守」系の右派系市民団体や、その支持基盤である右翼的なネットユーザーが、「売国的」とみなしたリベラル・左派勢力および一部の保守・右派勢力を攻撃する際にこの手法を採用する事例が増えており、注目を集めている。
ちなみに民主党(民進党)内には保守派が一定数存在する。
当該タグはその中でも特に攻撃の対象とされやすい民主党(民進党)とその所属議員を対象とした動画に付けられている。
類型
右派系市民団体やネット右翼が行う「ほめ殺し」は以下の二つのパターンに分類される。
- 旧来型
- 上記の皇民党事件などと同様に、攻撃対象の不正・汚職・無能などネガティブなイメージを示唆する発言を、あたかも称賛しているかのような外形を用いて行うもの。多種多様なイメージを付与できる。
- 外国人なりすまし型
- 外国旗を掲げるなどして韓国人・朝鮮人・中国人(在日含む)などの外国人であるかのように装った上で攻撃対象を称賛し、暗に彼らが外国の利益を図る売国奴であるというラベリングを行うもの。「ほめ殺し」と「なりすまし」の併用タイプであり、付与するネガティブイメージは基本的に「売国奴」の一点に集約される。また攻撃対象への在日認定を併せて行うことも多い。
2012年の総選挙頃から後者の手法が主流となり、街宣を行う民主党議員のそばで太極旗(韓国の国旗)などを掲げたり、「マンセー」(朝鮮語で「万歳」)などと叫んだりする右派系市民活動家の姿がたびたび見られるようになっている。在特会の創設者として知られる桜井誠もその一人である。こうした活動を行っている活動家の一部は「マンセー隊」を自称しており、ニコニコ動画のタグにも使用されている。
また旧来型・外国人なりすまし型のいずれも単独の街宣や民主党側の街宣に対するカウンターとして行われることが多いが、最近では「民主党へのほめ殺し」をテーマにしたデモが2013年6月末に予定されるなど[1]、街宣の形式に留まらない多種多様な「ほめ殺し」の手法が模索されている。
ターゲットの民主党は2016年には維新の党を吸収し「民進党」と改名した。
『応援』の対象になった主な民主党関係者
五十音順。既に離党した議員や元議員も含む。
自民党関係者への波及
2014年東京都知事選挙では、自民党が推薦する舛添要一が上述の「外国人なりすまし型」に加え、「創価学会員なりすまし型」という新たな類型も併用したほめ殺しのターゲットとなった。これは中道寄りの舛添が元々ネット右翼層から忌避されていたことに加え、対抗馬にネット右翼層の絶大な支持を受ける田母神俊雄が居たためである。
選挙に際して多くのネット右翼が2ちゃんねるや自民党東京都連のBBSなどで舛添の在日認定を行う一方で、街頭では顔を隠しながら「韓国のために頑張れますぞえよういち先生」「学会員と舛添先生を応援しよう」などと書かれた横断幕を掲げ、太極旗(なぜか逆さま。おそらくわざと)を誇示する謎の集団が現れて話題を集めた[2]。
他方で民主党が支持する細川護熙は舛添ほど有力視されていなかったことに加え、父方(肥後細川家)・母方(近衛家)ともに由緒正しい血統で在日認定が難しいこともあり、ほめ殺し運動は活発化せずに終わった。
なお、舛添は都立市ヶ谷商業高校跡地へ韓国学校を新設することを、多くの反対があるなかで決定し、問題となり、政治資金の公私混同問題で野党だけでなく与党の自民党・公明党からも批判を浴びて都知事を辞職した
関連動画
旧来型
外国人なりすまし型
関連チャンネル
関連コミュニティ
関連商品
関連項目
外部リンク
脚注
- *かつて政権与党として頑張った民主党に感謝しよう!パレード 【北海道支部】 - 在日特権を許さない市民の会
- *https://twitter.com/aikoku1022/status/422334386839633920
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