流星のロックマンとは、株式会社カプコンから発売されたニンテンドーDS用のゲームシリーズである。
概要
ロックマンシリーズ20周年記念に作られたゲームソフト「流星のロックマン」。ジャンルはブラザーアクションRPG。
初代「流星のロックマン」はペガサス/レオ/ドラゴンの3バージョン
「流星のロックマン2」はベルセルク×ダイナソー/ベルセルク×シノビの2バージョン
「流星のロックマン3」はブラックエース/レッドジョーカーの2バージョン
合計7本のソフトが販売されている。また、その後DSでロックマンエグゼシリーズとのコラボ作品である「ロックマンエグゼ オペレートシューティングスター」が発売された。
ロックマンエグゼシリーズから200年後の世界が舞台になっており、その後継作にあたる。エグゼシリーズのシステムを受け継ぎつつ、流星のロックマン独自のシステムが採用されたゲームになっている。
また、流星のロックマン1ではコナミから発売されたDS用ソフト「ボクらの太陽」とコラボし、本作に向こうのキャラクターがゲストとして登場したり、クロスブラザーバンドを結ぶことができる。
流星のロックマン ペガサス/レオ/ドラゴン
記念すべき第1作目。
バージョンにより別の姿に変身するスターフォースシステムが使える。
属性は各固定で、アイスペガサス「氷」、ファイアレオ「火」、グリーンドラゴン「木」となっている。
別バージョンとブラザーを結べばそのスターフォースも使えるため、ペガサスバージョンでありながらレオとドラゴン3つの姿を使い分けることが出来る。
流星のロックマン2 ベルセルク×ダイナソー/ベルセルク×シノビ
2種類のソフトにそれぞれ2バージョンのゲームが入っている。
各バージョンでトライブオンと呼ばれる異なる変身が使える。ベルセルク×ダイナソーはサンダーベルセルク「雷」とファイアダイナソー「火」、ベルセルク×シノビはサンダーベルセルク「雷」とグリーンシノビ「木」。
また単体のソフトで2バージョンのトライブを組み合わせるダブルトライブが使える(別バージョンとブラザーを結ぶことでも可能)
さらに別バージョンとのブラザーバンドにより3つのトライブを融合させたトライブキングの姿になることが出来る。
流星のロックマン3 ブラックエース/レッドジョーカー
流星シリーズ最終作であり、ゲームシステム・デザインの大幅な改良によりファンの間で最高傑作と呼ばれるようになった。
各バージョンで変身システムであるノイズチェンジの発生確立が違うが、使えるノイズは共通の「リブラ/コーヴァス/キャンサー/ジェミニ/オヒュカス/キグナス/オックス/ヴァルゴ/クラウン/ウルフ/ブライ」の11種類で、これに属性が加わる。
さらに各バージョンで最終変身であるファイナライズの姿が異なり、それぞれブラックエース・レッドジョーカーとなる。
本作にはブラザーバンドによる変身の共有はない。
詳しくは個別記事(流星のロックマン3)を参照。
主な登場キャラクター
星河スバル (CV:大浦冬華)
- 主人公。宇宙に関することが大好きな小学5年生。夢は父親と同じ宇宙飛行士になること。
ウォーロック (CV:伊藤健太郎)
- はるか宇宙の惑星「FMプラネット」からやって来た電波生命体。自由奔放な性格で、電波ウィルス相手に暴れることが大好き。
白金ルナ (CV:植田佳奈)
- シリーズのヒロインの一人。みんなを引っ張るクラスの委員長。気が強いけど友達思い。
牛島ゴン太 (CV:大畑伸太郎)
- ルナの取り巻きの一人で、外見に違わず、力自慢の食いしん坊。牛丼が大好物。
最小院キザマロ (CV:儀武ゆう子)
- ゴン太と同じく、ルナの取り巻きの一人で、物知りで情報通。
響ミソラ (CV:福圓美里)
- シリーズのメインヒロインとされている、大人気の少女シンガー。
スバル同様電波変換でき、FM星人「ハープ」と電波変換することで「ハープ・ノート」になる。
その他の登場人物は「流星のロックマン 関連項目一覧」を参照。
エグゼシリーズとの相違点
フィールド
本作では今までの電脳世界に加え、新たに電波世界を探索する。
電波世界というのは、電波によって構成されている世界のことで、現実世界と平行して存在し、ゲーム内では現実世界の上空に存在するように描写されている。
