水中用ザク(MS-06M、MSM-01、ザク・マリンタイプ、水中戦型ザク)とは、メカニックデザイン企画『MSV』に登場するモビルスーツ(MS)である。後のTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に細部を変更したマリン・ハイザックが登場している。
初出は劇場版アニメグラフブックに収録された大河原のイラスト。MSVの立役者的機体の一つ。
ジオン初の水陸両用MS
ZAKUⅡ MARINE TYPE 水中用ザク |
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型番 | MS-06M MSM-01 |
頭頂高 | 17.5m |
重量 | 43.3t / 79.4t(全備) |
出力 | 976kw |
推力 | 42,900kg |
搭乗者 | ジオン兵 |
兵装 | 頭部バルカン砲×2 |
M6-G型4連装240mmサブロック ガン |
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ブラウニーM8型4連装180mmロ ケットポッド×2 |
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QEX-04M エーギル |
ジオン軍が開発した最初期のザクバリエーション。
地球侵攻作戦の一環で考案された史上初の水陸両用型MSである。
地球本土への侵攻はリフティング・カプセル(MSを搭載したHLV等)を降下の際に用いる予定だった。カプセルは海や湖への着水を想定していたため水中を独力で移動するのには不向きな主力MSは艦船に頼るしかない。スムーズな部隊展開に頭を悩ませた結果、MSの水陸両用化の着想を得たという。
地球侵攻作戦は独立戦争初期の最大の目的「戦争の早期講和」が叶わなかったケースを想定した「連邦上層部を再度テーブルにつかせる為の軍事戦略」だが、0076年12月頃に企図された計画のためMSの水陸両用化プランも独立戦争初期から秘密裏に進行していたと思われる。
実際、MSの局地戦用化自体は早くから想定されていた。
MSの歴史が浅いこともあり水中用MSの設計は思いのほか難航したようだ。
ザクⅡをベースにパーツを組み換えただけの機体では、開発陣の納得のいく完成度に至らず問題点も多く、公国軍の首脳部はザクM型を試験機に回し、一から水陸両用機(後のMSMシリーズ)の開発を行う方針に変更した。
以後、M型ザクは水陸両用型新MSのテストベッドとして使用され、仕様策定後にMSM-01の型番が与えられた。
全7機(初期型5機+増産型2機)が生産。水中用新型MSの完成と共に任を解かれ実戦へ投入されるも終戦までに半数以上が撃破されている。7機の所在はレッドドルフィンとシーサーペントに2機ずつ、グリーンサイレン、マンタイレン、ナーガⅢに1機ずつ。
終戦後に連邦が残存機を接収し「マリン・ハイザック」として運用している。後の新型MS「ザク・ダイバー」や「ザク・マリナー」の設計ベースにもなった。
水中用ザクⅠ型
気密性の高いザクは宇宙空間では問題なかったが水中の防水対策では難航した。
最初期に生産されたM型5機は防水対策も不完全で完成度は低く、結局ランドセルを水流エンジン(ハイドロジェットエンジン)搭載型に変更、腕部・脚部に補助推進機を増設、後部に浮沈用バラスト・タンクを集中させるなど全面的な改修作業になった。
水中用ザクⅡはMS-06Mの型番が与えられ、ハイドロジェット推進と水中用兵装のデータ収集のために北大西洋の潜水艦隊「シーサーペント隊」に配備された。しかし早くから水中機動に向かないフォルムや出力不足が露呈し、軍部はMS-06の水陸両用化プランを棄却。公国軍主導による水陸両用機の開発へと至った。
MSVではシーサーペントに配備された水中用ザク試作1号機の写真が公開された。(ジオン軍が国民の士気を高める為に四度刊行した写真集)
大戦中期の写真にはシーサーペント所属のM型ザクと、ユーコン級潜水母艦とレスキューチャンバーとフロッグマンが写っている。 この時は水中用ザクの試作1号機を使用した、北米東部のノーフォーク沖の深海40mで3週間程行われた水中試験の直前だったという。
なお写真は「ザクは多少の改造で水中でも絶大な戦力となった」という誇大キャプションが添えられていた。もちろん大本営発表で、水中用ザク自体の戦力は微々たるうわ何をするやめ
水中用ザクⅡ型
7機のM型の内、増産した2機は仕様が異なっていたという説がある。この説によると増産された2機はモノアイや各関節やパーツにも防水加工対策用のシーリング処理が施されたようだ。
速度だと初期型に劣るがそのぶん耐圧性能ではこちらに分があったらしい。ただしM型は水深400mまでなら実用に耐えるが、あくまでも可潜というだけで“潜水用MS”というわけではない。
1/144ザクマリナー説明書ではM型ザクの改修仕様をⅡ型と呼称し、初期型(Ⅰ型)と区別している。
ザクマリナーはⅠ型の改修機と言われているが、M-1型とM-2型を分ける設定資料は殆ど見られない。(00年代以降に発売された資料でも掲載されていない場合の方が多い。)
Ⅱ型がロールアウトした時期にはMSMシリーズの開発が始動していた為、ザクM型は7機で生産を終えた。
マリン・ハイザック
TV版『機動戦士Ζガンダム』に登場(映画版は未登場)。
戦後に連邦がM型の残存機を接収。F型やJ型のパーツを流用し、コックピット部をハイザックと同型(全天周型)に刷新した機体が「マリン・ハイザック」としてロールアウトした。Ζにファンサービス目的で出演したMSVメカの一つである。
水辺の防衛任務や復旧、整備任務等に使われた。便利屋だが微妙な水陸両用機しか保有していない連邦のニーズには合っていたという。
武装
- ブラウニーM8型4連装180mmミサイルポッド
- 胸部に装備したミサイルポッド。可動試験で良好な結果を得た後、全機に装備された。
- M6-G型4連装240mmサブロックガン
- 対艦用のミサイル。対MS戦にも用いられる。詳細不明。
- エーギル
- 漫画『IGLOO 603』に登場する全長64.4mもの試作核融合プラズマビーム砲。射手にM型が使われた。
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関連項目
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