江戸川区(えどがわく)とは、東京都特別区(23区)の一つである。
概要
人口67.8万人(2015年2月)。発展が進む千葉県臨海地区と都心を結ぶ地域のため、23区内でも人口増加率は高く、40年間で20万人近く増加している。
誕生の経緯
1932年(昭和7年)の大・東京市誕生時に南葛飾郡小松川町、葛西村、篠崎村、松江村、 瑞江町、小岩町、鹿本村が合併して東京府東京市江戸川区となり、1943年の都制施行時に東京都江戸川区となった。区名は当初「松江区」が提案されていたが、松江がそれほど有名ではなかったことと、他の町村民の反発があり、区の東側を流れる江戸川から「江戸川区」と名付けられた。
区の西側には荒川および中川が流れており、小松川地区のみ浮いた形になっている。そのため小松川町は城東区(現:江東区)もしくは向島区(現:墨田区)への合併を求めていたが、当時の人口のバランスなどの問題があり、東京市長の権限により却下されている。ちなみに、戦前にできた都道府県や市町村の領域が江戸時代までの令制国や町村の領域とずれているのは人口の問題が大きい。
交通
江戸川区は南北に長く面積も大きい区であるが、鉄道路線が東西しか通っていないため、南北の移動はバスしか手段がない。このことは隣の葛飾区などと同様に長年の課題となっている。今のところシャトルバスでしのいでいるが、将来メトロセブンと呼ばれる南北方向の鉄道を建設する計画が上がっている。現在通っている東西の鉄道も快速が通過する駅が多いなど不便な点が多い。ちなみに、1970年代の成田新幹線計画には、単に通りすぎるだけであったことから隣の浦安市などと共に反対し、計画そのものを廃止させた。
江戸川区のあれこれ
- 2002年に日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院が開設されるまで区内には大きな病院がなく、他の地域の病院に頼っていた。これは江戸川区医師会が大きな病院の建設に反発していたことが原因であったらしい。
- 新小岩と小岩の住民は知名度で争っているらしい。ただし新小岩は江戸川区ではなく葛飾区である。
- 葛西臨海公園は江戸川区にあるのだが、千葉県にあると思われている。
- ひぐらしのなく頃にに出てくるキャラクターの名前や地名などは、江戸川区の町名が使われている。また、ひぐらしの原作の同人版で使われている背景の写真の多くも江戸川区で撮られたものが使われている。また、東野圭吾の推理小説『容疑者Xの献身』(第6回本格ミステリ大賞、第134回直木賞受賞作)に江戸川区の地名が登場。江戸川の河川敷も舞台として登場する。
- アニメ『カードファイト!! ヴァンガードG』における舞台のひとつとしても登場。子供が不審者に被害を被った際、不審者の放ったフェンシング用語「エト・ヴ・プレ」を子供の聞き取り違いで「江戸川区」と覚えてしまったエピソードが存在する。
- 23区内で平均年齢が最も若い区である。これは福祉や補助の充実が要因と思われる。老後を江戸川区で過ごすための移住が多く、税金を回収できないのでは? と危機感を感じた区民もいたが、同時に子供のいるファミリーや、江戸川区で出産を希望する新婚夫婦が移住しているため、子供が多い。
- ただ、かつては京浜工業地帯の一角をなす工業地であり、その頃に工業用水を汲み上げすぎたことによるゼロメートル地帯が非常に多い。ディズニーランドに近いから喜んでホイホイやってくる都外の若い世代が多いが、近隣に昔から住む江戸っ子に言わせると「かつて関東大水害やカスリーンで水の奥底に沈んだエリア」であり、ただでさえ低地なのに、高度経済成長期のツケで更にゼロメートル地帯化しているため、いつ大洪水の被害が起こるやも知れない、都内で一番災害に脆弱なエリアの一つであることは、果たして知られているのか知られていないのか微妙な所である。また、以前は隅田川を越えるとまだまだ田舎が広がっていたことから、かつては23区でも特に人気のなく垢抜けなかった区であり、そんな冴えない下町風情を逆手に取って始めたアニメが「おじゃまんが山田くん」(尤も、原作は大阪市東淀川区で、一帯は学生街)であった。「三丁目の夕日」なども当時の江戸川区をモチーフにしている。事情が変わったのは千葉県浦安市の某ネズミのいるテーマパーク開業とバブル期の頃に葛西臨海公園などウォーターフロント開発が進んでからである。
- 小松菜は江戸川区小松川発祥の野菜であり、耐寒性が高いことから冬場の貴重な野菜として近郊で重宝されるようになり、後に埼玉県、兵庫県、大阪府などでも栽培されるようになった。そして、今も小松菜栽培が盛んである。
風土
左近川
葛西地域を流れる河川で、一昔前は漁港が行われる様子が見られた一級河川であった。
東京湾へとつながるため水質は良いとは言えないが、現在でも海岸に近い場所ではハゼやセイゴ、ボラ、ウナギなども釣ることができる。
貸ボート、アヒルさんボートで遊ぶことができる場所もあり、その近くには土手にローラーすべり台が設置されていて、休日には親子連れや釣り師達によって穏やかな風景が見られる。
関連項目
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