浜矩子とは、同志社大学大学院のビジネス研究科長・教授・エコノミストである。専門は国際経済のマクロ分析。愛称は「妖怪人間紫ババア」「1ドル50円ババア」など。
上記の通り国際経済のマクロ分析を専門としているにも関わらず、その割にマクロ経済学をあまり理解していない模様。また「ディンフレーション」(デフレとインフレが同時に進行する)「バブデフレーション」(デフレ下でバブルが到来する)など勝手に経済用語を作っている。
自らの予想が大ハズレしてしまった逆恨みからアベノミクスを非常に敵視しており、ことあるごとに批判している。その内容の親和性からメディアへの露出も多い。
発言など
- (橋下徹について)「こうした発言を繰り返す人物が為政者、改革者として脚光を浴びる“橋下現象”は、日本の閉塞状況を考える上で何かを示唆している」「橋下さんは、自分は幸せなんでしょうけど、あまり人の幸せを考えるという雰囲気が出てくる感じの人じゃない」「現在のように社会が閉塞感に満ちている時代には、必ずこうした単純・極端・切り捨てタイプの政治家が頭角を現す」
- (日本銀行についてについて)「まったく情けないですね。そもそも安倍政権はまだ発足していない。“非公式な打診”だけで右往左往する日銀は、自ら独立性を放棄しているとしか言いようがない。国民のために金融政策を立てる中央銀行の責務を果たしているとは、とても思えません。あまりにも事なかれ主義、国民をバカにしています」
(2012年12月21日)
- 「ドル高修正の象徴として、いずれ「1ドル=50円時代」が到来すると予告してきたが、 2012年にはその数字がいよいよ現実のものとなっていくだろう。 1ドル70円を割れば一気に加速がつき、60円を割って50円へと向かう。 その時、名実ともに、完全に、ドルは基軸通貨でなくなる。 」
(SAPIO2012年1月11・18日号)
- 「日本の場合にはどうか。経済実態の完璧収斂無きこの経済圏において、いつまで、円という単一通貨を保持し続けることができるだろうか。それを可能にするための財政は、いまや、空前の窮地に立たされている。そのもの自体の存立が、危ぶまれている。中央所得再分配装置が壊れた時、不ぞろいの経済圏である日本で何が起こるか。 そもそも、円という単一通貨を共有していなければ、日本経済はやっていけないのだろうか。そんなこともなさそうな気がする。ご一緒に追究していきたいテーマだ。」
(毎日新聞2012年2月5日東京朝刊)
- 「韓国への5兆円スワップは日本の心意気」
- 「経済成長する必要はない」
- 「脱アベノミクス」
- 「アベノミクスは浦島太郎の経済学だ」
- 「アベノミクスは『アホノミクス』」「グローバル市場の到来以前に逆行している」「時代錯誤的だ」
- 「安倍政権は、中央銀行に作り 出させる円安で、点数稼ぎをしようとしている。レーガノミクスが金融政策への便乗商法なら、 アベノミクスは、金融政策に対する恫喝(どうかつ)商法だ。法改正をちらつかせながら、言いなりになる ことを強要している。いずれ劣らず、悪徳商法だ。だが、やっぱり、恫喝の方がタチは悪いだろう。 」
(毎日新聞2013年01月21日東京朝刊)
- 「ここまでデフレが進んだのは、いわば日本がグローバル化に過剰に反応してきたからだといえると思います。適応は日本のお家芸ですからね。」「小泉改革は規制緩和を進め、市場原理主義を進め、日本にグローバル・スタンダードを持ち込みました。その過程でおきたことがすべてデフレに直結してます。」「人間は言葉で思考するものですから、まずは「内需拡大」や「雇用対策」に変わる新しい言葉を作って新しい知恵を生み編み出していく必要があります。」
(文藝春秋2010年1月号)
- 「今の世の中の状況からすれば、実をいえば成長への近道は分配を通じてではないかと思います。」「東日本大震災のときにもよく分かったのが、ひとつの共同体のなかにいろいろな機能が生きている状態であれば、あのような大惨事が起こっても何とか支え合って生きていける、ということでした。多機能型の小宇宙というものが成立していないと、あっと言う間に経済活動も生活も行き詰まってしまうということをわれわれは目の当たりにしました。 市民社会密着型の経済では、みんな寄ってたかっていろいろなことをやる。その意味では足腰の強い共同体が形成されることになると思います。」
反論
- 渡邉哲也「いわゆる破綻論者なんていう方々がそこらじゅうにおりまして、1ドル50円になるとかアベノミクスで日本は崩壊するとかいう方おりますけども、例えば一つの例として挙げますけども1ドル50円は来ないんです物理的に。何故かというと去年の秋の75円水準で日本企業のほとんどが潰れそうになっちゃったと製造業。企業潰れると銀行がダメになる、銀行ダメになると通貨暴落するんですよ、だからそこまで行く前に反動してしまう。様々な悪いところだけ取り上げて批判する方々がいる。これが日本をダメにしている最大のものであり自信を失わせているものだと思うんですね。」
