湘南ベルマーレとは、神奈川県西部の9市11町を本拠地とするJリーグチームである。
概要
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チームの前身はフジタ工業サッカー部。1993年にJリーグへ準加盟しており、1994年にJリーグへ加盟。
ホームスタジアムは平塚市総合公園内の平塚競技場。名称は命名権販売により2012年3月から21年1月まで「Shonan BMWスタジアム平塚」、2021年2月から26年1月までの5年間は「レモンガススタジアム平塚」となる。チームのマスコットは湘南海岸をイメージし、海を司る神、ポセイドンがモチーフとなった「キングベルI世」。
ホームタウンは平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、伊勢原市、小田原市、秦野市、藤沢市、中郡・高座郡の3町。2017年には鎌倉市、南足柄市と足柄上郡・足柄下郡の8町を加えている。かつのホームタウンは平塚市のみで1999年までのチーム名はベルマーレ平塚だった。
1990年代には中田英寿、呂比須ワグナー、名良橋晃、岩本輝雄ら有名選手も在籍。1998 FIFAワールドカップの日本代表メンバーに3選手、韓国代表に1選手が選出されている。最高順位は2ndステージ2位(1994)であり、天皇杯、アジアカップウィナーズカップの優勝の経験もある。ほ、ほんとだよ!
1999年に当時親会社が撤退したことで主力の大半が流出。一時はチームの存続が危ぶまれるほど経営状況が深刻化していた。そのため長くJ2リーグで戦うことになる。そのころから、毎年シーズン序盤は快進撃を続けサポーターたちをワクワクさせるのだが、後々失速して昇格を逃したり、下位までズルズルやられてしまうことが多かったりして、一時期はJ1から落ちてなかなか戻れないチームになってしまうことを「ひらつ化」などと呼んでいたことさえあった。チーム名とっくに変わってたのに。
2009年にJ1へ10年ぶりに復帰してからはエレベーターチームとなった時期を経て、2018年以降は毎年降格の危機に脅えながらも5年連続でJ1に残留している。
2012年に曺貴裁監督が就任してからは「攻撃的で、走る意欲に満ち溢れた、アグレッシブで痛快なサッカー」という内容の独自の堅守速攻スタイル「湘南スタイル」を提唱している。
サポーターの質はというと、Jリーグで1,2を争うほど男性比率が高く平均年齢もちょいと高め。消滅間近まで追い込まれたクラブとともに歩んできたおっさんベテランサポーターが数多く存在する。
あ、あとベルマーレクイーンかわいい。
日本サッカー史上に残る名選手である中田英寿を輩出したクラブであり、中田がイタリアへ移籍して以降も経営危機に苦しむチームのためにスポンサーとなるなど何かと助けてもらっている。
歴史
ベルマーレ平塚時代
- フジタ工業サッカー部を母体に1993年にJリーグ準加盟となる。「フジタFC湘南ベルマーレ」というチーム名でこの年の旧JFLに優勝。懸案事項だったスタジアム問題も解決したことでJリーグ入会が承認される。
- 当初は湘南ベルマーレにしようとしたが、当時はホームタウンが1市しか認められなかったためチーム名を「ベルマーレ平塚」に変更する。
Jリーグ初参戦の1994年ではニカノールヘッドコーチが標榜するSBの名良橋晃と岩本輝雄が積極的に攻めあがる超攻撃的サッカーを披露する。しかし、1stステージでは守備が崩壊しブービーの11位に低迷する。
2ndステージでは岩本を一列前で起用した変更が功を奏し守備の問題が解決。ベッチーニョ、野口幸司の2人がゴールを量産したこともあり、爆発的な攻撃力で優勝争いに加わる大躍進を遂げる。最終的に2位という好成績を残し、「湘南の暴れん坊」と称された。
この年の第74回天皇杯では決勝でセレッソ大阪を破り、昇格1年目で初優勝、初タイトルを獲得する。 - 1995年には超大物ルーキーの中田英寿が入団。リーグでは低迷し、古前田-ニカノール体制が終了するが、アジアカップウィナーズカップでは優勝を果たす。
- 1998年の7月に中田がイタリア・セリエAのACペルージャへ移籍。
この年、当時親会社だったフジタが経営難により撤退。戦力の低下はおろか、チーム存続の危機すら囁かれることに。 - なんとか1年の猶予をもらった1999年だったが、主力が大幅に抜けたチームは両ステージ共に最下位に終わり、J2リーグへの降格が決定する。
湘南ベルマーレ時代
- J2リーグからの再出発となった2000年に市民クラブへの変革を掲げ「湘南ベルマーレ」と名前を変更し、ホームタウンも平塚市以外にも拡大。
元日本代表の前園真聖らが加入するが、J2でも苦戦を強いられ8位に終わる。 - 2001年より青を基調としたユニフォームに変更。元コロンビア代表のパラシオスらコロンビア勢をチームの中心とするが、結果は残せず。その後はJ2で中位が定位置となってしまう。
- J2での10年目となる2009年に、反町康治が監督に就任、シーズンを通して昇格争いを引っ張り、後半はやっぱり失速するものの、ヴァンフォーレ甲府との勝ち点差1をつけて3位となり、J1復帰を果たす。1シーズンでJ1の舞台からは去ってしまったが、久しぶりのJ1にサポーターは大いに沸きあがった。
なお、2010年よりライトグリーンを基調としたユニフォームに戻している。 - 2012年に曺貴裁が監督に就任。この年より「湘南スタイル」が確立されるようになる。開幕前には1億円を超える債務超過に転落し、最悪の場合はクラブ自体の解散の可能性もあるとの一部報道があったが、チームは開幕から好スタートを切り、首位を走る。19歳ながら曺監督からキャプテンとPKのキッカーを任された遠藤航が攻守にわたって大車輪の活躍を見せ、終盤の失速で2位に終わるもJ1復帰を果たす。昇格を見届ける形で12年間チームの顔として支えてきた坂本紘司が現役を引退。
