泉北ライナーとは、南海電気鉄道および泉北高速鉄道が運行している有料特急列車である。
概要
2015年12月5日に泉北高速鉄道初の有料特急として運行開始。泉北ニュータウンおよびトリヴェール和泉と大阪市内の速達目的で設定された。
平日は11.5往復(上り12本、下り11本)、土休日は12往復運行。
車両は「りんかん」で使用されている11000系が使用される。また公式サイトには「サザンプレミアム」に使用されている12000系も「泉北ライナー」の編成表に掲載されている。これは11000系の検査入場時や、30000系・31000系の検査入場時に11000系が「りんかん」の運用に就くなどの場合に、12000系が「泉北ライナー」の運用に就くこととされている。
早速2016年1月4日より11000系が「りんかん」の運用に戻され、12000系が「泉北ライナー」の運用に就いており、高野線特急車両の検査が終わる2月まで代走が行われた。
そして2017年2月には泉北高速鉄道所属の12000系(南海12000系をベースに、金ピカにあしらった車両)が投入され、専用編成となった。1編成しかないため、検査などで運用離脱時は南海12000系が代走する。
南海電気鉄道は泉北高速鉄道が2014年に南海グループ入りしたあたりに、泉北高速鉄道に特急を運行することを検討していると発言しており、それが実現した形となった。泉北線では近年利用客減少が続いており、客単価引き上げによる増収とブランド力向上による住民の再流入が期待されている。
2022年11月~2023年9月にこうや用の車輌が脱線し、車輌のやりくりの関係で南海ラピート用の50000系が泉北ライナーの運用に入った。(なにわ筋線開業後の50000系を予感させる。)
2025年に泉北高速鉄道は南海電鉄に合併することになり、今後が注目される。
停車駅
和泉中央駅 - 光明池駅 - 栂・美木多駅 - 泉ヶ丘駅 - 天下茶屋駅 - 新今宮駅 - 難波駅
※「こうや・りんかん」が停車する堺東駅や、南海高野線と泉北高速鉄道線の分岐駅である中百舌鳥駅は通過となる。
特急料金
なお、南海電気鉄道と泉北高速鉄道を通しで乗った場合の、双方の会社の料金の取り分は不明である(おそらく運賃と同じように乗継割引のようなものが適用されているものと思われる)。もっとも、泉北高速鉄道は南海電気鉄道の連結子会社であり、どちらの会社に収益を計上しても結果的に一本化して連結決算を組むこととなるため、取り分に関してはあまり大した問題では無いと思われる。
利用状況
運転開始当初の乗車率はラッシュ時でも40~60%程度に留まるなどいま一つであったが、チケットレス特急券のポイント100%還元キャンペーンなどの施策を行ったことや広告による効果から次第に浸透し、平日朝上りと夕方以降下りは概ね50~80%の乗車率に達している。新車の投入や増発などと言った状況から、採算ラインには乗っていることが伺える。しかしラッシュ時の反対向き列車や土休日はガラガラであることが多く、南海本線の「ラピートβ」「サザン」や高野線の「こうや」「りんかん」以上に通勤ライナーに特化した需要であることが伺える。
広報資料「ハンドブック南海2017」によると、2016年中の泉北ライナー延べ利用者人数は27.2万人であった。これを12000系の座席定員で割ると、乗車率は平均22%程度となる。一方で特急料金収入は年間約6,380万円に留まり、これを1乗車あたり単価を割り出すと234円/人と、特急料金が510円なのに客単価が半額以下という不思議な現象が浮かんでくる。
このことから、定期特急券やチケットレスサービスのポイント利用で泉北ライナーに乗車している者が多いことが想定される。平均乗車率が30%弱ながら年間で約8億円の特急料金を稼ぎ出す「サザン(指定席)」や、インバウンド効果でレギュラーシートの平均乗車率が50%前後と好調な「ラピート」などと比べても、採算性の悪さが目立つという点では課題が残る状況と言える。
このような状況にもかかわらず、2017年8月のダイヤ改正で再び南海11000系を専用車として駆り出し、1日2編成体制にして増発した。しかしながら2018年度の実績は前年度と比べて総運転本数は実質1.6倍近く増えたにもかかわらず、乗客数及び特急券売上は対前年比で1.2倍ほどの増加(延べ乗客数33万2千人、特急券売上およそ7300万円)、平均乗車率は20%を割り込むなど、増便の割に利用は伸びておらず見通しは明るくない。
このため非定期客の呼び込みを図るべく2018年には泉北と南海で車両を取り替え、泉北車を「サザン」で運用するなど、南海グループ一体となって広報に努めている。
関連動画
関連項目
- 1
- 0pt