水球(すいきゅう)とは、水中で行う球技である。英語でwater polo(ウォーターポロ)といわれる。激しいボールの奪い合いが随時行われるため、水中の格闘技と言われる。
概要
日本では競技人口は5000人ほどで、水泳経験者を除きあまり馴染みがないスポーツである(ただし、スイミングスクールなどのレクリエーションで経験したことある人は少なくないはず)。
だが、オリンピックの正式種目であり、ヨーロッパを中心に人気が高い。とりわけ、世界一の水球大国といわれるセルビアを筆頭に、ハンガリー、モンテネグロは国技といわれるほど高い人気を誇っている。他にもイタリア、マケドニア、ギリシアなどで人気が高い。
その名の通り、プール内で行う球技であり、水中のハンドボールの異名を取るように、ゴールキーパーを含む7人×2の2チームがプールサイドの上でお互いのゴールに向かってゴム製のボールをシュートして得点を競う競技である。
コートは幅35m、長さ20m(ここがミソ)、そして水深は2m以上となっているので、高校以上の25m×6コースのプールであれば、試合が行えるようになっている。だが、2mで足が付く選手はごくまれであり、立ち泳ぎができることが必須である。また、水温は26度(誤差プラマイ1度まで)と定められている。
移動は主にクロールか背泳ぎなどを使うので泳げることが選手の最低条件なのは言うまでもないが、顔を開けたまま泳げることが求められる。また、相手の身体を傷つけるような道具の使用が禁止されているため、ゴーグルが着用できない。
よって、立ち泳ぎを常時続けている状態であるため、世界で最も体力を消費するスポーツともいわれる過酷なスポーツである。そのため、水球の選手の身体はまるで彫刻のような肉体美を誇っている。男子日本代表はポセイドンJAPANという。
試合は一般戦で、8分×4クォーター(ピリオド)制で行われ第1、第3クォーター後に2分のインターバル、第2クォーター後に5分のハーフタイムが取られ、その間だけはプールから上がることができる。
試合の流れとルール
前述した通りハンドボールと同様、1チーム7人、計14人で行う。また、選手はボールを投げてパスをするほか、ボールを持ったまま泳ぐことができる(後述するがボールを沈めるのは反則である)。だが、パスは両手で受けてはならない。選手の交代は何度でもできる(但し、攻撃中は再入水ゾーンといわれる場所からのみ)。攻撃権はバスケットボールのように時間制になっており、攻撃権を持ったチームは30秒以内にシュートをしないといけない。その上、オフサイドもあり、ゴールより2m以内に、ボールより先に選手が入ってパスを受けた場合、そして同じくゴールから2m以内に、シュートの際に、シュートに全く干渉しない味方が待機している時に適用される。ゴールに入れると1点入る。尚、ゴールラインに触れると反則である。
そして、水球は試合中のファールがかなり多い。ファールは軽度のオーディナリーファールと重度のパーソナルファールに分けられる。
オーディナルファールは以下のものがある。オーディナルファールとなると、相手チームのフリースローになる。また、5m以上離れていればシュートを打ってもよい。
- ボールを水中に沈める。
- 攻撃権を持ってから30秒以内にシュートしなかった。
- 相手を押し出した。
- ボールを握り拳で扱った
- ボールを両手で扱った
- 相手の上を泳いだ
- フリースローで投げるふりをした
- ボールを持っていない競技者の手足を束縛する(ただし、審判に見られないように行うことが多い)
対して、パーソナルファールとなると、ファールを犯した競技者は退水といって20秒間プールから出なければいけない。これを3度繰り返すと退場処分となる。主なものに以下のものがある。
- 競技者のフリースローを妨げる
- ボールを持っていない競技者を沈めたり掴んで引っ張ったり引き戻したりした
- ゴールラインに触った(ゴールが動くため、ペナルティは重くなっている)
- ゴールから5m外で、両手を使ってシュートをブロックした
更に暴力行為や登録外の競技選手の入水などは、一発退場になる。
メディア
水泳がメディアに採り上げられることは極めて少なく、2014年にジャニーズ主演のドラマがあった程度である(しかし、某アイスホッケードラマほど話題にならなかった)また、漫画も本格路線の漫画は皆無に近く、過去にややギャグテイストでファンタジー路線ながらも、水球の試合をそれなりに試合はしっかりやってたサンデー連載のBF(バトルフィッシュ)ボーイズという漫画があったぐらいである。試合を全くやってないハンツー×トラッシュという、プールの排水口に沈めたくなるようなお色気だけの漫画はあるが。
なお、芸能人ではミュージシャン吉川晃司が水球経験者として知られ、全国ジュニア選手権、高校選手権で最優秀選手になったというほどである。
関連動画
ニコニコではまともな動画は皆無なので、youtubeなどで探すのをオススメする。
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関連項目
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