メールやテレビなどの情報は電波世界を伝って世界に配信されていき、それが具象化されたのが電波世界にあたる。
これに伴いインターネット・電脳世界が舞台の「ネットバトル」から、 電波世界であるウェーブロードを舞台にした「ウェーブバトル」へ それにより、ロックマンの掛け声も 「バトルオペレーション、セット・イン!!」から「ウェーブバトル、ライド・オン!!」へと変化した。
メール、テレビ以外の情報のやりとりも全て電波によって行われ、制御されており、普通の人間には目視できないがビジライザーという特殊なメガネをつけることでそれを確認できる。
電波世界は現実世界の上空に存在していて、主人公は後述する電波変換を使用することでそこを歩き世界を回ることになる。
電波世界を移動することで現実場所の他の場所に移動することが可能で、A地点から電波化して電波世界のA地点からB地点に移動して現実世界のB地点に出るということが可能で、本作ではこれを活用してストーリーを進行していくことになる。
電波変換
本作の中核となる要素で、人間が電波生命体”FM星人”と融合することである。 主人公の場合「電波変換!星川スバル、オン・エア!」の掛け声でウォーロックを強化スーツのように纏う。 この状態では、現実世界だけでなく電波世界・電脳世界を自由に行き来することが出来る。 基本は人間とFM星人両方の意識が同居するのであるが、FM星人の意思で強制的に電波変換した場合、人間の体を乗っ取られることもある。
ゲーム1作目では人間の意思で自由に電波変換出来るのは限られた人間だけであったが、3作目では電波変換の仕組みを解明することで携帯端末にこの機能を補佐する仕組みが取り入れられた。そのため、ある程度適正のある者であればサポートプログラムである”ウィザード”と電波変換することが可能になった。一度電波変換した場合そのデータは記録され、管理局の承認なしでは自由に電波変換が出来ない。 これにより主人公の掛け声も「トランスコード!シューティングスター・ロックマン!」の音声認識へ変化した。
ちなみに主人公サイドの各トランスコードはエースが001、ブライが002、ロックマンが003、ハープが004、オックスが005、ウルフが011、キグナスが020である。
端末の変化
- PET(ロックマンエグゼ1~6)
- 従来のエグゼシリーズに登場した携帯情報端末。PErsonal Terminal(パーソナルターミナル)の略でありネットナビはここへインストールされている。 本作ではロックマンエグゼから200年後であるためPET自体が過去の端末となり、流星のロックマン1のとあるゴミ捨て場にPETが大量に廃棄されている。
- スターキャリアー(流星のロックマン2) トランサーの次世代機。トランサーとは違って腕に装着するタイプのデザインではなくなっている。 基本的にはトランサーと同じだが、新機能として電波を物質化できるマテリアルウェーブが追加されている。
- ハンターVG(流星のロックマン3) スターキャリアのさらに次世代機。 以前の端末に比べて、ウイルスバスティングに特化されている。電波変換機能の実装を前提に作られているが、世間には公表されていない設定になっている。 周囲の電子機器操作も可能で、ポップアップ機能が新たに登場。 ウィザードと呼ばれる高度な実行プログラムも制御可能。ウォーロックはバトルウィザードとカテゴライズされている。
システム
ブラザーバンドシステム
今作のゲームジャンルが「ブラザーアクションRPG」と呼ばれる最大の要因が「ブラザーバンド」である。本編ストーリーでたびたび登場するキーワードでもあり、ニンテンドーDSの最大の特徴ともいえる「ニンテンドーWi-Fiコネクション」を利用したシステムである。
ここでいう「ブラザー」とは「brother(兄弟)」という意味ではなく、むしろ「親友」という意味に近い。よって、家族であっても、異性であっても、年齢・世代が大きく離れていても、お互いの同意でブラザーになることができる。
シリーズを追うごとに、その形態は変化を遂げていくが、いずれの作品においても、通常のロックマンをさらにパワーアップさせることであり、シナリオ進行や通信対戦において有利にバトルを進めることができる。
