概要
洋(よう)+梨ということで、西洋で獲れる梨のことであり、西洋梨ともいい、英語ではpear(ペア)という。これに対して、日本のいわゆる梨は、和梨といい、この2つは明らかに栽培地域が異なるため、農林水産省では別の作物として区分している(このほかヤーリーなどの中国梨というのもあるが、岡山など一部でしか作っていない)。
形状は起き上がり小法師のような瓢(ふくべ)型であり、縦に長い。また、食感もシャリシャリした和梨とはまるで異なり、まろやかである。そして、追熟させることによって芳醇な香りを醸し出し、食べ頃となる。メロンのようにスプーンで掬って食べるのが一般的。
寒冷な気候を好む。そのため日本では山形県が一大産地であり、全国の7割ほどを占めている。その多くがラ・フランスという品種であり、そのため洋梨=ラ・フランスだと思いこんでいる人が殊の外多い。また、このラ・フランスだが、山形が栽培に適していたのに対し、本場ヨーロッパでは、元々気候が適していなかったため、ほとんど栽培されなくなった。山形県内では天童市や高畠町、東根市が一大産地となっている。山形に次ぐのが新潟県であり、ここで栽培されるル・レクチェは新潟の特産品として知名度も上がってきている。このル・レクチェも本場フランスでは栽培の難しさから、ほとんど栽培されていない。その他、長野県、青森県、岩手県、北海道の生産量が多く、青森ではバートレットの生産が盛んだったが、近年はより高級品種のゼネラル・レクラークを売りとしており、新潟と2位の座を争っている。他によく見る品種としてはオーロラ、シルバーベルなどがあり、幻といわれた希少種も少なくない(しかし、今日では通販で購入できたりもするので、入手困難というほどでもない)。
香りがよく、果汁が多く含まれることから加工品にもしやすいため、和梨よりジュースやお菓子のフレーバーに用いられている。また、お菓子やケーキの原料になることも多く、洋梨のタルトは定番のお菓子である。
一方、洋梨はずんぐりむっくりとした形状と冴えない皮肌の色合いから、海外や山形などの産地では不格好の形容としても用いられることがある。
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