「人を殺すことは悪行であり、悪行を為す者は悪鬼なのだ!俺は悪鬼なのだ!!」
湊斗景明(みなと かげあき)とは、PCゲーム「装甲悪鬼村正」の登場人物である。
CV:石川ゆうすけ(PCゲーム) / 寺島拓篤(ドラマCD)
概要
装甲悪鬼村正の主人公。呪われた妖甲と名高く、敵を一人殺したならば味方も一人殺さねばならなくなる「善悪相殺」の呪いを持つ劔冑「勢州右衛門尉村正三世」を纏う武者。国内で発生している謎の大量殺戮を引き起こす存在「銀星号」を追い、内務省警察局鎌倉市警察署属員という身分を持つパート警官。普段は服役囚。
劔冑を纏う際に詠う誓言は、「鬼に逢うては鬼を斬る 仏に逢うては仏を斬る ツルギの理ここに在り」。
何かと敬称が用いられやすい村正キャラの例に漏れず「景明さん」「湊斗さん」などと慕われ、エロゲー界では珍しい、男性なのに人気投票1位を獲得した御仁である。ちなみに、声を当てている石川ゆうすけ氏はDies iraeで「屑兄さん」と親しまれている「櫻井戒」の声を担当している。何かと共通点があるので奇縁を感じずにいられない。
性格・人格
暗い。一目見ただけで尋常ならざるブラックなオーラを噴出していることがわかり、暗黒星人などと揶揄されるほどに暗い。あまりの暗さに自ら関わり合いになる人などほとんどおらず、本人から話しかけてもビビられたり怪しまれたりで相手にしてもらえないほど暗い。無理に親しげに笑おうとすると、むしろ魔王かなんかを彷彿とさせる恐ろしげな顔(芸)になる。ちなみにそれとは別に、作中のとあるCGにて凄惨な笑みを浮かべているものがあり、そちらは「悪鬼スマイル」などと言われて親しまれている。
しかし根っこは真面目過ぎるくらいに真面目な人で、悪鬼どころかむしろ善良である。作中で繰り返すことになる殺戮にも「自分は悪鬼」だとし、その罪を真摯に受け止め、決して自分を許さずに戒め続ける誠実な男。銀星号を追い続けるのも、使命以外に「死刑囚としての処刑」を望んでいるところも大きい。
上述の通り真面目すぎるため、会話ではあまり冗談が通じず、時折皮肉や嫌味だと思われるほどの「真面目な解答」をしてしまう。また会話に無理に華を添えようとし、変な冗談を言った結果で逆に場が凍りつくこともしばしば。ただでさえ濃い人物が多い中、ギャグの嵐の中にある意味空気を読みすぎたKY発言を繰り返し場をさらにカオスに変える。天然ボケ気味で、真面目さや暗さが目立つが案外愉快な性格である。ちなみに、話題に困った時にはこっそり村正に意見を仰ぐ。
また、どんだけなほど内容が鬱で熱でカオスな装甲悪鬼村正だが、あくまでもエロゲーである。エロゲー主人公らしく登場する女性の多くに好かれ、しかもそれに気づかない鈍感。しかし女性の胸や尻をガン見したり、メイド服や水着に萌えたり、女性の裸に興奮したりすることを真顔で冷静に真面目に告白したり、その上で自分の好みも白状しちゃったりと実はかなりのオープンスケベである。というかはっきり言ってガチの変態である。
やはり真面目なため、恋愛ごとにおいてはツンデレ・無口っ子とは致命的に相性が悪い(ツンデレ…照れ隠しを額面通りに受け取る。無口っ子…会話にならないため節点すらできない)。ただし、ツンデレに関しては自分に都合よく受け取りたいものの、ものっすごい我慢して言葉通りに受け取っているようにも見受けられる。
能力
幼い頃から厳しい教育を受け、免状には至っていないが「吉野御流合戦礼法」を修めている。本人は自分を凡才の域を出ないと言い、実際に天才格の人物には後塵を拝するが、それでも普段の振る舞いから見るべき人から見れば「かなりできる」と判断されるようで、村正を初めて纏った時も不慣れさを見せずに扱ってみせた。どちらかと言えば頭脳労働の方が得意なようで、戦闘では自分の力量と相手の力量を正確に比較し、格上の相手には索を弄して勝利する。
何かと多芸。学生の頃には蹴球部、山岳部、茶道部などに属していた。また過去から今に到るまで装甲競技(アーマーレース)のコアなファンで、学生の頃には装甲競技研究部にも所属しており、装甲競技の歴史や競技用劔冑の構造に深い知識を持つ。本編の数年前にテストレーサーをやったこともあるらしい。また、光に触発されて鍛えたらしく、十銭玉硬貨を瞬時に縦に3つ積みあげるという、凄いが地味すぎるスキルを持つ。光は10枚くらいはイケるらしい。