- 村上尚己「一般的な経済学の教えを踏まえれば、いま安倍政権が掲げるアベノミクスは、世界標準の 政策パッケージというのが私の理解だ。それを「アホノミクス」と揶揄する浜教授の言説を、 私は理解できない。 浜教授は、過去半年ほど続いている株高と、円高是正がもたらす経済への好影響を無視し、 4月に国債市場で起きている金利の変動を指して、「アベノミクスの弊害であり、『国債神話』 なるものが崩れる」と警鐘している。 しかし、景気回復が予想されれば、金利が多少上昇することは当然だ。名目金利が上がって いるが、経済活動に本当に影響する実質金利は、かなり低い水準にとどまっており、黒田東彦 日銀総裁の、一連の金融緩和政策は総じてうまくいっている。 」「浜教授は、金融緩和の結果、株や不動産などの資産だけがバブルに沸き、アベノミクスで 恩恵を受けるのは株や不動産を持っている、ごくごく一部の富裕層だけ、と指摘する。「最近の 株高はバブルであり、一般の庶民は恩恵をほとんど受けられない」と喝破したいのだろう。 だが、これは、野田佳彦前首相が、安倍現首相との討論で述べた発言と同じ、勘違いだ。 たとえば、われわれの年金原資は、株式でも運用されており、株高は年金制度の安定を通じて、 大多数の人々の老後を豊かにする。株高の恩恵が日本人全体に及ぶ例は、これ以外でも いくらでもあるが、浜教授は、そうした常識すら知らないのだろうか。 」「浜教授は、政府や中央銀行が行う「市場との対話」を通じた政策対応が、危険であるという 思い込みを持っているようだ。そもそも「対話」の定義が不明だが、「グローバル化」や 「複雑化」した金融市場とは、制御不能な代物であるらしい。 きっと、経済活動にとって重要な金融市場を忌み嫌っているのだろう。しかし、米FRB(連邦 準備制度理事会)が金融緩和策の効果を高めるために、市場との対話を重視しているのは、 金融市場に携わる人間にとっては常識中の常識だ。 さらに、米国を中心に経済学の世界でも、マクロ安定化政策を行う上で、市場の期待に 働きかける手段として金融政策がより大きな役割を果たすようになっている点が、ホットな テーマになっている。 アベノミクスの本質は、まず金融緩和策強化で脱デフレを目指すことを「第一の矢」と適切に 定めた政策パッケージということ。だから、アベノミクスは、標準的な経済学の視点から評価 できる。思い込みだけで、経済事象を語る評論家の手に余るテーマと言えるのではないか。」
関連動画
著作一覧
- 『分裂する欧州経済 - EU崩壊の構図』(1994年7月1日)
- 『最新EU経済入門 - 迷走するマーストリヒト後の欧州』(1995年9月)
- 『ネクタイを締めた海賊たち - 「元気なイギリス」の謎を解く』(1998年7月1日)
- 『ユーロランドの経済学 - 政治の思惑・通貨の力学』(2001年1月)
- 『経済は地球を回る - エコノミストの見方・考え方』(2001年7月)
- 『超・常識塾(政治・経済編)迷える日本を生き抜くわたしたちのために』(2003年9月7日)
- 『グローバル恐慌 - 金融暴走時代の果てに』(2009年1月20日)
- 『スラム化する日本経済 4分極化する労働者たち』(2009年3月19日)
- 『ザ・シティ金融大冒険物語-海賊バンキングとジェントルマン資本主義』(2009年8月20日)
- 『ドル終焉 グローバル恐慌は、ドルの最後の舞台となる!』(2010年2月5日)
- 『ユーロが世界経済を消滅させる日 ヨーロッパ発!第2次グローバル恐慌から資産を守る方法』(2010年3月18日)
- 『ユニクロ型デフレと国家破産』(2010年6月1日)
- 『浜矩子の「新しい経済学」 グローバル市民主義の薦め』(2010年7月10日)
- 『死に至る地球経済』(2010年9月8日)
- 『1ドル50円時代を生き抜く日本経済』(2011年1月20日)
- 『恐慌の歴史 "100年に一度"の危機が3年ごとに起きる理由』(2011年11月10日)
- 『EUメルトダウン 欧州発世界がなくなる日』(2011年12月7日)
- 『ソブリンリスクの正体』(2011年11月19日)
- 『「通貨」を知れば世界が読める "1ドル50円時代"は何をもたらすのか?』(2011年5月26日)
- 『誰が「地球経済」を殺すのか 真相を読み解く七つ道具』(2011年9月1日)
- 『財政恐慌 ついに金融と財政の死に至る無限ループに突入した』(2012年3月10日)
- 『中国経済あやうい本質』(2012年3月16日)
- 『「通貨」はこれからどうなるのか』(2012年4月19日)
- 『グローバル大恐慌時代の世界経済を読む』(2012年7月25日)
- 『誰も書かなかった世界経済の真実 地球経済は再び斬り刻まれる』(2012年8月27日)
- 『新・国富論 グローバル経済の教科書』(2012年12月17日)
- 『超入門・グローバル経済―「地球経済」解体新書』(2013年1月9日)
- 『これから3年、日本と「地球経済」で起きること』(2013年5月10日)
- 『"口先"で踊る日本とグローバル経済』(2013年5月16日)
- 『「アベノミクス」の真相』(2013年5月25日)
共著
- 『ヘビーデューティーの経済学―危機のあとに見えるもの』(1987年6月)
- 『ドルは甦るかドル興亡史に何をみるか』(1992年10月)
- 『日本人のまっかなホント』(1999年12月)
- 『2009-2019年 大恐慌 失われる10年』(2009年4月21日)
- 『2010年日本経済―「二番底」不況へ突入する!』(2009年12月1日)
- 『2011年日本経済ソブリン恐慌の年になる!』(2010年11月19日)
- 『2012年資本主義経済大清算の年になる = 2012: The Year Capitalism Unravels』(2011年11月11日)
- 『成熟ニッポン、もう経済成長はいらない それでも豊かになれる新しい生き方』(2011年10月13日)
- 『2013年世界経済総崩れの年になる! = All Fall Down:The Year of the Great Collapse』(2012年11月1日)
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(2012年8月1日)
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関連項目
外部リンク
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