2024年、さきたま杯がJpnⅠに昇格!浦和競馬にGⅠ級競走が誕生!
“全日本的なダート競走の体系整備(日本中央競馬会 2022年11月28日)
浦和競馬場とは、埼玉県さいたま市にある地方競馬の競馬場である。
概要
主催は埼玉県浦和競馬組合(埼玉県とさいたま市で構成)。船橋競馬場・大井競馬場・川崎競馬場とともに南関東4競馬場を構成しており、4競馬場が交代で開催を行うほか、競走馬の格付けやレース体系を一本化している。
馬場内に浦和記念公園という公園があり、競馬場はその施設の一部にあたる。このため、コースが川の上を二度跨いでいたり、コースを一般道が交差していたり(もちろん歩行者専用で競馬開催中は通行できない)と、なかなか変わった場所に設けられている(参考)。またコース内側にはヘリポートがあり、Googleなどで航空写真を見ると"URAWA KEIBA"と書かれている。
南関東4競馬場の中では、他の3競馬場に比べて不利な点も多いとされる。例えば、
- 2023年までは4競馬場では唯一常設のGI/JpnI競走を実施していなかった。持ち回り開催のJBC競走も4競馬場では唯一開催したことがなかった(2019年に初めて開催)。
- コースが狭く、向正面は幅員が法規制ギリギリの16mしか確保されていない。このためフルゲート(最大出走頭数)が12頭のみで、11頭しか取れない距離もある。(大井競馬場は16頭、船橋競馬場・川崎競馬場は14頭)
- 近隣は住宅地になっている。この関係でナイター競馬の実施が難しい(ただし薄暮開催は実施している)。船橋競馬が2015年6月にナイターを開始して以降、4競馬場では唯一ナイター開催のない競馬場となった。
- 4競馬場では唯一、場外発売所を自前で設置していない(他の南関東競馬の主催者が設置した場外発売所で浦和競馬の馬券を購入することは可能)。
- 4競馬場の中では、浦和に所属する上位馬が少ない。ただし2010年代から小久保智厩舎が実績を残すといった明るい話題も見られ、2020年代になると地方交流などで勝つ馬も多くなってきている。
コース
コース形状については浦和競馬公式サイトのコース紹介を参照。
800m・1900m・2000mは向正面から、1300m・1400m・1500mはスタンド前から、1600mは第3コーナー途中からの発走となる。
第3コーナーが仕掛けどころとされているが、この第3コーナー入口は幅員が狭く2000年以降落馬殉職者が2名出ている。特に第3コーナーの途中からスタートする1600mはスタート直後の直線がほぼなく外枠の馬の不利が大きい鬼畜設定と言われている。浦和競馬公式サイトでも“「日本一難しいスタート地点」と評する中央競馬の騎手もいるほどの難コース”と紹介している。
しかし第3コーナーはコース幅員の拡大とスパイラルカーブ化が、1600mは施行競走の減少が行われ、こうした難コースも改善されつつある。
1900mは2020年10月、1600mは2022年3月を最後に使用されていない。
主なレース
Jpn●は国内格付け(中央競馬や他地区の地方競馬所属馬も出走可能)、S●は南関東地区での格付け。
- さきたま杯〔JpnI〕 - 4歳以上・1400m
- 6月中旬に開催される、短距離の交流重賞。以前はJpnIIIだったが2011年よりJpnIIに格上げ。2024年からはJpnIに格上げするとともに開催時期を5月下旬から6月中旬に繰り下げた。ダート短距離戦線の春から夏へ続く時期にあるレース。
- 浦和記念〔JpnII〕 - 3歳以上・2000m
- 例年11月下旬~12月上旬に開催される、中距離の交流重賞。東京大賞典に繋がる秋の中距離戦線を構成する。
チャンピオンズカップと時期が近すぎることもあり、中央競馬のGIレベルの馬はあまり出走してこないためか、交流重賞となった1996年から2015年までの20回で地方競馬所属馬の勝利が9回ある。 - オーバルスプリント〔JpnIII〕 - 3歳以上・1400m
- テレビ埼玉が冠協賛しており、「テレ玉杯オーバルスプリント」と呼称される。テレビ埼玉が協賛から撤退していた2008年から2010年までは浦和から中央競馬に羽ばたいたトロットサンダーを記念した「トロットサンダー記念オーバルスプリント」として開催。2011年にテレビ埼玉の協賛が復活し交流重賞になってからは9月開催が定着しており、JBCスプリントに繋がる短距離戦線を構成する。
- 桜花賞〔SI〕 - 3歳牝馬・1500m
- 南関東競馬における3歳牝馬クラシック三冠競走の1冠目(他は東京プリンセス賞・関東オークス)。上述した難コースといわれる1600mで施行されているが、2023年からは1500mでの施行に変更されている。
アクセス・飲食関連
最寄り駅はJR京浜東北線、武蔵野線から南浦和駅下車、徒歩15分。競馬開催中は駅東口からは無料送迎バスが出ている。JR浦和駅からも駅東口より徒歩15分。上野東京ライン、湘南新宿ラインから乗る人はこちらから出て歩くと良いだろう。
飲食については正門から歩いたところにある売店、2号スタンドと3号スタンドの3か所に店舗を構えている。おでんやカレー(2号スタンドの里美食堂の「黄色いカレー」が特に知られる)、モツ煮込みといった競馬場定番の軽食がメイン。ダートグレード競走開催日や年末年始といった特異日には露店やキッチンカーなどが出店する。中でもご当地埼玉産の地鶏"彩の国地鶏タマシャモ"を使った焼き鳥は定番の臨時グルメとして浦和競馬場に定着している。
関連動画
(左)浦和競馬場では、レース結果が確定したとき用のファンファーレが用意されている。
(右)騎手デビューから4年以上かけてついに初勝利をもぎ取った、折笠豊和騎手。
関連項目
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