戦闘
上述の通り「吉野御流合戦礼法」を修めており、村正を纏いこれを駆使する。戦闘には精神論などに頼らずしっかり戦術を組んで取り掛かる方で、常に有利不利や残り熱量、相手の出方などを考える。
機械技術などない時代に生まれた村正以上に陰義「磁力制御」の使い道に明るく、しばしば実際に事を行った村正が唖然とするような指示を行うことも。その技の最たるものが、「磁気鍍装・蒐窮(エンチャント・エンディング)」と呼ばれる高磁力の集中状態から繰り出される、吉野御流合戦礼法の剣技を織り交ぜた秘技「電磁刀術(レールガン)」である。
戦技一覧
磁気鍍装・負極
「エンチャント・マイナス」、「ながれ・かえる」。自分の外側へ磁力を纏い、反発の磁性を操る。
磁気障壁
磁気鍍装・負極で生み出した反発力を自騎の周囲に張り巡らせ、敵騎の攻撃などの自騎に衝突しようとする物質を弾き返す。理屈は単純ながらも効果はかなり高く、自騎に組み付いた敵を引き剥がしたりもできる。ただし、使用中は自騎の駆動を阻害し著しく行動を制限されるために、使用は相手の攻撃を見切った一瞬のみに制限される。
磁気鍍装・正極
「エンチャント・プラス」、「ながれ・まわる」。自分の内側へ施し、反発と吸着両者の磁性を操る。
電磁加速
「リニア・アクセル」。自騎に磁気鍍装・正極を施すことで、各可動部の機能を円滑にし、運動性や速度を上げる。それほどスピードは速くない村正だが、これを使用することで競技用剱冑に迫る速度を出したり、武者の常識を逸脱した動きが可能になる。
重力制御(引辰制御)
「グラビトン・コントロール」。世界を形作る3つの要素のうちのひとつである辰気、つまり重力を操る力。本来は銀星号の力であり、村正の力は磁力制御(磁気も3要素のうちのひとつ)のみだが、銀星号に奪われた野太刀の欠片を取り返した際に銀星号の力の一部が使えるようになった。ちなみに、劔冑を用いての空中戦では合当理を噴射させて推進し、8の字の軌道を描いてその交差点で刃を交わす「双輪懸」が基本。重力制御は合当理に頼らない飛行が可能であり、このルールを完全に無視することができるため、そもそも他の劔冑は同じ土俵に立つことすら困難というトンデモ能力である。
辰気加速
「グラビティ・アクセル」。重力制御を自騎に施し、速度を上げる。電磁加速と併用することで最先端の競技用剱冑と同等以上の飛行が可能になる、三世村正最速の技。
磁気鍍装・蒐窮
「エンチャント・エンディング」、「ながれ、つどう」、「ながれ、くるう」。剱冑・村正が授け、仕手・湊斗景明が完成させた、磁力制御のひとつの完成系。一部に強力無比な磁力を一点に集中させ、その状態から太刀を振るう村正最強の剣技。緻密な制御によってのみ完成し、使用には磁力暴走の危険が伴い、常にそれ相応の覚悟を求められる。
電磁抜刀「禍」
刀を一度鞘に収め、電磁力を利用して超高速で刀を鞘から打ち出す、神速の抜刀術。一度抜いてしまえば天才・光でさえ見きれないほどの速さと威力を誇り、数々の磁力制御による技の中でも最も使用頻度が高い村正の決め手。
電磁撃刀「威」
刀を上段に構え、その状態から磁力蒐穹を行い、そのまま振り下ろす。電磁刀術の中では最も使い勝手が悪く実戦向きではないが、それでも基本の3つの型の中では最大の威力を持ち、山一つを崩すほど。いきなり出てきて一度だけとんでも無い威力を見せつけたレア技である。
電磁擲刀「呪」
脇差を一度鞘に収め、電磁力を利用して前方へ脇差を射出する遠距離技。「禍」と同じく抜刀は超高速で、飛来する刃もとてもつもなく速く、見切ることは不可能だとされている。ちなみに、強そうな設定だが作中では一度も当てた試しがなく「カスリ」もしないため、ユーザーたちからは「カシリさん」などと親しまれている。
電磁特攻「神風」 ※少々のネタバレあり
技の原典の明記は無いが、刃を射出という性質は「呪」に近い。仕手の肉体を刃、劔冑を鞘と見立てた電磁抜刀で突撃する。電磁加速・辰気加速に電磁抜刀の速度を加えた突撃は、音速を超えた劔冑さえ容易く捕捉する銀星号をもってしても捉えることはできない。 という一見強そうな技で、実際のところも数ある磁気鍍装・蒐穹の技の中でも最速と思われるのだが、あくまで執念と一瞬の閃きによる奇策。技の性質上、相手の動きを点で捉えなければならない(つまり「カシリさん」と同程度の命中率)・劔冑相手にほぼ生身の状態で突っ込む(相手が相当柔らかくないと自爆する)など非常にリスキーな技であり、上記のリスクから相手に手の内を知られているなら、こちらがただ一方的に自滅するだけという、文字通りのカミカゼ特攻な自爆技である。
