液状のり(Liquid glue)とは、接着剤の一種である。
概要
文字通りに解釈すれば、液体の接着剤はすべて当てはまるが、ほとんどの場合、下記のPVAのりを指す。
かつてはアラビアゴムが主成分のアラビアのりも多かったが、現在では絵の具など画材のバインダーや、封筒の口のりとしての使用が主である。
PVAのり
ポバールのりともいう。
バインダー(固定材)にポリビニルアルコール、溶媒に水を使用した接着剤。
乾燥すると水分が蒸発し、固定材が材料の凹凸部分に固着することで接着される。
この特性上、表面に適度な凹凸があり、水蒸気を通す材料―すなわち紙や布しか接着できない。
また、紙でも表面がツルツルなものには向かないことがある。
また、溶媒が水である都合上、塗ると水分を吸ってしわしわになる。
そのため、紙飛行機制作など、紙が湾曲しては困るものには向かない。
扱いやすく無害なことから、子どもの工作や事務などに用いられる。
合成洗濯のりとしても使われる。基本的に水で薄めて使うが、主成分が工作用のりと同じであるため、原液のまま使用すれば接着用ののりとしても使える。
PVAはホウ砂(四ホウ酸ナトリウム十水和物)水溶液と混ぜると架橋してゲル状になり、いわゆるスライムになる。PVA洗濯のりはこの用途で購入されることも多い。
製品
アラビックヤマト
アラビアのりの瓶にヒントを得た名残で、アラビアのりの色である琥珀色に着色されている。
オーグルー
造血幹細胞との関係
2019年、造血幹細胞の培養液をより低コストで製造する実験として、アルブミンの代わりにPVAを使用しても充分有用であるという実験結果が報告された。これを受け、報道では「液状のりの主成分」という説明がされたため、本用語が脚光を浴びた。
しかし、PVAは培養液のごく一部である。また、業務用PVAは顆粒状や粉末状になって販売されており、医療においてもこれに準ずる形で使われるものと思われる。
文具屋さんで売っているのりに細胞を沈めれば、もしくは培養液にのりを混ぜれば細胞が増えていく、というものではない。
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関連項目
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