永久凍土とは、2年以上地面の下が0℃より低い地盤である。
概要
ツンドラのような寒冷な地域に分布する。ただし、ケッペンの気候区分におけるツンドラ気候とは必ずしも分布は一致せず、針葉樹林帯(タイガ)でも分布することがある。日本の場合は富士山頂や大雪山頂、立山山頂など、高い山の上に存在する。
正確には、凍っていなくても0℃未満であれば永久凍土となる。表面付近の土の水分が融け、「ポドゾル」と呼ばれる種類の土壌になっていることもある(活動層)。また、0℃に近い温度の場合は部分的に永久凍土が融け、点在した状態になることもある(不連続永久凍土)。
ずっと凍り続けてきたため、マンモスやオオカミ、ホラアナライオンの赤ちゃんなど様々な生物の死骸が良い状態のまま発見されている。また、新種のバクテリアも発見されており、プラスチックごみの分解に役立つ可能性が示唆されている。さらに、資源としてはメタンハイドレートが埋蔵しており、新しい資源としての利用が期待されている。
一方で、永久凍土内のメタンが空気中に放出されると地球温暖化が加速する危険性が指摘されているほか、メタンが永久凍土内でたまり続けると地面が隆起し、ついには爆発することもある。また、人間に有害な未知の細菌・ウイルスが永久凍土内にいる可能性も否定はできない。
人間生活との関わりでは、永久凍土の上に直接建物を設置したり、地中に水道管やガス管などを通したりすると、熱によって永久凍土が融けて建物が傾くなどの被害が出る可能性がある。そのため、支柱を地中の深いところまで設置する、床を地面から離す、地上にパイプを通す、断熱材を使用するなどの対策がとられている。
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関連項目
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