湯浅政明とは、日本のアニメーション演出家、アニメーター、ニット帽愛好家の一人である。
経歴
九州産業大学芸術学部を卒業後の1987年にドラえもんやちびまる子ちゃんの監督である芝山努が設立した亜細亜堂に入社。アニメーターとしてキャリアをスタートさせる。
湯浅政明が最初に頭角を現したのは1990年にスタートした『ちびまる子ちゃん』。そこで、最初のED(歌:おどるポンポコリン)の絵コンテ・作画を担当したことである。その後フリーランスとなった湯浅の名前が本格的に世間の目に留まったのは1992年スタートの『クレヨンしんちゃん』である。
初代監督の本郷みつるが作画監督として湯浅を起用。劇場版では設定デザインやクライマックスシーンの原画を担当。業界に大きく名をとどろかせることになる。
2001年には初監督作品『マインド・ゲーム』で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞。その他にも第59回毎日映画コンクール大藤信郎賞、2005年モントリオール・ファンタジア映画祭 アニメーション部門最優秀賞、さらにはパリ・KINOTAYO映画祭大賞を受賞した。
ケモノヅメ、カイバとオリジナル作品を多く作っていたが、2010年に初めての小説作品『四畳半神話大系』を監督。さらにこの作品が二度目の文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞してしまった。
なお、この部門で2回大賞受賞したのは、宮崎駿、細田守、原恵一、そして湯浅政明の四人だけである。
2014年には4年ぶりのノイタミナ枠で「ピンポン THE ANIMATION」の監督し、全話絵コンテという偉業を成し遂げた。
また、2017年の3本目の監督作『夜明け告げるルーのうた』ではとうとうアニメ版カンヌ映画祭のアヌシー国際アニメーション映画祭長編クリスタル賞を受賞。
この賞を過去に日本人で獲ったのは宮崎駿(『紅の豚』)、高畑勲(『平成狸合戦ぽんぽこ』)だけで、日本人受賞者は実に22年ぶり3人目かつ非ジブリの監督が受賞したのは初めてのこと。但し、その評価とは裏腹に映画そのものは国内で大コケしてしまった。
しかし、この受賞の功績を認められ、今度は個人で文化庁長官表彰(国際芸術部門)の被表彰者に選ばれている。
同時表彰者には前年高い評価を得た『この世界の片隅に』(アヌシー審査員賞受賞)の片淵須直監督も選ばれており、長官を囲んでの写真も撮影されている。
表彰理由は『日本のアニメーション監督に希望を与えたという功績』という、国からのものすごいお墨付きであった。
人物・作風
- 癖のあるサイケデリックな演出・作画を特徴で、独特な揺れた線や斜めに傾いた不可思議なパース多用し、大学の美術生らしいアーティスティックな画風といえる。
- 前述のとおりオリジナル作品が多く、原作・監督・シリーズ構成・脚本の多くを自らが兼ねることも多い。
- 2001年発売のOVA「ねこぢる草」は監督ではないものの、作画監督・脚本・絵コンテを担当したため作品全体に湯浅ワールドが広がってしまい湯浅政明監督作品と間違えられることが多いが、あくまで佐藤竜雄監督作品なのでお間違えの無いように。
- 『四畳半神話大系』制作時、原作にないロボットを登場させようとして上田誠に止められた逸話がある。しかし本人が強引にロボットを出した。
- ちびまる子ちゃんの原作者であるさくらももこは湯浅を「一見大人しそうに見えてとんでもないことを次々と思いつく」と評している。
監督作品
テレビシリーズ
- ケモノヅメ( 原作・監督・シリーズ構成・脚本・絵コンテ・演出)
- カイバ(原作・監督・シリーズ構成・脚本・絵コンテ・演出)
- 四畳半神話大系(監督・脚本・絵コンテ・演出・挿入歌作詞)
- SHIN-MEN(監督・絵コンテ・演出・作画監督・原画・OP作詞) ※6話でムトウユージに交代
- 月の魔法姫プリティラビィ(シリーズディレクター) ※フォトカノ劇中アニメ
- ピンポン THE ANIMATION(監督・シリーズ構成・脚本・絵コンテ・演出)
- アドベンチャータイム(監督・脚本・絵コンテ) ※シーズン6エピソード7
劇場版
動画
関連商品
関連項目
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