- 3年ぶりのJ1となった2013年だったが、大黒柱の遠藤が開幕前の負傷で長期離脱を強いられたことが響いて苦戦。16位に終わり、またもJ2降格となる。
- 2014年はすっかりJ2での勝ち方を覚えたのか開幕から14連勝と快進撃を見せる。最終的に勝ち点を101にまで積み上げる圧倒的な強さでJ2初優勝を果たし、1年でJ1に復帰する。ちなみに9試合を残しての昇格決定はJ2最速記録となった。
- 2015年はこれまでの反省を活かし、J1の舞台でもここぞというときに勝負強さを見せる。ベルマーレ平塚時代の1997年以来のJ1での一桁順位という好成績を残し、湘南ベルマーレとしては初のJ1残留を果たす。しかし、翌年は16位と低迷し実に4度目のJ2降格が決定。エレベーターチームからの脱却とはならなかった。
- 2017年のJ2リーグではまたしても1年でのJ1復帰を決め、2回目のJ2優勝も決める。ちなみにこの年はかつての親会社であるフジタが16年ぶりにユニフォームスポンサーに復帰している。
- 2018年、当時の筆頭株主だった三栄建築設計がRIZAPグループと共同で「株式会社メルディアRIZAP湘南スポーツパートナーズ」を設立。この新設会社が筆頭株主となり経営に関与することになる。
リーグ戦では残留ボーダーラインより上で何とか踏ん張り、最終節で名古屋グランパスを相手に引き分けたことで13位が確定。ノルマだったJ1残留を果たす。
YBCルヴァンカップでは激闘を勝ち抜いて初の決勝進出を果たす。横浜F・マリノスとの決勝では1点のリードをチーム一丸となって守り抜き初優勝。ベルマーレ平塚時代の1994年度天皇杯以来の国内3大タイトル獲得となった。 - 2019年には曺貴裁監督による選手、スタッフへのパワハラ問題が告発され、大きく取り沙汰される。Jリーグ側からパワハラが認定され、処分が下されたことで曺監督は辞任。8年続いた曺体制は思わぬ形で終焉となる。長期に渡って指揮を執った指揮官を失ったチームは大きく低迷。それでも最後は徳島ヴォルティスとのJ1参入プレーオフを制し、2年連続でのJ1残留を果たす。
- 2020年は深刻な得点不足を解決できず、年間最下位に終わる。しかし、新型コロナウィルス感染拡大による特別規定によりこの年は降格は無かったためJ1残留となった。
- 2021年も5連敗を喫するなど8月の時点で降格圏に沈み、フロントは監督交代を決断。山口智がコーチから昇格する。その後も勝ち切れない試合が続くが、終盤戦でしぶとく勝ち点を拾い、最終節で徳島を得失点差で上回り、しぶとくJ1残留を果たす。
- 2022年も14試合消化の時点で最下位に沈むが、後半戦に入って息を吹き返すようになる。特に日本代表にも選出された町野修斗が日本人最多の13ゴールを決めるなど活躍。王者川崎フロンターレ相手にシーズンダブルを達成したこともあり、近年では比較的楽にJ1残留を決める。
タイトル
国内タイトル
国際タイトル
個人タイトル
2023年の所属選手
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 |
---|---|---|---|---|---|---|
- | 監督 | ![]() |
山口智 | 1978.4.18 | 2021 | 湘南ベルマーレ コーチ |
1 | GK | ![]() |
ソン・ボムグン | 1997.10.25 | 2023 | 全北現代モータース |
2 | DF | ![]() |
杉岡大輝 | 1998.9.8 | 2021 | 鹿島アントラーズ |
3 | DF | ![]() |
石原広教 | 1999.2.26 | 2017 | アビスパ福岡 |
4 | DF | ![]() |
舘幸希 | 1997.12.4 | 2020 | 日本大学 |
6 | DF | ![]() |
岡本拓也 | 1992.6.18 | 2016 | 浦和レッズ |
7 | MF | ![]() |
阿部浩之 | 1989.7.5 | 2022 | 名古屋グランパス |
8 | DF | ![]() |
大野和成 | 1989.8.4 | 2018 | アルビレックス新潟 |
9 | FW | ![]() |
山下敬太 | 1996.3.13 | 2023 | FC東京 |
10 | MF | ![]() |
山田直輝 | 1990.7.4 | 2019 | 浦和レッズ |
11 | MF | ![]() |
タリク | 1988.2.23 | 2020 | AIKソルナ |
13 | MF | ![]() |
平岡太陽 | 2002.9.14 | 2021 | 履正社高校 |
14 | MF | ![]() |
茨田陽生 | 1991.5.30 | 2020 | 大宮アルディージャ |
15 | MF | ![]() |
奥野耕平 | 2000.4.3 | 2023 | ガンバ大阪 |
16 | DF | ![]() |
山本脩斗 | 1985.6.1 | 2021 | 鹿島アントラーズ |
17 | FW | ![]() |
大橋祐紀 | 1996.7.26 | 2019 | 中央大学 |
18 | FW | ![]() |
町野修斗 | 1999.9.30 | 2021 | ギラヴァンツ北九州 |
20 | MF | ![]() |
永木亮太 | 1988.6.4 | 2022 | 名古屋グランパス |
21 | GK | ![]() |
馬渡洋樹 | 1994.8.16 | 2022 | ファジアーノ岡山 |
22 | DF | ![]() |
大岩一貴(C) | 1989.8.17 | 2020 | ベガルタ仙台 |
23 | GK | ![]() |
富居大樹 | 1989.8.27 | 2018 | モンテディオ山形 |
24 | MF | ![]() |
ミケル・アグ | 1993.5.27 | 2022 | CFフエンラブラダ |
