海軍精神注入棒とは、恐怖のお仕置きアイテムである。通称バッタ。
概要
帝國海軍(旧日本海軍)内で使用されていた、私的制裁用の棒。おおよそ直径5cm、長さ1.5m程度のもの。棒には「海軍精神注入棒」「海軍魂注入棒」「軍人精神注入棒」「精神棒」「正一位海軍精神大明神」などと書かれていた。そのため呼称も一定せず、精神注入棒、バッターなど様々な異称がある。
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https://twitter.com/kanagawa_museum/status/567945746592329728
起源は明治時代にまで遡る。イギリス海軍を手本に創設された帝國海軍は、色んな要素を取り入れた。その中に、イギリス軍下士官が水兵に気合いを入れるために振るっていたムチがあった。これを取り入れた結果、海軍精神注入棒が誕生した。
主に兵学校や艦隊勤務の新兵に使われ、失敗した者のお尻をフルスイングで叩く。失敗していなくても、教員や上級兵の気まぐれで殴り倒された。その痛みは激烈で、気絶する者が続出するほど。気絶しても冷水で強引に気付けを行い、制裁を続行。引っ叩かれたお尻は腫れ上がり、仰向けで寝る事が出来なかった。その過酷極まりない仕打ちを受けた新兵はノイローゼを発症したり、最悪の場合死に至る事もあったという。艦隊勤務の場合、大型艦になるほど制裁が苛烈化する傾向にあった。新兵側も対策(?)として、上手く尾てい骨に当てて入院する方法が編み出されていた。上層部や士官の中には問題視する声もあったが、このような理不尽な暴行が「伝統」という形で平然と横行していた。加害者側がお咎めを受ける事が滅多に無い事から、黙認されていたといえる。海軍精神注入棒は大東亜戦争末期まで使用され、特攻隊内でも使われていたと伝わる。
帝國海軍を受け継ぐ海上自衛隊では私的制裁が禁止されていて、海軍精神注入棒は当然廃止となった。現在では博物館や資料館でのみその姿を見る事が出来る。
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関連項目
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