海苔とは、食用の藻類の総称、またはそれを加工して作られる食べ物の事。
概要
食用の藻類、またはそれらを紙のように漉いて板状にした食品。主に海苔と呼ばれるものは川産などを除き、ほとんどがウシケノリ科アマノリ属に属する。
海苔は、白米との相性バッチリな和食に欠かせない食材である。海苔単体で食べることは少なく、他の食材と一緒に食べることがほとんど。収穫は11月頃から始まり、遅い所では5月頃まで続く。そのシーズンの初期に収穫されたものは「新海苔」として売られる所もある。
その歴史は古く、701年に制定された大宝律令の租税とされた海産物の中にも含まれていた。
海苔の形状としては平べったい板海苔と、どろりとした海苔の佃煮がある。前者はおにぎりやお餅、寿司の巻物などによく使われ、火で炙った「焼き海苔」や味をつけた「味付け海苔」がある。後者はご飯のお友として定番で、桃屋の「ごはんですよ!」や「磯じまん」、ブンセンの「アラ!」などが有名。
海苔は通常全形10枚で1セットとなり、それが海苔を数える「1帖」(いちじょう)という単位である。畳の大きさを表す単位としても使われるが、もちろんそれは別の規格である。
上記で示した「全形」(全型)とは海苔の大きさの名称で、縦21cm×横19cmぐらい。正方形に近い長方形で、1/2、1/3、1/4、1/6、1/8、1/12などのサイズがある。
このうち、1/12は多くの場合朝食用と称して売られる海苔に使われているサイズで、ご飯をくるんで食べるのに適した大きさである。手巻き寿司用のものは全形および1/4の大きさ。
海苔の産地
海苔の産地といえば有明海沿岸が一大産地である。中でも佐賀県が一大養殖場となっており、佐賀のりは数ある海苔の中でも最高級のブランドとなっている。佐賀の海苔が美味い理由は、阿蘇、多良岳、背振山、天山、雲仙岳などから無数の河川を伝って流れるミネラルが豊富に有明海に溶け込んでいるからである。また、有明海沿岸は干満の差が日本で最も激しく、潮が満ちている間は海中のミネラルを取り入れ、潮が退いている間は太陽光を浴びてアミノ酸を合成、このサイクルを繰り返しているため、旨味が凝縮する。一方、海苔の加工は大消費地に近い福岡県が主流になってきており、大企業の海苔加工工場がある関係で、食品としての海苔生産量では日本一となっている。また、この一帯では塩のりという塩をまぶしただけの海苔があり、古くから子どもたちのおやつとしても定番だった。佐賀県だけでなく、福岡県、熊本県も海苔養殖は盛んで、熊本では八代海沿岸も海苔養殖が盛んに行われている。旨味の強さと口どけのよさ、パリッとした食感が持ち味である。
一方、有明海に次ぐ産地として有名なのが瀬戸内海。とりわけ、播磨灘沿岸であり、兵庫県の淡路島や相生湾などで生産が盛んで、歴史も古い。コンビニのおにぎり向けの海苔として広められ、今日ではブランド化も勧めている。播磨灘沿岸は有明海とは逆に潮流の流れが激しく、そのためやや硬めでちぎれにくい海苔となる。また黒々とした色艶の良さが、コンビニおにぎり向けの海苔として重宝されている理由である。対岸の香川県も海苔養殖が盛ん。また、広島県の備後灘や愛媛県の燧灘、山口県の周防灘周辺も海苔産地となっている。
その他の産地では東京湾があり、ここの海苔は軟らかく、香りが高いためにすし海苔などに重宝される。かつては浅草海苔(浅草は海苔の産地ではない)なんて言われるように、大田区大森や、舶来ネズミに侵略される前の千葉県浦安などは海苔の名産地であったが、都市化、工業化によって姿を消し、今日では千葉県内房地方が主流となっている。今宵、大田区の大森などに海苔問屋が集中するのはその名残である(有明湾が海苔の一大産地になったのは、かつての東京湾と環境条件が似ていたからという理由もあるらしい)。現在は、県産海苔の8割を占める千葉県富津市や木更津市金田(あま海苔)、そして千葉県市川市行徳~船橋市の三番瀬が海苔産地として残っている(行徳などは近年の水質回復などから再生した産地である)。神奈川県では横須賀市走水の海苔産地が知あるが、規模としては大きく縮小した。
伊勢湾沿岸も海苔養殖が盛んであり、揖斐川、木曽川、長良川などの河川からのミネラルが溶け込んでいるため、濃厚な海苔ができる。知多半島の鬼崎産などが高級品として知られる。また、伊勢湾では海苔のほか、ハカリメ、アオノリやアオサも名物となっている。
なお、日本以外でも養殖されており、日本における外国産海苔としては塩とごま油で味付けされた朝鮮半島の「韓国海苔」がよく知られている。この韓国海苔も近年は日本で作られることも多くなり、国産韓国海苔というよく分からない代物が作られている。
余談だが、ステレオタイプな煎餅を表す際には海苔巻き煎餅がよく使われる。
俗称としての使用例
黒く細長い板海苔の姿と絡めて、画像や映像を隠すため(修正)に用いられる黒いバーのことを「海苔」と形容することがある。ちなみに、英語圏の作品などではそのバーの上に修正済みを表す「CENSORED」が書かれたりする。同様に、日本ではたまに「自主規制」と書かれることがある。
また、黒く太い眉毛の形状を「海苔眉毛」などと言うこともある。なお、海苔で作った眉毛も同様に海苔眉毛と呼ばれる。
海苔を使った食べ物の記事
海苔の名がつくキャラクター
関連動画
食べ物以外
関連商品
関連項目
- 食材の一覧
- ノリ
- 養殖
- アオノリ
- 韓国海苔
- ニコニコのり
- それにしてもこの眉毛、海苔海苔である
- 新日暮里老舗海苔店「カズ屋」
- 海苔パン
- nc118822 - 海苔を食べる音の素材(ニコニコモンズ)
- 2月6日 - 海苔の日
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