深名線(しんめいせん)とは、旧日本国有鉄道(国鉄)及び北海道旅客鉄道(JR北海道)がかつて運営していた鉄道路線である。
概要
深名線 | |
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基本情報 | |
運行事業者 | 日本国有鉄道 →北海道旅客鉄道 |
総路線距離 | 121.8km |
総駅数 | 21駅 |
軌間 | 1067mm |
電化区間 | なし(全線非電化) |
最大勾配 | 25‰ |
最小曲線半径 | 250m |
開業 | 1924年10月25日 |
廃止 | 1995年9月4日 |
北海道深川市の深川駅と、名寄市にある名寄駅とを結んでいた路線。途中、雨竜郡幌加内町を経由していた。両駅の頭文字をとって路線名称としていた。
全長121.8kmで、全線非電化、全線単線であった。
1941年に深川 - 名寄間が全通した。1960年代ごろまでは旅客、貨物ともにそこそこの利用があったようだが、それ以降は低迷。1982年には貨物営業が廃止され、JR北海道承継後の1990年には利用客の特に少ない駅が廃駅となった。
沿線の人口減少に加え本数の削減による利便性の低下も手伝い、利用客は減少の一途をたどっていたが、代替道路の未整備を理由に国鉄時代は特定地方交通線には指定されず、JR北海道承継後もしばらく営業されていた。やがて代替道路の整備が進んだため1995年9月4日に廃止、バス転換された。
廃止後も一部の遺構が現在まで残されている他、幌加内駅跡地の近くにある幌加内交流プラザ内にJR深名線資料室が設けられており、当時深名線で使用されていた物品などが展示されている。
運行
ダイヤ
基本的に朱鞠内駅で運行系統が分断されていた。また、最後までワンマン運転は行われなかった。
1984年3月の時点では、深川 - 鷹泊間が1日6.5往復、鷹泊 - 朱鞠内間が1日5往復、朱鞠内 - 名寄間が1日4往復であった。
1991年3月の時点では、深川 - 幌加内間が1日5往復、幌加内 - 朱鞠内間が1日3.5往復、朱鞠内 - 名寄間が1日3往復であった(うち1往復は全線直通の列車であった)。
優等列車は運転されなかった。
車両
末期はキハ53形やキハ40系を中心に運用していた。1986年以前はキハ21形、キハ22形が運用されていた。
駅一覧
特記なき場合は路線廃止(1995年9月4日)と同時に廃止。
1989年以前に廃止された駅、仮乗降場は除く。備考欄の「国鉄時代は仮乗降場」とは、1987年のJR北海道への承継時にそれまでの仮乗降場から駅へと昇格されたことを表す。
営業キロ | 駅名 | 駅名読み | 接続路線 | 備考 |
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0.0 | 深川 | ふかがわ | 函館本線、留萌本線 | |
4.7 | 円山 | まるやま | 国鉄時代は仮乗降場 | |
10.8 | 上多度志 | かみたどし | ||
14.0 | 多度志 | たどし | ||
19.4 | 宇摩 | うま | 国鉄時代は仮乗降場 | |
22.3 | 幌成 | ほろなり | ||
24.1 | 下幌成 | しもほろなり | 国鉄時代は仮乗降場 | |
27.3 | 鷹泊 | たかどまり | ||
37.9 | 沼牛 | ぬまうし | ||
39.9 | 新成生 | しんなりう | 国鉄時代は仮乗降場 | |
43.7 | 幌加内 | ほろかない | 交換可能駅 | |
46.8 | 上幌加内 | かみほろかない | 国鉄時代は仮乗降場 | |
51.1 | 雨煙別 | うえんべつ | 臨時駅、1990年3月10日廃止 | |
56.2 | 政和温泉 | せいわおんせん | 臨時駅、国鉄時代は仮乗降場 1990年3月10日廃止 |
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58.7 | 政和 | せいわ | ||
64.2 | 新富 | しんとみ | 1990年9月1日廃止 | |
68.6 | 添牛内 | そえうしない | ||
75.5 | 共栄 | きょうえい | 国鉄時代は仮乗降場 | |
78.8 | 朱鞠内 | しゅまりない | 交換可能駅 | |
80.7 | 湖畔 | こはん | 国鉄時代は仮乗降場 | |
89.5 | 蕗ノ台 | ふきのだい | 臨時駅、1990年3月10日廃止 | |
93.6 | 白樺 | しらかば | 臨時駅、1990年3月10日廃止 | |
99.0 | 北母子里 | きたもしり | ||
114.6 | 天塩弥生 | てしおやよい | ||
117.8 | 西名寄 | にしなよろ | ||
121.8 | 名寄 | なよろ | 宗谷本線、名寄本線(1989年廃止) |
代替バス
JR北海道バスにより、深名線と同じ経路を走る路線バスが運行されている。ただし実際の運行は道北バスに委託されている。
運行系統は幌加内で分割されており、所要時間は深川駅前 - 幌加内が約1時間10分で、幌加内 - 名寄駅前は約1時間40分~約2時間である。
本数は、深川駅前 - 幌加内が1日7往復、幌加内 - 名寄駅前が1日3~4往復となっている。深名線廃止翌年の1996年には年間11万人の利用があったが一貫して減少傾向が続き、2010年以降は4万人を下回っている。
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関連項目
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