永久欠番とは、スポーツチームの背番号や個人競技のゼッケン番号などで、様々な理由から今後使用しないとされた番号である。
概要
個人、団体に関わらず、選手を一目で分かるように識別する必要のある競技では、一人ひとりに背番号やゼッケン番号が与えられる。特に、それなり以上の期間に渡って同じ番号を使用し続ける競技においては、「何番=あの選手」というように、選手の象徴ともいえるものになる。その中でスター選手ともなると、個人のみならずチームや競技全体、はたまた一般社会までにもイメージが浸透することになる。そういった選手がチームや団体を去った際や殿堂入り等の表彰を受けた際などに、使用していた番号を永久欠番とする場合がある。つまり、番号をある選手のイメージで永遠に固定するわけである。
永久欠番が制定される理由としては、主に以下の3つが挙げられる。
- 偉大な功績を残したり、成績以外の面でも多大な貢献をした選手(あるいはチーム関係者)を称えるため(このケースが大半)
- 志半ばで無念の死を遂げた選手や関係者を悼むため
- その他何らかの理由でチームや団体が定めた場合
このうち、2のケースはそれ単体よりも、ある程度の地位にあった選手が死亡した場合、つまり1と2に跨る理由で制定される場合が多い。例として読売ジャイアンツの4(黒沢俊夫)、14(沢村栄治)、横浜F・マリノスの3(松田直樹)などが挙げられる。主力とはいえないような選手や監督、コーチなどの場合は、大抵は少しの間を置いてから使用が再開される。
3のケースの例としては、ファンのための番号がある。通常試合に出場する人数+1(サッカーなら12、野球なら10)などをファンナンバーとしているチームも多い(ただし正式に永久欠番としていない場合も)。
必要・不要論争
掲示板などで永久欠番の話題になると、大抵は必要派と不要派の論争が勃発してしまう。
必要派の意見としては、
- 偉大な選手の記憶を、チームや競技全体の歴史として後世まで刻むことは大切
- 永久欠番にならなかった場合、よっぽど知名度が高くない限りは時が経つにつれて少しずつでも薄れていく
- 簡単に他の選手に与えても大して活躍出来なければ、前任者の作った番号の価値が無くなる
などがあり、一方で不要派の意見としては、
といった具合である。(一例に過ぎないので注意)
後者は角界や歌舞伎などの名跡の継承や、学生スポーツにおいて若い番号がレギュラーで何番以降が控え、といった比較的日本的な意識によるものともいえるだろう。
どちらの意見も正しいとも間違っているとも断言出来ない。最終的な決定はそれぞれのチームや団体の判断によるものだし、事実、永久欠番を制定しているチームでも、欠番にならずに代々名選手に受け継がれている番号は存在する。先程例として挙げた名跡でも「止め名」という永久欠番に似たシステムがある。ゆえに、この論争には恐らく正解が無いので、世界から永久欠番という概念が消滅しない限りは延々と続いていくだろう。
しかしながら、番号が永久欠番に制定されているにも関わらず、ファンでさえもその選手のことをよく知らなかったり、球団の移転や売却、あるいは新しく加入した選手が着ける良い番号がなかったからという、何とも場当たり的な理由で呆気無く失効する例が散見される。こればかりは球団が永久欠番を軽く考えている証拠に他ならないので、「永久」というからにはもう少し丁寧に扱う必要があるだろう。「そんな扱いをするくらいなら初めからしなかったほうがよかった」という意見ももっともである。
準永久欠番
また、「準永久欠番」を球団が制定しているケースも有り、日本ハムファイターズではダルビッシュ有や大谷翔平が背負った「11」。横浜DeNAベイスターズでは三浦大輔が背負った「18」等を「その番号にふさわしい選手が現れるまで保留し欠番とする」という方針を取っている。
その他、オリックス・バファローズでは前身であるブルーウェーブ時代のイチローの番号である「51」が「恐れ多すぎて誰も付けたがらない」という珍事で半ば永久欠番となっているケースも有る。
大百科に記事のある永久欠番選手
日本プロ野球(NPB)
読売ジャイアンツ
阪神タイガース
中日ドラゴンズ
広島東洋カープ
埼玉西武ライオンズ
- 24 - 稲尾和久
大阪近鉄バファローズ
東北楽天ゴールデンイーグルス
独立リーグ
新潟アルビレックスBC
- 22 - 高津臣吾
石川ミリオンスターズ
メジャーリーグ・ベースボール(MLB)
※MLB各球団にも永久欠番選手が居るが、あまりにも膨大なため割愛する。
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関連項目
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