水島 努(みずしま つとむ)とは、日本のアニメーション監督、演出家である。同期の水島精二じゃないほうの水島監督。頭おかしい方の水島
概要
1965年12月6日生まれ。北海道生まれの長野県出身。高校時代の先輩に映画監督の山崎貴がいた。
1986年にシンエイ動画に入社。『ドラえもん』『エスパー魔美』の制作進行を経て、『美味しんぼ』で演出デビュー。
その後本郷みつる監督に起用され劇場版『クレヨンしんちゃん』、TVシリーズの演出に参加。1999年、短編映画『クレしんパラダイス!メイド・イン・埼玉』で監督デビュー。その後2004年に退社し、現在はフリーで活動中。
『撲殺天使ドクロちゃん』や『ムダヅモ無き改革』のような過激なブラックユーモアやバイオレンスな演出のあるギャグ作品から、『おおきく振りかぶって』『xxxHOLIC』のような癖のある作品まで幅広く手がける。特に原作付き作品〈主に漫画)のアニメ化においては、原作のエッセンスをアニメーションに落としこむのが上手く、「水島努が監督ならアニメ化でも原作ファンが納得する完成度になる」という定評がある。
完全オリジナル作品の監督も務め、『ガールズ&パンツァー』『SHIROBAKO』を世に送り出した。特に、自身初の完全オリジナル作品となった『ガールズ&パンツァー』では、製作の遅れで放送が延期するなどトラブルも起きたが大ヒットとなり、作品の舞台となった茨城県大洗町にファンを集めるほどの反響を呼んだ。2013年12月、第18回アニメーション神戸賞・個人賞を受賞。
よく組むアニメ関係者は脚本家の吉田玲子、横手美智子、音楽家の浜口史郎、音響監督の岩浪美和、アニメーターの谷口淳一郎などがいる。
本人曰く「暇まで暇でしょうがないので仕事ください」とのことだが、とある製作プロデューサーによると向こう数年作品製作のスケジュールでいっぱいとのことである。
クレイジーボーイ水島
シンエイ動画の演出時代もドラえもんの道具のパロディや過激なギャグを用い、先輩演出家からよく叱られたと回想しておりフリーになる以前からその片鱗をみせていた。また劇場版『クレヨンしんちゃん』の5作目から12作目までの特報は彼が作っており、初期プロットだけで映像をつくるため実際にはないシーンが予告では多く見られファンの間では「ウソ予告」として語り草となっている。(例、『温泉わくわく大決戦』での野原一家離散、『オトナ帝国の逆襲』の戦闘シーンなど)劇場版クレヨンしんちゃんでは『温泉わくわく大決戦』の不健康ランド、『オトナ帝国の逆襲』の中盤のカーチェイスシーンなどが水島監督が担当した演出である。また一説によると「ケツだけ歩き」は水島監督が最初に演出したといわれ、同じくクレヨンしんちゃんに参加していた湯浅政明によると「尻で歩くアイデアは自分も考えたが先をこされた」と語っている。
本人曰く「『やりすぎない』という文字は私の辞書にはない」としておりとことん作品のクオリティを高めることを念頭に置いている。そして「原作を好きな人にこのアニメは原作のことをよくわかってると思えるようにつくる」という原作重視方針に結び付くと原作が危ないネタだらけの場合、非常に危険な方向へ突き進むことになる。また、「よんでますよ、アザゼルさん。」のトークショーで「危ない事象のネタは面白いかな」とも発言しておりブラックユーモア系の原作作品に対する造詣も深いのでますます過激な方向へ突き進み、TV局の放送コードと戦う日々を送っている。
放送コードの制限がないOVAではその過激さはますますパワーアップしており、フリー直後に監督を務めた『撲殺天使ドクロちゃん』『大魔法峠』のOPや内容は「公式が病気シリーズ」の常連となっている。
「クレイジーボーイ」という愛称は声優の小野坂昌也が『よんでますよ、アザゼルさん。』のラジオでの発言からついたもので、原作の長いセリフを可能な限り映像内に取り込むために声優陣に非常に無茶な要求をしたり、過激な原作のギャグを可能なかぎり映像に取り込もうとする姿勢を評してつけられた。ちなみに水島監督はこの愛称を知っておりトークショーで名乗ったりしている。水島監督の奇行、無茶ぶりなどのエピソードは声優以外にもスタッフや彼を管理する製作プロデューサー、原作者などからも語られており彼の個性派っぷりがうかがえる。
また手がける作品内に変なダンスを入れることも多く、『侵略!?イカ娘』のレディオ体操は自ら踊った映像をアニメーターに渡してそれを元につくったという逸話もある。
監督作品(※マークは音響監督も兼任)
- 映画クレヨンしんちゃん
- ジャングルはいつもハレのちグゥ
- 撲殺天使ドクロちゃん
- 大魔法峠
- xxxHOLiC
- げんしけんOVA
- げんしけん二代目(※)
- くじびき♥アンバランス
- おおきく振りかぶって
- ケメコデラックス!
- ムダヅモ無き改革
- 侵略!イカ娘
- よんでますよ、アザゼルさん。
- BLOOD-C
- +チック姉さん(※)
- Another
- じょしらく
- ガールズ&パンツァー
- ウィッチクラフトワークス(※)
- SHIROBAKO(※)
- 監獄学園(※)
作詞・作曲
かつては音楽教師を志望していたためか、監督作では主題歌その他楽曲の作詞・作曲に携わることが多い。以下、関わった曲名(作品名)で列挙。
- クレヨンしんちゃん シリーズ
- ケメコデラックス!
- ガールズ&パンツァー
- じょしらく
- 侵略!イカ娘
- 侵略!?イカ娘
- 大魔法峠
- 撲殺天使ドクロちゃん
- 撲殺天使ドクロちゃん2007(作詞)
- 撲殺音頭でドクロちゃん(作曲)
- 撲殺天使ドクロちゃん(作詞・作曲)
- よんでますよ、アザゼルさん。
- よんでますよ、アザゼルさん。Z
- SHIROBAKO
- あいむそーりーEXODUS(作詞)
- 山はりねずみアンデスチャッキー(作詞)
関連動画(監督を手掛けた作品の公式配信など)
関連静画
関連項目
外部リンク
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