清涼院流水(せいりょういん りゅうすい)とは、日本の推理作家、ビジネス書著者、The BBB主宰、マンガ原作者、
概要
1974年兵庫県生まれ。京都大学在学中の1996年、第2回メフィスト賞を受賞した『コズミック 世紀末探偵神話』でデビュー。そのとんでもない厚さとトンデモナイ設定、そして色んな意味で衝撃的な内容で、デビュー作から極端な罵倒と称賛に二分された「大説家」である。
読者に与えたインパクトもさることながら、『コズミック』が本格ミステリ業界に与えた衝撃はすさまじく、刊行当時、本格系のミステリ作家はよるとさわると『コズミック』の話題でもちきりで、全面否定から全面肯定(少数派)まで侃々諤々百花繚乱。とある新本格作家は「こんなもんが流行ったらなに書いてええかわからんわ」とボヤいたとか。
その後も「JDCシリーズ」と呼ばれる作品を刊行し、その奇抜さをいろいろな方向で開花させたため、主にメフィスト賞に投稿していた新鋭作家に多大な影響を与えた。わかりやすいところでは、西尾維新は完全無欠に清涼院流水の直系作家。
何しろ「1年に1200人を密室で殺す」だの「空中移動要塞"聖域(サンクチャリ)"」だの「犯罪オリンピック(主催:総統)」だのといった詞が乱舞し、どこぞの超人ばりに設定が膨らんだJDCのメンバーが推理を披露し、そんな中で密室殺人だの犯罪オリンピックだの世界的犯罪組織によるテロだのが行われ、その乱立する設定と事件を流水大説が何もかもを想像の斜め上へ押し流し、作者の「今までに体験した事の無い読後感を味わえます」というコメントがだいたい真相。
ミステリー作品で派手に中二病を発症したこの作風になじめるかどうかが分水嶺となるだろう。
また、2000年から2001年にかけて書かれた全6巻のシリーズの原稿枚数を1冊333枚で統一、うち1冊だけ336枚書いて合計2001枚にするとか、執筆日数をゾロ目で揃えるとか、講談社ノベルス史上最も厚い本(『カーニバル・デイ』の1019ページ)と最も薄い本(『秘密屋 赤』『秘密屋 白』の134ページ)を両方作るとか、21世紀最初の京大退学者になるとか、いったいそれに何の意味があるのか読者にも全くわからない、小説の内容とは全く関係のないことに偏執的にこだわるのも特徴。
文庫化に際しても『コズミック』と『ジョーカー』の文庫を『ジョーカー 流』→『コズミック 清』→『コズミック 涼』→『ジョーカー 水』という順番にして「清涼in流水」とか言い出したり、なんかもう常識では考えられないことばかりやっている。
2010年代になってからはTOEIC攻略・英語学習本ばかり出していたが、2018年に歴史大説を2作続けて発表し大説に復帰した。また日本の小説を英訳して世界へ向けて電子書籍化するプロジェクト「The BBB」を主宰している。
流水ヤバイ
厚いとかっても
とか、もう、そういうレベルじゃない。
だって普通はミステリーでそんな人死なないじゃん。 嵐の山荘で登場人物が全員死んだら泣くっしょ。
探偵も死んだら泣くっしょ。
だから金田一とかでも3人くらいしか死なない。話のわかる奴だ。
けど流水はヤバイ。そんなの気にしない。人死にまくり。同シリーズの「カーニバル」とか数百人単位で死ぬ。ミステリーっていったけど、もしかしたら小説ですらないかもしれない。でも作者にそのことを聞いたら、
「小説じゃなくて、大説です」
って言う。何のことか誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
あと探偵が多い。シリーズで言うと数十人登場する。ヤバイ。全員必殺技みたいに推理する。怖い。
探偵達のトップ達とかみんな推理に名前がついてる。九十九十九の推理方法は、情報がそろうと真相を悟る「神通理気」。他にも超迷推理とか悟理夢中とか平気で出てくる。技名じゃん。
なんつっても流水は駄洒落が多い。「文show」とか平気で使ってくる。あと文の長さが全部そろってる。京極とかは文がページをまたがないように改行を工夫するくらいだけど、 流水は全然平気。狙ってゾロ目のページ数で本を書いたりする。凄い。ヤバイ。
とにかく貴様ら、流水の素晴らしさをもっと知るべきだと思います。
作品リスト(大説のみ)
- コズミック 世紀末探偵神話 (1996年、講談社ノベルス)
→ コズミック 流 / コズミック 水 (2000年、講談社文庫[分冊]) - ジョーカー 旧約探偵神話 (1997年、講談社ノベルス)
→ ジョーカー 清 / ジョーカー 涼 (2000年、講談社文庫[分冊]) - 19ボックス 新みすてり創世記 (1997年、講談社ノベルス)
→ Wドライヴ院 (2001年、講談社文庫) - カーニバル・イヴ 人類最大の事件 (1997年、講談社ノベルス)
- エル 全日本じゃんけんトーナメント (1998年、幻冬舎ノベルス)
