清姫(きよひめ)とは、『今昔物語』などで伝えられる「安珍・清姫伝説」の主要人物である。
曖昧さ回避
- 清姫(Fate/Grand Order) - TYPE-MOONのスマートフォン用RPG『Fate/Grand Order』に登場するサーヴァントの一騎。伝説上の清姫その人である。
概要
延長6年(928年)頃の紀州(現在の和歌山県)にて、清姫は一目ぼれした僧・安珍に夜這いをかけるが、嘘を吐かれて逃げられてしまう。裏切られた清姫は怒りから蛇に化け、道成寺の鐘に隠れた安珍を鐘ごと焼き殺し、その後に清姫は蛇の姿のまま入水したといわれる。最終的に法華経の功徳で成仏する。
しかし、後日談で道成寺が正平14年(1359年)に件の鐘を再建して女人禁制の鐘供養をしたときに妨害に現われ、鐘は山中に捨てられるなど、かなり怨念の強い女性としても描かれることがある。
さらに時代が下って戦国時代。豊臣秀吉の天下統一事業の一環として紀州征伐が行われた。秀吉の家臣だった仙石秀久は討伐途中に山中で上記の清姫由来の鐘を発見してしまう。戦利品として京に持ち帰るが、清姫の怨念を供養するため、鐘は京都の妙満寺に奉納された。
さらにさらに時代は下って、江戸時代の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』でも妙満寺に奉納された鐘について触れられており、「道成寺鐘」と呼ばれている。その姿は鐘に巻きつく蛇女として描かれており、800年たっても清姫の怨念は恐れられていたことが読み取れる。
ちなみに「姫」という名のイメージからうら若い娘の姿で描かれることもあるが、これは後に脚色されてからのことだともいう。実際、「今昔物語集」に載っているこの伝説の元になった説話では、「夫を亡くした後家」とされていてあまり若い娘のイメージはなく、またそもそも「清姫」という名前も出てこない。「邪淫と怨念に囚われた女が法華経の功徳で救われる」という仏教説話が、悲恋ものとして脚色される過程で変質したものか。
清姫の伝説は人形浄瑠璃や歌舞伎の題材となっている。人形浄瑠璃では「ガブ」というからくり仕掛けの頭部を使って、「穏やかな女性の顔が一瞬で化け物になる」という早変わりギミックが披露される場合もある。
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