使用するシステム環境の都合上、身の回りにネット環境がないプレイヤーや、身の回りに同じく「流星」をプレイしている友人がおらず、一人で遊ぶプレイヤー(いわゆる「ぼっち」)にとっては、非常に不利なゲームであるため、このシステムは他のロックマンシリーズより人気が非常に悪い原因の1つとも言える。
バトルカード
エグゼでいうバトルチップに相当する要素。バトルカードはDSの下画面で選択可能で、2×3の計6枚が表示される。 エグゼと違ってA~Zのコードがない代わりに、選択するには幾つかルールがある。
- 通常は縦方向に隣り合っている2枚、または同名のカードを選択することができる
- スターフォース(流星1)、およびトライブオン(流星2)を発動することで、横方向3枚選択も可能になる
流星3では、通常状態のロックマンでも選択できるようになった。 - 「ホワイトカード」と呼ばれる枠が白い(実際には銀色っぽい)バトルカードは、上のルールに関係なく選ぶことができる(エグゼのアタック+10などの*コードチップがこの枠にあたる)
- 流星3のみ、特定の組み合わせと順番でバトルカードを3枚選択すると、融合して強力なカードに変化する 「ギャラクシーアドバンス」が発動する(エグゼシリーズの「プログラムアドバンス」に通じるシステム)
個別のバトルカードについては、『ロックマンエグゼ/流星のロックマンシリーズのバトルチップ/バトルカード一覧』を参照。
その他のシステム
- 視点・フィールド面積の変化
本作ではロックマンの背後にプレイヤーのカメラが移動し、敵と向かい合って戦うシステムのため、遠近感や迫力が増している。
また自エリアと敵エリアの色分けがない、3×5列のフィールドとなり、自分は手前の横3マスを移動出来る。 - ウォーロックアタック
フィールドの特性上、横移動しかできないため、一見ソード系などの攻撃は当てにくいと思われる。
それを補完するのが、新システムであるウォーロックアタック。
バトル中に↓ボタンを押すことによってロックオンモードになり、前方か斜め45°(ボス戦ではフィールドの両対角線)に敵が来ると照準が合い、攻撃決定とともに敵前に踏み込んで攻撃する。 - シールド
横移動だけしかできないためそれだけでは回避できない行動が多々存在する。
そこでYボタンを押すことによって一定時間シールドで防御することが可能になっている。 - ロックバスター
Bボタンを押し続けることで連射が可能になった。それに伴いチャージショットはボタンを押さない間に自動でチャージされ、その後押すことでショットを放つ。 - カウンターシステム
エグゼ3以降カウンターシステムが追加されたが今作にもカウンターシステムが追加されている。
カウンターした相手を麻痺状態にするが、それ+手持ちにフォルダから手持ちにランダムに1枚カードを手にすることができる。通常6枚しか手持ちにカードを加えることができないがこれにより最大12枚まで1ターンにカードを使うことが可能である。また、変身時は特殊なカードが手札に加わる。 - その他、バトルリザルトでカードかゼニーかHPボールかかけらが手に入る点は同じ。
メディアミックス
月刊コロコロコミック誌上でのメディアミックス展開により、漫画化もアニメ化もされている・・・のだが、
アニメのDVDや漫画版の存在は都市伝説と化している。中身の栄えは・・・お察し下さい。
一応、その輝かしい経歴について無駄に面白おかしく書いた過去の記事については、こちらのリビジョンを参照。
アニメ版
1話30分ではなく、「おはスタ」の派生というか兄弟番組である「おはコロシアム」の幕間に放送される10分アニメの1つであった(前半枠)。 10分枠の制約の中で、引き伸ばしも回想も使用せず果敢に奮闘するも、最終話はソードマスターヤマト化した。
また、DVDもイギリスでは発売されているが、日本国内では発売されておらず、CDもロックマンエグゼシリーズ ボーカル・アルバムでボーナス・トラックとしてハートウェーブ(TV-size)が収録されているのみでそれ以外は全く出ていないという前代未聞の事態に陥っている。それでもDVDが買いたい!という人は日常英会話の練習として、英語版を買ってみてはいかがだろうか?