→ 全日本じゃんけんトーナメント (1999年、幻冬舎文庫[改題]) - カーニバル 人類最後の事件 (1999年、講談社ノベルス)
- カーニバル・デイ 新人類の記念日 (1999年、講談社ノベルス)
- ユウ 日本国民全員参加テレビ新企画 (1999年、幻冬舎ノベルス)
→ 億千万の人間CMスキャンダル (2003年、幻冬舎文庫[改題]) - トップラン 第1話 ここが最前線 (2000年、幻冬舎文庫)
- トップラン 第2話 恋人は誘拐犯 (2000年、幻冬舎文庫)
- トップラン 第3話 身代金ローン (2000年、幻冬舎文庫)
- トップラン 第4話 クイズ大逆転 (2000年、幻冬舎文庫)
- トップラン 第5話 最終話に専念 (2000年、幻冬舎文庫)
- トップラン 最終話 大航海をラン (2001年、幻冬舎文庫)
- 秘密屋 赤 / 秘密屋 白 (2001年、講談社ノベルス)
→ 秘密屋文庫 知ってる怪 (2004年、講談社文庫[合本]) - トップランド2001 天使エピソード1 (2001年、幻冬舎文庫)
- トップランド1980 紳士エピソード1 (2002年、幻冬舎文庫)
- トップランド2002 戦士エピソード1 (2002年、幻冬舎文庫)
- みすてりあるキャラねっと (2002年、角川スニーカー文庫)
→ キャラねっと 愛$探偵の事件簿 (2004年、角川書店[改題・収録作追加])
→ キャラねっと完全版 愛$探偵ノベル (2007年、角川文庫) - 秘密室ボン (2002年、講談社ノベルス)
→ 秘密室ボン QUIZ SHOW (2006年、講談社文庫[改題]) - カーニバル 一輪の花 / 二輪の草 / 三輪の層 / 四輪の牛 / 五輪の書 (2003年、講談社文庫[全5巻]) ※4・6・7の文庫化
- 彩紋家事件 前編 極上マジックサーカス / 後編 下剋上マスターピース(2004年、講談社ノベルス)
→ 彩紋家事件 Ⅰ 奇術が来りて幕を開く / Ⅱ 白と夜 / Ⅲ 彩紋家の一族 (2008年、講談社文庫[全3巻]) - トップラン&ランド完 (2004年、幻冬舎文庫)
- とくまでやる (2004年、徳間デュアル文庫)
- とくまつ 夜霧邸事件 (2005年、徳間デュアル文庫)
- ぶらんでぃっしゅ? (2005年、幻冬舎)
- とく。 (2006年、徳間デュアル文庫)
- パーフェクト・ワールド Book.1 ◆One Ace (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.2 ◆Two to Tango (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.3 ◆Three Cheers (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.4 ◆Four Winds (2007年、講談社BOX)
- LOVE LOGIC ~蜜と罰~ (2007年、角川書店)
- パーフェクト・ワールド Book.5 ◆Five-star (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.6 ◆Sixth Sense (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.7 ◆Seventh Heaven (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.8 ◆Figure of Eight (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.9 ◆On the Cloud Nine (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.10◆Ten Commandments (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.11◆Eleven-plus (2007年、講談社BOX)
- パーフェクト・ワールド Book.12◆Perfect Twelve (2007年、講談社BOX)
- コズミック・ゼロ 日本絶滅計画 (2009年、文藝春秋→2012年、文春文庫)
- B/W 完全犯罪研究会 (2009年、太田出版)
- 忘レ愛 (2009年、SDP)
- 純忠 日本で最初にキリシタン大名になった男 (2018年、WAVE出版)
- ジャパゥン ルイス・フロイス戦国記 (2018年、幻冬舎)
関連商品
関連項目
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