泉北高速鉄道とは、1965年に設立された鉄道事業者(準大手私鉄)である。
概要
流通センターの運営事業、鉄道事業などを行っている会社で、1971年に泉北高速鉄道線を開業させた。本社は大阪府和泉市の和泉中央駅内にある。
もともとは「大阪府都市開発株式会社」であり、大阪府などが出資する第三セクターであったが、2008年から大阪府が保有する株を売却して、民営化する話が浮上し、2014年7月1日に全ての株式が南海電鉄に売却され、南海グループの一員になった。それと同時に社名が「泉北高速鉄道株式会社」に変更された。
その後は南海電気鉄道の100%子会社として存続したが、高齢化が進む泉北地区の創生や経営統合のために2025年4月1日をもって南海へ吸収合併されることが決定。合併後は解散し、60年の歴史に幕を下ろすこととなった。
事業
流通センター事業
鉄道事業
グループ会社
- 泉鉄産業 - 泉北高速鉄道関連の会社
- パンジョ - 泉北タカシマヤをキーテナントとしたショッピングセンター「パンジョ」の運営
- 大阪府食品流通センター - 「大阪府中央卸売市場付設加工食品卸売場(大阪・茨木こだわり食材市場)」の運営
民営化問題
2008年4月、当時の橋下徹大阪府知事が大阪府都市開発の大阪府が所有する株を売却して民営化する方針を表明。これに南海電鉄が株主を取得する意向に乗り出した。大阪府議会からは黒字企業である大阪府都市開発を売却することに反論があったが、結局民営化に向けて動き出すことになった。2009年4月時点では物流業と鉄道事業を分割民営化させる方針であったが、鉄道事業(採算性低)と物流業(採算性高)を一体して民営化したほうが、鉄道事業含めて経営が安定することから、2010年9月に一体して民営化する方針に切り替えられた。
その後、2011年までに赤字となっていた「りんくう国際物流」と「大阪りんくうホテル」の所有施設を民間に譲渡している。
2013年6月、大阪府が670億円見込みで売却先の公募を実施。最終候補として南海電鉄とアメリカの投資ファンドであるローンスターが残った。南海電鉄は「買取額は約720億円、泉北高速鉄道の乗継割引は80円値下げ」、ローンスターは「買取額は約780億円、泉北高速鉄道の乗継割引は10円値下げ」とした。利便性を考えれば南海電鉄に売却するほうがよいのだが、ここで金に目が眩んだ大阪府はローンスターに優先交渉権を与えてしまった。この結果、(売却禁止を5年としていたが)投資目的で再売却されることを危惧した泉北高速鉄道の沿線住民や沿線にキャンパスをもつ大学、堺市、和泉市から批判されることになり、あげくの果てには大阪維新の会の一部議員からも反発の声が挙がることになり、2013年12月に大阪府議会(大阪維新の会が過半数を占める)で株式売却に関する議案が否決される事態となった。
大阪府は議案が否決された場合は再度公募を実施するとしていたが、準備に1年間かかる上に同等以上の条件を出す企業が現れる保証もなく、結局2014年2月に南海電鉄に約750億円で随意契約で売却する方針を示したため、民営化問題は収束しそうである。その後、5月に大阪府と南海電鉄が契約を交わし、大阪府以外の株式を含めて100%取得することで合意。6月の大阪府議会で売却が可決され、7月1日に「泉北高速鉄道」に社名変更して、南海グループ入りした。
なお、大阪府が2013年から売却額にこだわったのは、北大阪急行電鉄南北線の箕面延伸の資金を確保するためであったのだが、金に目が眩んだために売却に時間をかける羽目になってしまった。
関連動画
関連項目
準大手私鉄一覧 |
新京成電鉄-山陽電鉄-泉北高速鉄道-北大阪急行-神戸高速鉄道 |
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