電磁抜刀「穿」 ※少々のネタバレあり
電磁抜刀「禍」の発展型であり、三世村正と湊斗景明の最強の技。三世村正本来の装備である野太刀を電磁抜刀により超高速で引き抜く。野太刀は腰ではなく右肩にマウントされているため、抜刀術ではあるが横薙ぎや逆袈裟ではなく、太刀筋は振り下ろしからの縦斬り、袈裟斬り。その意味では「威」とも同じ特性を持つ。
銀星号に奪われた野太刀のパーツを全て揃たことで野太刀を取り戻し。それ以降は村正自身の能力も劇的に上昇。この時の電磁抜刀「穿」の威力は「禍」の100倍に達するとされ、「禍」では太刀打ち出来なかった光の「飢餓虚空・魔王星」を斬り裂いている。
「祝」 ※少々のネタバレあり
邪念編「Re:Brade Arts」に登場。
光を英雄として殺した平行世界の景明が善悪相殺の理に従い、護ろうとした世界を殺し尽くそうとして放った技。刀を納刀し、その際の鍔鳴りに乗せて磁気汚染(くるわし)こと精神汚染波を自分を中心とした周囲に撒き散らす。さらにこの時の村正は金神を吸収していたことによりその威力は桁違いに上昇、全世界に影響を及ぼす化物じみた効力となった。
ざっくり言ってしまえば、世界中の人間を思い通りに操ることができる。
電磁双刀「散」 ※少々のネタバレあり
邪念編「返歌編」に登場。
二本の刀を用いて行う同時発動の電磁刀術。敵が放った必殺の一撃を電磁抜刀「穿」で受け止めて鍔迫り合いに持ち込んだ後、鍔迫り合いを片方の腕のみで行い、鍔迫り合いでガラ空きになっている相手の腹に「呪」を叩き込む。ただでさえ緻密で繊細な制御と多大なエネルギーの消費が必要な磁気鍍装・蒐窮を、同時にしかも別々に行うという神憑った技量と後を省みない覚悟を持って初めて実現した神業。
邪念編「Re:Brade Arts 返歌編」において、英雄村正の放った「穿」に対向するために使用。執筆した鋼屋ジンらしい熱い展開や演出はもちろん、ここぞというところで登場する必殺技、奈良原の過去作「刃鳴散らす」を思わせる技名、本編では光に破られた「比翼」をバージョンアップさせて再使用など、ニトロや村正に愛着のある人ならチキン肌立ちまくりのにくい演出盛りだくさんな名技である。
君の返歌を求む。これは―― 「英雄の物語ではない。装甲悪鬼村正の物語である。」
兜割り
魔剣・兜割り。本来人間が自力で出せる技術や身体能力では斬ることができない兜(しかも通常の兜ではなく、真打劔冑に使用されていた兜)を、斬るどころか真っ二つに割ってしまう魔剣。これが自在に使用できれば、劔冑の最大の強みである防御力をまるで紙のごとく無効化し、生身の上でも武者に勝利できる。これが使えるのは作中では景明と光の二人だけ。しかし本来魔剣と呼ばれるものとは少し違うようで、この境地に至るには特殊な精神状態になることが求められるようだ。
装甲悪鬼
魔剣・装甲悪鬼。兜割りとは異なり、景明自身が望み、理論的に構築した真の魔剣。村正が抱える善悪相殺の掟を逆用し、心底憎む自らの命と引換に自らが最も愛する者ひとりを必ず殺すという魔剣。
愛する者を殺すためにしか使えないという原理的な欠陥を抱えるが、同時にその刃には斬る者に対する絶対の愛を証明する。
――魔剣の話をしよう。魔剣とは理論的に構築され、論理的に行使されなければならない――
その他
- 戯画の「BALDR SKY Dive.X」にScarlettの別当・和泉しずか・スカーレット、真剣で私に恋しなさい!の黛由紀江と共にゲスト参戦。しずか、由紀江とは違い村正を纏った姿は原作のものを忠実再現。技は刀を用いた近接格闘のものがメインだが、蜘蛛形態の鉄糸など各レンジの装備もひと通り揃っている。攻撃力と空戦能力が高く、BALDR SKY最強機体の一角になっており、チート機の大群の中に紛れ込んで襲いかかってくる。
- 公式人気投票では二冠を手にした。上記にもあるが、ギャルゲーの人気投票で男性キャラ(男の娘除く)が1位を取ることは無いでも無いがかなり稀である。
関連動画
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