油そばとは、一般にはラーメンの一種と認識されている麺料理の事である。東京発祥で、店舗の多くが東京にある事から、東京ラーメンの一種と言われる。
本記事では、類似の料理であるまぜそばについても取り扱う。
概要
東京の多摩地域が発祥と言われ、店舗としては一橋大学そばの『三幸』、或いは亜細亜大学そばの『珍々亭』が発祥と言われる。知名度向上に貢献した店として、小金井市の『宝華』、武蔵野市の『ぶぶか』が有名。
スープが無いのが最大の特徴。丼の底にあるタレを麺に絡めてから食べる。この為、最近はまぜそばという呼称も多く使われている。違いについては後述。
油そばを主力に掲げる店は、「酢を二周、ラー油を一周かけて食べる事」「残ったタレをご飯にかけて食べる事」等と言った食べ方指南の紙を店内に貼っているが、この通りにやらなくては駄目な訳ではない。ただし、初心者は店のお勧めの食べ方に従った方が間違いは無いだろう。最低限、食前に混ぜる事は忘れてはならない。
調味料は「酢を二周、ラー油を一周かけて食べる事」と書かれるように、多めにかけなければ味が変わらない。同様にトッピングも、生卵・マヨネーズ・明太子と言った、カロリーが高めで、味が強烈なものを使用する事が多い。その他、チャーシューやネギと言った大きめのトッピングは、混ぜ易いように細かく切られるのが普通。
スープが無い分、ラーメンよりも低カロリーで、塩分も半分程度と言われる。ただし、これはラーメンのスープを全て飲んだ場合という事に注意すべし。
油そばとまぜそば
Wikipediaではまぜそばはあくまで油そばの別名ととらえられているが、油そば店『ぶらぶら』のブログによれば「具材がシンプルでタレが少なく、麺の味を楽しむ料理が油そば」「具材が多くタレはあらかじめ絡められており、バリエーション豊かな味付があるのがまぜそば」と説明されている。
また、『横浜家系ラーメンぎん家』のブログでも個人の見解と前置きした上で、油そばを「たれと油が麺の下にあって、麺の上にシンプルなトッピングがのっている」「食べる時にラー油と酢をかけて、自分でまぜて食べるのが油そば。」、まぜそばを「提供された時点で、タレと油が混ぜてあって、既に麺と絡められている」「ボリュームたっぷりな具材がのっている」「もう既に混ぜてある」としている。
両者とも、具材のボリュームと混ぜるか否かを基準としている。
しかし、中には武蔵野アブラ學会のように油そばをあらかじめ混ぜて提供する店舗もある。これもこれで美味しい。
市販商品
『ぶぶか』のカップ麺が明星食品から発売された他、日清から『ジャンクガレッジ』のカップ麺が発売されるが、いずれも再現度は低い。とは言え、ジャンクさがウケ、こちらはこちらでファンを確立している。この他、生麺タイプのものがスーパー等で売られている。
また『東京麺珍亭本舗』『武蔵野アブラ學会』のように、通信販売をしている例もある。
有名店
- 珍々亭 - 発祥地としては最も有力視されている、亜細亜大近くのラーメン屋。
- 三幸 - 発祥地説のある店舗の一つ。居酒屋における酒の肴として、油そばを提供している。
- 丸善 - 珍々亭の裏手にある老舗。珍々亭の影響を受け、油そばを始めたものと思われる。
- 宝華 - 油そばの老舗。中華料理屋の為、餃子や炒飯等のメニューもある。
- ぶぶか - まぜそばブームの火付け役。明星食品の系列店だが、現在はほぼ独立している。
- 東京麺珍亭本舗 - 早稲田の外れにある名店。自店メニューの通信販売を行っている。
- 武蔵野アブラ學会 - 都電早稲田の駅前にある店。極太麺が特徴で、独自のタレはモンドセレクション金賞を受賞している。
- 春日亭 - 鳥豚油そばを看板メニューとしている。近年店舗を増やしている。
- ジャンクガレッジ - 一世を風靡した、六厘舎系列店舗。ベビースターやチーズ等、独特のトッピングで人気に。
- 歌志軒 - 名古屋発祥の油そば専門店。
- ラーメン二郎(一部店舗)/ラーメン大 - トッピングを誤ると混ぜる事が出来ない。これが二郎クオリティ。
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関連項目
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