スタッフ
主題歌
- 1期(無印)OP:ハートウェーブ
- 歌:響ミソラ(福圓美里) / 作詞:marf / 作・編曲:鳴瀬シュウヘイ
- 2期(トライブ)OP:絆ウェーブ
- 歌:響ミソラ(福圓美里) / 作詞:marf / 作・編曲:鳴瀬シュウヘイ
漫画版
流星のロックマン
作者は板垣雅也 。月刊コロコロコミックにて、2006年11月号から2008年1月号まで連載された。
世界観・キャラクターの設定が原作とやや異なり、以下にその例を挙げる。
- 「新聞 読みながら メシ食って 快便こいちゃ ワリーかよ!!」と自信満々のウォーロック。
- ずっと電波人間のターン。人間のターンはほぼ来ない。
- 無駄に暑苦しい画。
- いいんちょ?誰それ?ちなみオフュカス・クイーンは総登場わずか20コマ!
- 最終回寸前にやっと出てくるハープ・ノート。
- せんベー!
- 戦いはほぼ肉弾戦(バトルカードは2回使用)。
- 最終的には全く別の話に
ごめん・・・黒歴史って言葉しか思いつかねぇ・・・。
TRIBE 流星のロックマン 武闘外伝
月刊コロコロコミックにて、2008年2月号から2008年7月号まで連載。
作者は前作に引き続き、板垣雅也。
『流星のロックマン2』を原作としているが、世界観は原作と全く異なるオリジナル設定であり、
主人公のロックマンは「星河スバルが電波変換した姿」ではなく、「ロックマンばかりが集まる集落の生き残り」という設定になっている。
笑劇オンエア!!流星のロックメ〜ン
別冊コロコロコミックにて2006年12月号から2008年12月号まで連載。
作者は『激闘!エグゼ兄弟ロックメーン』と同じ、川野匠。
主人公「星野流太」の日常生活を描いた作品で、ゲームの中からロックマンを呼び出して、現実空間に飛び出したゲームキャラクターと戦わせるのがストーリーとなっている。
流星のロックマン3
月刊コロコロコミック2008年12月号と2009年1月号に前後編で短期連載された作品。
作者は、同誌に掲載されていた『ロックマンエグゼ』を執筆した鷹岬諒である。
こればかりは何が何でもファンは買うべきだった。評価も一番安定していた印象が強い。
ストーリーが他の漫画作品に比べて原作を非常に再現しており、作中では、ノイズチェンジはキグナスノイズに、ファイナライズはブラックエースに変身している。
現在では当然入手困難(ちなみに12月号のは付録の方に描かれていたため絶望的…)だが、狙ってみる価値は十分あるかもしれない・・・。
2022年に復刊ドットコムより出版の『鷹岬 ロックマンワークス SSR』に前後編が収録された。
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関連項目
- ロックマン
- 流星のロックマン3
- ロックマンエグゼ
- カプコン
- ボクらの太陽
- 星座カースト制度(その他)
- 流星のロックマン 関連項目一覧
- ロックマンエグゼ/流星のロックマンシリーズのバトルチップ/バトルカード一覧
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