25 | FW | ![]() |
若月大和 | 2002.1.18 | 2022 | FCシオン |
26 | DF | ![]() |
畑大雅 | 2002.1.20 | 2020 | 市立船橋高校 |
27 | MF | ![]() |
池田昌生 | 1998.7.8 | 2021 | 福島ユナイテッドFC |
28 | DF | ![]() |
吉田新 | 2000.6.29 | 2023 | 立正大学 |
29 | FW | ![]() |
鈴木章斗 | 2003.7.30 | 2022 | 阪南大学 |
30 | MF | ![]() |
鈴木淳之介 | 2003.7.12 | 2022 | 帝京大河児高校 |
31 | GK | ![]() |
立川小太郎 | 1997.11.7 | 2021 | AC長野パルセイロ |
32 | DF | ![]() |
松村晟怜 | 2003.12.3 | 2022 | 帝京長岡高校 |
33 | DF | ![]() |
高橋直也 ※1 | 2001.5.28 | 2023 | 関西大学 |
35 | DF | ![]() |
柴田徹 | 2001.2.18 | 2023 | 早稲田大学 |
37 | FW | ![]() |
石井久継 ※2 | 2005.7.7 | 2022 | 湘南ベルマーレU-15 |
44 | MF | ![]() |
中野嘉大 | 1993.2.24 | 2022 | サガン鳥栖 |
88 | MF | ![]() |
小野瀬康介 | 1993.4.22 | 2023 | ガンバ大阪 |
※1は特別指定選手、※2は2種登録選手。
過去に所属したおもな選手
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歴代監督
国籍 | 監督名 | 在任期間 | 備考 |
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古前田充 | 1994年~1995年11月 | ・フジタ時代の1990年から在任 ・旧JFL優勝&Jリーグ昇格(1993年) ・天皇杯優勝(1994年) |
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植木繁晴 | 1995年11月~12月 | ・監督代行 ・アジアカップウィナーズカップ優勝(1995年) |
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トニーニョ・モウラ | 1996年~1996年9月 | |
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植木繁晴 | 1996年9月~1998年 | |
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上田栄治 | 1999年~1999年1stステージ | |
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古前田充 | 1999年2ndステージ~12月 | J2降格(1999年) |
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加藤久 | 2000年 | |
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田中孝司 | 2001年~2002年 | |
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サミア | 2003年~2003年5月 | |
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山田松市 | 2003年5月~2004年 | |
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望月達也 | 2004年7月~9月 | 監督代行 |
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上田栄治 | 2004年9月~2006年6月 | |
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菅野将晃 | 2006年6月~2008年 | |
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反町康治 | 2009年~2011年 | ・J1昇格(2009年) ・J2降格(2010年) |
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曺貴裁 | 2012年~2019年10月 | ・J1昇格(2012年、2014年、2017年) ・J2降格(2013年、2016年) ・J2優勝(2014年、2017年) ・ルヴァンカップ優勝(2018年) |
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高橋健二 | 2019年7月~9月 | 監督代行(曺監督の活動自粛中) |
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浮嶋敏 | 2019年10月~2021年8月 | |
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山口智 | 2021年9月~ |
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関連項目
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